第758話 2021/11/10 願望とか

 本日は4時半起き。雨が過ぎ去ったからだろうか、昨日ほどには体も重くない。まったくこの体は何とも腹が立つ。デジタル処理をしている訳でもあるまいに、人間の体調を0か1かに振るのはやめてもらいたいところ。まあ0か1かに振られているかのような外の気候にも原因があるとは言え、もう少しグラデーションのある幅の広い管理をして欲しいのだがなあ。でもまあ、今日は何とか動きそうな感じ。動いてくれよと願うばかり。


 かつて人間は自らを「万物の霊長」と称し、もっとも神に近い、完璧に近い存在であると考えていた。しかし人間の持つ様々な能力や側面が、人間が下等とみていた生物の間にも見られることが様々な研究により判明し、「神より人間だけに与えられた能力」などというものが、無知に基づく妄想であると判明しているのが、この現代という時代である。

 たとえば犬や猫の飼い主で、犬や猫が「遊ぶ」ことを知らない人はまず居まい。動物は遊ぶ。狩猟の訓練とかそういうことではなく、面白いから、楽しいから、さまざまな物、道具、状況を活用して時間を消費することに熱中する。飼い主に甘えてそれをする場合もあれば、一人で勝手に遊んでいる場合もある。この「勝手に楽しむ」というのは極めて高度な行動である。まあ近代科学は「動物は反射と本能によってのみ動く肉でできた自動機械である」としてきた訳だから、その視点からすれば高度というだけであるが。

 動物は鳴き声を上げるが、これを特定の音節で区切り、繰り返したり変調させたり特定のパターンの組み合わせを連続させたりする動物もいる。つまり「歌」であり、「音楽」である。今年に入ってマダガスカル島に住むキツネザルの仲間「インドリ」が、特定のリズムに基づいて歌を歌っていることが明らかになった。人間以外の哺乳類では初だという。もっとも鳥類、それも鳴禽類と呼ばれるスズメ目の鳥の多くが人間のように歌っていることはずっと以前から明らかだった。しかもその歌には地域性や流行まであるという。

 鳥類の知能の高さをさらに証明してみせたのが日本の研究で、シジュウカラを中心としたカラ類の鳥たちは鳴き声を細分化して、その組み合わせパターンを様々に使い分けていることが判明している。何のことかと思うだろうか。つまりシジュウカラは「言葉」「言語」を保有し使いこなしているということなのだ。ただの鳴き声ではない。鳴き声の中にある単語を取り出して順番を変えると意味が通じなくなる点を見ても、非常に複雑な言語であることは明白であろう。

 ことほど左様に、人間以外の動物の世界にも文化は存在し、それは広くこの惑星を覆っている。人間の頭脳だけが規格外れに極めて優秀で、その優秀さなくしては文化は成立しないという思い込みは、ただ「そうであって欲しい」という寂しい願望でしかないのだ。

 とは言え、学者がこれらを解明するよりずっと前から市井の人々は人間以外の動物の賢さに気がついていた。「猿は人間に毛が三本足らぬ」ということわざがある。これは猿の愚かさを笑う言葉ではあるのだが、言い換えればほんの少し足りないだけで人間に近い行動を取る動物であることは、学者でなくとも当たり前のこととして知っていたのだ。

 また、農家は伝統的に作物を守るため鳥と戦って来た。その過程で生まれたのが案山子である。しかし、木や竹を人型に組んでボロを着せただけの案山子で鳥が追い払えると思っていた農民はいない。そこでどうしたか。鳥を捕まえて、その死骸を田畑の近所にぶら下げたのだ。鳥は頭がいいから、仲間の死骸を見れば逃げ出すに違いない、という発想である。鳥が反射と本能だけで動いていると考えているのなら出て来ないアイデアだと言える。

 ただ結論から言えば、この方法もさして効果はない。「仲間の死体がある場所はヤバい」という考え方は地面に縛られた農民の発想だからだ。鳥は地面の区切りなど関係なく飛び回り、そして区切りなど関係なく常に天敵に襲われて殺されるリスクにさらされている。故に、そこに餌があるのに、仲間の死体があるからという理由で近寄らないなどという発想は鳥にはない。鳥の死体をぶら下げるのは、農家の鬱憤晴らし以外の効果はまったくないだろう。

