第822話 2022/1/13 インターネット老人会とか

 本日は10時起き。天気は悪くないが強風。この冬は本当に風が強い。ああ、気が滅入る。まあいいか、今日は何も予定がないしな。おとなしく寝転んでいよう。でもこの風、明日まで続く予報なんだよなあ。うがー。


 最近、というほど最近でもないが、「インターネット老人会」という言葉を目にするようになった。老人会とはオーバーな、という気もしないではないのだが、それでも日本でインターネットが広まり始めたのがWindows95からだと考えれば、もう27年前だ。インターネット内外の環境も当時といまでは全然違う。当時のことを伝聞ではなく実体験として知っているのは、確かにある意味老人なのかも知れない。

 虫けらが初めてPCを自分で購入したとき、OSはWindows98SEだった。インターネット接続はまだISDNですらないダイヤルアップ、つまり普通の電話線に繋いでいた時代である。NTTにテレホーダイを申し込めば、夜11時から翌朝8時まではどれだけ使っても料金が固定されるので、親に相談もせず勝手に申し込んだりした。

 当時のネットは言うまでもなく遅かった。遅いなんてものではない。ブロードバンドなんて言葉すらなかったからな。あの頃はネット全体がアングラであり、企業の公式サイトなんてモノもほぼ存在せず、著作権なんて概念の外にあった。だからアイドルの水着写真集をスキャンした画像なんかがそこら中にあったのだが、それをダウンロードするのがまあ大変だった。

 スキャン画像と言っても、いまとはスキャナの性能が違う。いまの基準で見れば物凄い荒い画像で、容量的にも軽かったのだが、この軽い画像をダウンロードするのに5分とか平気でかかったのだ。ちょっと高精細な画像になれば、10分オーバーもそう珍しくはない。いやそれどころか、サムネイルのページを開くだけで何分も必要だった。つまり画像サイトにアクセスして、好きなアイドルのページを開き、画像を数枚ダウンロードするだけで1時間作業だったのである。いまなら3分とかからないのに。

 その後ISDNが出てきて、ちょっと速くなった。数字上はどうか知らんが、体感的にはほんのちょっとである。そしてADSLが登場し、いわゆるブロードバンド環境が広がった。虫けらはADSLは結局体験せずに光回線(当時は100Mbpsで高速通信だった)に移行したが。

 現在は光回線で1Gbpsであるが、100Mbpsの頃と体感的には大差ない。そんなに重いコンテンツにアクセスしないからな。ISDNの広まった頃からネットでは企業や自治体の公式サイトができ始め、アングラ感は薄まって行った。著作権法違反のサイトは駆逐され、いろんな意味で「ちゃんとした」世界になってきたように思う。ただその結果、やたらと見栄えばかり気にしたクソ重いサイトがどんどん増加し、回線の速度が上がっても、それをイマイチ意識しにくくなっている。この辺、中身はさほど変わらないのにグラフィックの容量が年々増加する、ゲームの世界に似ていると言えなくもない。

 人間は生活レベルを一度上げてしまうと、下げるのは難しい。いまのネット環境を味わってしまうと、もうダイヤルアップの時代には戻れないだろう。カクヨムのトップページを開くだけで10分かかるような暮らしはしたくない。インターネット老人の1人としては、死ぬまでこのままの生活レベルが維持できればなあ、と願う次第。

 さて、中国の裁判所は10日、放火や器物損壊などの罪で逮捕された男に禁錮7年の判決を下した。この男は昨年6月にインターネットカフェで、通信速度が遅いことに腹を立てて光ファイバーケーブルが収納された箱を破壊し、さらに交差点の通信機材に放火したという。交差点の通信機材というのがよくわからないが、中継器でも地上に露出しているのだろうか。

 この火災の影響で、住宅やオフィス、公立病院など4000戸近くが、28~50時間インターネットに接続できなくなったのだそうな。住宅のネットはともかく、病院はマズかろう。人の命に関わるからな。

