第762話 2021/11/14 ハッカーとか

 昨日の夜、何かを忘れていた。何を忘れているのかどうしても思い出せなかったのだ。で、それとは別に気になっていることもあった。いつもの就寝時間を過ぎたのに全然眠くならない。何故だろうなあ、と思っていたのだが。

 ハイそうです。睡眠導入剤を飲むのを完璧に忘れておりました。そら眠くもならんわな。そんな訳で寝付きが悪く、本日は11時半起き。うがー。

 死んだ両親が出て来る夢を見た。あまり珍しくはない。結構頻繁に出て来る。そして親の出て来る夢というのはたいてい悪夢である。ああもう、二度と出て来るなと毎回思うのだが、出て来るのだよなあ。こんなところまで現実の親に近付かなくても良さそうに思うのだが。そんな日曜日の昼。


 虫けらはここのところ漫画も小説も読まないし、映画もドラマも何も見ていない。他人の創作に触れる機会が激減している。これは非常にマズい状態であると言える。まず創作者の端くれの片隅に立つ一人としてマズいことはもちろんである。他人の創作に触れていなければ感性が鈍磨し、自分の創作の質が低下するのだから。だが、鬱病患者の一人としても非常にマズい。他人の創作への興味が薄れるのは、鬱が悪化する兆候としてわかりやすいものの一つなのだ。

 何かに興味を持つこと、好奇心を持つこと、そういった部分が麻痺を起こしかけている。これは何とかしなければいけない。ただ、何とかと言っても無理矢理に本を読んだり映画を観たりする訳にも行かない。そんなのは逆効果にしかならないからだ。

 理想としては一定期間、何も見ず聞かずに情報を遮断して休息するのが確実なのだが、現実として簡単ではない。テレビもPCも電源を切ったところで、家の外から聞こえてくる声や音にも情報は乗っており、それが神経を圧迫する。遠くに電車の走る音が聞こえるだけでストレスになる。医者はとにかく「安静に」という言葉を使いたがるが、そう易々と安静にはできないのである。耳栓でも買えばいいのだろうか。血流の音がストレスにならねば、だが。

 とにもかくにも現状そんな状態なので、虫けらは創作界隈の昨今の流行には極めて疎い。いま、ハッカーってどんな感じに表現されているのだろうか。一昔前なら、キーボードをカタカタカタカタッ、ターン! と叩いてファイアーウォールとか突破していたはずなのだが。そんなハッカーが実際にいた時代というのは、おそらくない。コンピューターが誕生して今日まで、ただの一人も存在していないのではないか。

 ハッカー(クラッカー)が企業や組織のコンピューターに侵入できるのは、ひとえに人間のおかげである。昔なら対象の組織の人間に接近し、パスワードなどの情報を買ったり騙し取ったりして入手するのが当たり前だったし、昨今ではメールやUSBメモリの中にランサムウェアを忍ばせて、相手組織の間抜けな担当者がそれを開いてくれるのを待ったりする訳だ。さすがにキーボードだけでは、どんな超一流ハッカーでも何もできない。

 いま「間抜けな担当者」と書いたが、これは笑い話ではない。何故なら間抜けな担当者のいない組織など、おそらくこの世界には一つも存在しないであろうからだ。すべての働きアリの20%は常に休んでいるという話があるが、それと似たようなものである。どんな集団にも間抜けな担当者は常に存在する。その担当者をチョイスしてクビにしても、別の担当者が間抜けになるだけだ。どんな人間でも間抜けになる瞬間はあるという言い方をしてもいいのかも知れない。

 従って「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」理論と合わせて考えれば、対象とする組織に対して延々とランサムウェアを送り続ければ、どんな組織でもいずれ間違いなく引っかかり、ハッカーに侵入されるのである。事実上、逃れる術はないと言える。

 さて、アメリカ連邦捜査局と言えば略称の方が圧倒的に有名な、かのFBIであるが、13日FBIが発表したところによると、13日未明、内部のメールシステムからと思われる「サイバー攻撃への注意を促す内容の偽メール」が大量に送信されていたらしい。どうやらハッキング被害を受けた模様。

 FBIには複数のシステムがあるのだが、被害を受けたのは外部との送受信に使うものだけで、機密性の高い情報のやりとりはしていないらしい。仮に機密性の高い情報をやりとりしていたとしても、それを認める訳には行かないのだろうが。しかしまあ、天下のFBIでもハッキングされるのだ、その辺の企業がやられるのも無理はないと言える。

 さてこのハッカーは、いったいどこの誰なのだろうな。「今回の攻撃はロシアの関与が云々」「中国が」「北朝鮮が」とか言い出したら、真相は藪の中になるだろう。実際にそれが正しくとも、政治に利用された時点で真実からは遠ざかる。犯人を検挙するより重要なことの中に紛れてしまうのだ。そういう意味においては、ハッキングはいま犯行に関わるリスクが非常に小さい犯罪なのかも知れない。


 冒涜とは崇高なものや神聖なものを冒し汚すこと、とされている。10月末、タイのブロガーが「ブッダとセーラームーンを組み合わせた」と本人が主張するコスプレを公開したのだが、これがタイの仏教界から大顰蹙を買い、宗教に対する冒涜であるとして下院の宗教委員会が、僧侶に扮することを禁じた刑法や、混乱を招く投稿を規制するコンピューター犯罪法などに違反した疑いがあると判断した模様。法的手続きを進めるよう警察に求めているらしい。

 このコスプレの写真を見たのだが、いったいどこがセーラームーンなのかはよくわからなかった。まあ本人の中ではセーラームーンっぽいのかも知れない。しかしタイには僧侶に扮するだけで罰せられる法律があるのだな。それに一番驚いた。タイにおいては仏教は神聖にして冒すべからず、なのだろう。

 ただ、表現の自由は神聖ではないが崇高である。このコスプレが宗教に対する冒涜であるとするなら、その主張自体が表現の自由に対する冒涜となろう。タイにおいては宗教の方が優先順位が高いのだろうが、その尻馬に乗って日本人が「これは仏教に対する冒涜だから罰せられても仕方ない」などと言うのは浅ましい。そんなに表現の自由が必要ないと思うのなら、沈黙していればいい。一部ネットにおける発言を見ていてそう感じるところ。


 フィリピンでは来年5月に大統領選挙が行われる。大統領職は2期できないことになっているので、現職のドゥテルテ大統領は選挙に出馬できない。その代り、彼の娘のサラ氏が大統領選挙に出馬するのでは、と噂されていたのだが、13日、サラ氏は大統領選挙に出馬しない旨を発表し、副大統領選挙に出ると宣言した。

 副大統領候補になるということは当然、大統領選挙に出る候補者とペアを組むことになる。どうやらその相手がフェルディナンド・マルコス氏、あのマルコス元大統領の長男らしい。ドゥテルテ氏はマルコス家と親密だったらしく、娘を副大統領に据えることで実質的な権力を維持できるのではないかと報じられている。

 またその一方、ドゥテルテ氏自身が「やっぱり副大統領選挙に出る」と言い出しているという報道もある。イロイロと混沌カオスである。いったいどこに着地するのやら。


 本日はこんなところで。昨日は3000文字ほど書けたのかな。あんまり読まれてはいないが、まあ今日も頑張って更新しようか。

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