 さて話はまったく変わって、アメリカの宇宙技術会社が7日に公開した衛星写真によると、中国のゴビ砂漠の中に、アメリカの空母を模したとみられる建造物があるようだ。中国軍が訓練用の標的として作ったと見られている。普通に考えれば対艦ミサイルなどの発射訓練や実験に使う物なのかも知れない。だが、それだけではないだろう。

 さすがに中国とてそこまで馬鹿ではない。この空母型の標的がアメリカに見つからないなどとはまったく考えていなかったろう。見つかることは百も承知だったのだ。と言うより、見せるためにわざわざ周囲に何もない砂漠の真ん中に建造したのではないか。つまり、これは中国からアメリカに向けてのメッセージであると考えられる。

「おまえらの空母なんぞ、簡単に撃沈できるんだぞ」

 と言いたいのだろう。要するに畑にぶら下げられた鳥の死骸と同じだ。これを見て尻尾を巻いて逃げ出せ、と言いたいのだ。

 さあ、これを見せつけられてアメリカはどうするのだろう。どのように行動するのか、それとも何もできないのか。正直、バイデン大統領では期待薄である。戦争は避けていただきたいが、さりとてこのまま放置すれば中国はいずれ戦争を起こす。アメリカにはその点を重視してシビアな判断をしてもらいたい。ただし、そのシビアさにバイデン大統領が耐えられるとは思えない。何とも先行き不安である。


 2015年に京都市埋蔵文化財研究所の平安京内裏跡における発掘調査が行われ、その際発見された柱跡の中に、「枕草子」の清少納言が過ごした登華殿、およびその南隣にあり、紫式部の「源氏物語」では光源氏が朧月夜おぼろづきよと出会う場として描かれた弘徽殿の物が含まれていたことが判明した。

 自分の書いた作品が後代の歴史的資料となるなんて、どんな気分なのだろうな。まあ仮にこの日記が後代何らかの資料とされたところで、それを虫けら自身が目にしたり耳にしたりすることなどないのだろうが。

 でもそう考えると、物事の詳細を書き残しておいた方がいいのかなあ、と思ったりもするのだが、そんなの気にしてたらキリがない。そういうのは、もっとちゃんとした資料を書く人が残しているだろう。という訳で、本日もいい加減なことを書き連ねる次第。


 東欧の独裁国家ベラルーシが、中東から流入してきた移民・難民をポーランド国境に移動させている。7月頃から始まったこの動きで、現在4000人ほどが国境に集まっている模様。ポーランド側では軍1万2000人を派遣し、流入を防いでいるという。

 まあEUはベラルーシの独裁体制を非難していたからな、それに対する意趣返しなのだろう。トルコがやっているのと同じことだ。

 EUはかつて移民・難民を政治的に利用した。いまはトルコとベラルーシが、違う形で利用している。それが非人道的だというのなら、どちらもそうだろう。

 しかし、それにしてもベラルーシは内陸国だ。黒海に面しているトルコとはだいぶ状況が違う。理屈だけで考えれば、EUに行きたい移民・難民はウクライナから西に移動してルーマニアなりハンガリーなりスロバキアなりに入れば良いように思うのだが、北のベラルーシまで入り込んでしまうものなのだな。まあおそらくウクライナはウクライナでEUから「難民入れるなよ」と言われてたりするのだろうし、そう簡単には行かないのだろうが。


 報道によれば日本の老舗電器メーカー東芝が、発電などの「インフラ」、ハードディスクドライブなどの「デバイス」、そして「半導体」の3つの主要事業ごとに分社化し、数年後をメドにそれぞれ上場を目指すそうだ。東芝ってまだ重電部門とそれ以外を分けてなかったんだな。イロイロ効率が悪かったのではないかと思わなくもないのだが、まあ東芝には東芝なりの社内事情があったのだろう。

 また、アメリカの老舗企業ゼネラル・エレクトリックも航空、医療機器、電力の3事業に分社化すると発表した。3つに分けるのが流行ってるのか。

 3分割というのはロボットアニメではありがちな数ではある。ゲッターロボにザンボット3にダルタニアス、他にも探せばいくつか出て来るのではないか。ガンダムも一応3分割できるな。もしかしたら、いつかまた合体するやも知れない。何と言うか、頑張れ。


 本日はこんなところで。うーむ。早起きしたから時間はあるのだが、買い物に行きたいという気持ちが起きない。やる気が全然ない。仕方ない、急いで買いに行かなきゃならん物はないし、またAmazonでいいや。

 ファンタジーは昨日、2900文字ほど書けている。まあまあ頑張った方ではないか。今日も何とか頑張りたいところ。

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