第783話 2021/12/5 欠損とか

 本日は5時起き。現時点の外気温は9℃らしいが、今日の最高気温が11℃だとか。室温18℃設定だと寒くて目が覚めたので1℃上げて19℃設定に。20℃はまだ越えたくない。意味のある拘りなのかどうかはよくわからないのだが、変なところで自分に厳しいのだろう。

 それと関係しているのだろうか、今朝は久々に工場労働してるときの夢を見た。いや、厳密に言えば自分が働いた事のない工場の中にいたのだが。まだ働きたい気持ちが残っているのだろうか。だがもしそうであっても、いまのこの体では耐えられそうにない。夢の中でも一人休憩室の中でボーッと時間を潰していた。何とも嫌な夢だ。


「姓は丹下、名は左膳」で皆様お馴染みなのが丹下左膳である。ある、と言いきられても若い人は丹下左膳など知らないだろうが。昔の時代劇のスーパーヒーローであり、俗に言う「欠損フェチ」キャラの元祖的存在と言える。

 片目片腕、昼間から酔い潰れている無頼浪人であるが人情に厚く、剣の腕は超一流で悪いヤツらをバッタバッタと斬り倒して行く。その強烈なインパクトは後代の創作に大きな影響を与えている。子母澤寛氏の「座頭市」、手塚治虫氏の「どろろ」や寺沢武一氏の「コブラ」、荒川弘氏の「鋼の錬金術師」なども直接的な影響を受けているかはともかく、その流れの中にあると言って良いのではないか。

 虫けらの書いた「案山子の帝王」の主人公は片目片足だが、これはモロ丹下左膳の影響である。片目とか片腕とかの欠損は、昔は悪役のトレードマークだった。それを主人公にくっつけた原作者の林不忘氏の着眼点は素晴らしい。人間は他人の欠損に対し違和感や嫌悪感を抱くが、同時にある種の興味深さも感じる。キャラを立たせる要素としては、非常に有効だ。

 とは言っても、社会は欠損キャラにそれほど寛容ではない。「身体障害者に偏見を与える」などといった非難もあろう。いくらキャラ立ちするからといって欠損キャラばかりバンバン出していたら、イロイロ面倒な事にもなりかねない。だから、というだけの理由ではないのだろうが、時代が下がるほど「欠損しているが、一見欠損しているようには見えないキャラ」が増えてくる。コブラやハガレンはその典型例であろう。

 この辺に大きく寄与したのは、やはり石森章太郎氏の「サイボーグ009」「仮面ライダー」辺りだろうか。全身改造されたヒーローが活躍するのが当たり前になったのだ、主人公の体の一部が人造物に置き換わったくらいで読者が違和感を覚えなくなったのもむべなるかな。

 ただこれはフィクションの世界の中だけの話である。いま現在、義手や義足の人の周囲は、まだ違和感も覚えるし、偏見に基づく差別もあるはずだ。人間の手足に完全に取って代わる性能の義手や義足はないのだから。技術は進歩しているし、新しい発想による新しい義肢のニュースも目にはするのだが、ほとんどは実験段階であってユーザーにまではまだ行き渡らない。パラリンピックに出るための義足はあっても四肢欠損者に「普通の生活」を送らせるための物はなかなか作り出せないのだ。普通の難しさよ。

 創作の世界における、もっとも普通でもっとも高性能な義肢は何だろうかと考えると、やはりコブラの左手ではないか。何せ中身にサイコガンを隠さなくてはならないから空洞である。にもかかわらず自由に自然に指が動く。サイコガンはともかくとして、この指が動くというのは凄い技術である。しかもクリスタルボーイの体をぶち抜いても壊れない頑丈さ。あらゆる面で理想的と言えるのではないか。こういう「本物ではないけど本物以上に凄い義肢」が登場するのは遠い未来だろうが、技術開発をされている皆さんには目標として掲げていただきたいところ。

 さて義肢とはほとんど何の関係もない話なのだが、2日付のイタリアの新聞が報じたところによると、北西部ピエモンテ州ビエッラ県に暮らす医療従事者の50代の男が、新型コロナのワクチン接種会場から通報された。どうやらワクチンは打ちたくないが接種証明書は欲しかったらしく、シリコン製の「偽物の腕」を使ってごまかそうとした模様。しかし対応した看護師に、肌の色が違いすぎて見破られたのだそうな。

 ピエモンテ州の行政トップはFacebookにこう投稿している。

「これは影響がとてつもなく深刻でなければ、実にくだらないばかげた話と言いたいところだ」

「このパンデミックの最中に、人の命や社会経済的な喪失という意味でコミュニティ全体がどれだけの犠牲を払ったかを思えば(男性の策略は)受け入れがたい」(以上BBC)

 何とも笑うに笑えない話。なおこのBBCの記事はYahoo!ニュースにもあるのだが、そこのコメント欄も笑うに笑えない。Yahoo!ニュースはコメント欄を改善したはずではなかったか。改善してこれか。ある意味凄いな、と思う次第。


 ロシアによるクリミア半島強奪以降、緊張状態の続くウクライナ東部であるが、アメリカの新聞ワシントン・ポストは3日、ロシアが年明け早々にもウクライナに軍事侵攻する計画であると報じた。推定17万5000人、百個大隊による多正面攻撃だそうだ。

 もちろんロシアはこんな報道など否定するか無視をするかだろう。しかし、年明け早々には動かなくても1月下旬に動くかも知れない。その辺はプーチン大統領の気分とロシアの国内情勢によるのではないか。ロシアはウクライナを吸収したいし、そのためなら軍事力を用いても構わないと考えていること自体は、クリミア以降の状況を見れば明らかである。

「戦争なんてすれば経済的ダメージが大きいし、世界の市場が一つになっているこの21世紀の現在、戦争なんて起きない」

 と、いまだに言う声がネットにはあるが、現実にはそんな理屈で動いている国ばかりではない。そんな理屈で世界が動いているなら、ミャンマーのクーデターもエチオピアの内戦も起きない。世界中で日本の常識が通用する訳ではないのだ。戦争がおきるはずなどない、といった考え方は極めて危険である。戦争には常に備えねばならない。別に竹槍を家に置けと言いたい訳ではないが、戦争が起こってもパニックにならないよう心づもりはしておくべきだと考えるところ。


 4日の昼過ぎから鹿児島県のトカラ列島近海を震源とする震度1~4の地震が、現時点で93回発生しているらしい。そう言えばインドネシアのジャワ島では4日火山が噴火している。関係があるのかどうかは知らないが、地球規模で見ればインドネシアと鹿児島県はさほど遠い訳でもない。ついでに地球規模で見れば鹿児島県と和歌山県と山梨県もさほど遠くはない。オカルトを煽るつもりはないものの、大きな災害に繋がらねばいいがと思うばかり。


 本日はこんなところで。はうー、厳しい。冬期鬱が厳しい。全然動けないぞ。明日は通院なのでここは休む予定。車の運転大丈夫かねえ。何とか無事に帰って来れますように。

 昨日は2900文字ほど。まあ頑張った方だろう。何とか今日も頑張りたいのだが、頭が働いてくれるだろうか。

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