第757話 2021/11/9 本日もまた休業

 本日は11時起き。雨。気温は低め。体調はかなり悪し。


 ご承知のように虫けらのこの日記には広告が出ているのだが、クラウドファンディングの物がよく出て来る人もいるだろう。それを見ていると、個人制作の映画のクラファンが結構あるのだ。


 まあ映画を本格的に制作しようとすれば金はかかるからな、クラファンは一つの手段と言える。昔なら地元の企業なんかを回ってスポンサー集めをしたものなのだが、気軽に金を集められるようになったのは悪いことではない。でもな。


 たとえば虫けらが「新作小説を書くためにクラファンを立ち上げました! 最新型PCとワープロソフトとその他環境を整えるために100万円をゴールとします!」なんてこと言い出したら、どう思うだろうか。


 小説なんぞ、中古PCが1台あれば何の問題もなく書ける。文書作成ソフトもフリーでいくらでもある。金をかけずに済まそうと思えば、やり方はたくさんあるのだ。クラファンを立ち上げる意味がどこにあるのだろう、誰もがそう思うのではないか。


 映画はどうやっても小説よりは金のかかる創作だが、それでもPC1台と動画処理ソフトが用意出来れば、後はスマホでも撮れないことはない。クラファンを立ち上げるほどの金が必要だろうか。


 まあ最近は予算的に不足していないにもかかわらず、話題作りのためにクラファンを立ち上げる例も少なからずあるので一概には言えないのだが、「映画を撮りたい」→「金がない」→「だったらクラファンだ!」というのは、少々安易ではないか。金がないのならまず、金のかからない映画を撮ってみてはどうだろう。そもそも、クラファン立ち上げて金が集まるのならまあいいが、集まらなかったらどうするつもりなのだ。「金が集まらないのなら中止」みたいなノリなら、最初からやめておいた方がいいような気がする。


 映画が好きだから映画を撮りたい、という気持ちはとてもよく理解できる。しかし現実問題として金がないのなら、そのイメージを小説なり漫画なりに転化して、まず物語を他人の目に触れる形にしてみてはどうかと思わなくもない。自分の描きたい物語が他人にどう評価されるかを知ってから映像という形にしても遅くないのではないかなあ。


 かつて虫けらが某企業で働いていたとき、同じ会社に同人映画を作っている人がいた。趣味としてはかなり金のかかる作品を制作していたが、それでも自分たちの給料から幾らかを持ち寄って手持ちの金で何とか映画を撮っていた。当時は公開する場所を探すだけで一苦労だったらしいが、いまならYouTubeなどで公開できるだろう。まず作品を撮ってみせてから、これを本格的な映画にしたいのでクラウドファンディングを立ち上げます、という順序なら素直に理解できるところ。


 映画は、あるいは小説でも漫画でも同じなのだが、企画書やプロットで面白さを全部伝えることはできない。映画ならカッティングとか、小説なら文体とか、漫画ならコマ割りとか、実際に描いてみせなければ伝わらない部分が少なからずあるはずだ。いわゆる「名刺代わり」の作品がなければ、金を出す方も出しにくい。「こんなに面白い映画なんです!」といくら上手に説明されても、それだけでは人の心は動かないものである。


 創作の世界に足を踏み入れる人が、少しでも増えるのは嬉しいことだ。しかし「金がないからできない」となるのは何とも悲しい。金がなくともまず創るところから始めてみたら、違う景色が広がるかも知れない。そんなことをダラダラと考えている雨の日である。


 てな訳で本日も休業。しんどい。かなりしんどい。ファンタジーは昨日も2000文字書けたが、深夜1時過ぎまでかかった。おかげでそこからさらに2時間以上寝付けずにウンウン唸って、そしていまである。もうクッタクタ。アクビばかり出て身動きが取れない。何とも脆弱なことよ。明日は書けるといいのだがなあ。

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