 だいたい遅いと言っても画像一枚に5分10分かかった訳でもあるまい。対戦ゲームでもやっていたのかも知れないが、ある程度の遅延は仕方ないだろう。それが許せないというのなら、そもそもネットに向かない人間である。金輪際、スッパリ縁を切った方が社会と自分自身のためであろう。日本でも居そうだけどな、この手の理由で癇癪を起こす連中は。ネットだけがこの世のすべてではないのだ、向いていない者はどうか離れていただきたいと思うところ。

 

 中国と言えば10日、ドイツの国立反ドーピング機構(NADA)が北京オリンピックに参加する選手に対し、中国産の肉を食べないよう勧告をした模様。中国では牛や豚に対し筋肉増強剤クレンブテロールを与えているため、それを食べてしまうとドーピングに引っかかる可能性があるらしい。

 ちなみに食用肉を食べてドーピングに引っかかった例として、2010年、自転車ロードレースのツール・ド・フランスでスペインの選手が薬物検査に陽性反応を示した。選手はスペイン産の牛肉を食べたと主張したのだが、出場停止処分および他大会での優勝の剥奪という憂き目に遭っている。スペインでは肉牛にクレンブテロールを与えているようだ。

 この辺ドイツや日本の畜産がどうしているのか情報がないのだが、まあとりあえずスポーツ選手は中国で肉を食わん方がいいのだろう。でも選手村の食堂とか肉料理も出すだろうしな、ドーピングに引っかかる選手が続出するのだろうか。


 芸能人が麻薬など犯罪行為で捕まったりすると、そのたびに過去の出演作が放送自粛になったり、CDの出荷や音楽配信が停止されたりする。これはいかがなものかという話は毎回出て来るのだが、なかなか良い解決策が見つからない。

 作者(演者)と作品とは分けて考えるべきだという説がある。虫けらも個人的にはそう思う。ただ、その作者の作品が市場に出回っているだけで不愉快だという気持ちも理解できないではない。ことに可愛さ余って憎さ百倍、自分が好きだった作者が反社会的な行動を取った際、応援していた自分が裏切られたと感じ、その作品を全否定したくなるのは、ある意味当然であるとも思う。

 とは言え、だ。他人に清廉潔白、品行方正を勝手に期待するのは馬鹿げた思考である。人間がそんなに都合良くいられる訳がない。誰かを応援するのなら、裏切られることを前提とした方がいいのかも知れない。

 12日、イギリスの公共放送BBCの玄関上にある石像が、ハンマーを持った男に破壊された。男は器物損壊容疑で逮捕されたが、己の行動を正当化しているらしい。そもそもこの男は何故このような行動に出たかと言えば、破壊された石像の作者に、自身の娘2人に対する性的虐待の疑いがあるからだ。このことから過去に慈善団体などがBBCに対し像の撤去を求めたものの、拒否されている。

 撤去しないのなら破壊してやれ、という男の主張はまったく理解できないではないのだが、像が設置されたのは1930年代、90年くらい前の話だ。これをいま破壊することに何の意味や価値があるだろうか。ただ目立ちたかっただけなんじゃないかと思えなくもない。

 だいたい性的虐待は許せないが器物損壊は許せるという我田引水な発想が理解に苦しむ。どちらも許してはならない犯罪行為である。そしてそれは人間の罪だ。罰は人間に与えられなくてはならない。作品を破壊して誰かを罰した気分になるのは、極めて幼稚なヒロイズムではないか。

 などと、こんなこと書いていられるのも、虫けらが日本に住む日本人だからであるのだが。イギリス在住だったりしたらハンマーでぶん殴られるのだろう。怖や怖や。


 本日はこんなところで。ああ風の音が気持ち悪い。

 昨日も1500文字くらいしか書けなかったのかな。何とか更新はできたのだが、今日は果たしてどうなるだろうか。何とか頑張らんとなあ。

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