第555話 2021/4/21 大統領とか

 ひろがるうちゅうのなかハ~フヒ~

 という訳で555話である。早いな。『続・虫の日記』になってもう1年半ほど経つのか。毎日たいした事は書いていないし休みも多いが、まあのんびり続けて行こうとは思う。書かなきゃ時間的に余裕が生まれるのはわかっているのだけれど、何も書かずに過ごすのは3日と持たないだろう。何か書かないと体の内部で異変が起こりそうな気がする。精神衛生を考えても書くべきなのだ。

 そんな訳で今日も書くぞ! 相変わらずネタの数はあんまりないのだが。


 いま書いている『鉄塊鬼アイアンロック』ではアメリカ大統領が登場する。18歳の女の子である。これが現実に起こり得る、とはもちろん考えてはいないのだが、遠い未来にあり得たら面白い。で、この大統領が物語の中で戦闘の最前線に出てきて軍の指揮を執る。当然であるが、虫けら自身「いやいや、そうはならんやろ」と思いながら書いている。アメリカ大統領を最前線に引っ張り出すのは、あくまでも作劇の都合であり、リアリズムの追求ではまったくない。

 大統領に限らず、軍の最高司令官を最前線に出す意味はまるでないのだ。これだけ通信網の発展した現代、まして未来において、地球の裏側で起こっている事態をリアルタイムで知るのは別段難しくない。アメリカ大統領が軍を直接指揮するにしても、ホワイトハウスからやればいいのである。組織は頭を潰されれば身動きが取れなくなる。現実の戦場では指揮官は最大のウィークポイントだ。わざわざ危険な場所に立たせるメリットも価値もない。

 だがフィクションの世界では意味を持つ。まず意外性がある。しかも主人公たちと直接的に交流させられる。有能エピソードを並べるのも無双状態を作るのも、実際に戦闘が行われている現場に置いてこそである。世界最強の軍事組織を自在に動かせる最大の権力者が最前線で自由に力を発揮するというのは、ちょっとしたチートと言える。主役にしてしまうと話が薄っぺらくなるが、脇に置けば面白い。イロイロ使い勝手があって非常に便利なのだ。ただしあまり便利に使っていると主役の存在意義が薄れてしまうので、注意は必要だが。

 まあそんなこんなで、普通に考えて国家の最高指導者が戦場に出て来るというのは有り得ない。しかし世界は広く、現実は常に意外性を含んでいる。普通に考えて有り得ない事が実際に起こるのだ。

 アフリカにチャドという国がある。漫画『BLEACH』とはまったく関係ない。『面影のひと』を歌ったのはチャダだ。ちなみにインド人である。それはともかく、アフリカ大陸の北半球側、ちょうど中央にある国。例によって例の如く政情は不安定であり、2015年頃からは隣国ナイジェリアから侵入してきたイスラム過激派「ボコ・ハラム」が活動を活発化させているという。

 首都はンジャメナ、国家元首はイドリス・デビ大統領だった。過去形なのは20日に死亡したからである。チャド国軍の報道官は20日、

「国と国民への誓いに忠実だった元帥にして共和国大統領、国家元首、軍最高司令官のイドリス・デビ・イトノはたった今、戦場で主権国家を守りながら最期の息を引き取った」(CNN)

 と声明を発表した。

 どうやらデビ大統領は首都ンジャメナの北数百キロにある反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との交戦地帯の最前線を視察していたらしい。ここではFACTが首都へ向けて兵を進めたものの、19日に国軍の攻撃を受け、軍の発表によれば約300人死亡の末、壊滅したという。

 イギリスやアメリカはFACTの南進を受けて自国民を退避させていた。それだけにデビ大統領は国軍の勝利がより嬉しかったのかも知れない。自分がチャド国内をちゃんと統治していると示したい事もあったのだろう、その最前線に赴き、実力をアピールしようとしたのだ。だが、それを敵は見逃さなかった。

 デビ大統領は30年以上にわたってチャドを支配してきた。11日に大統領選挙の投票が行われたが、デビ氏が勝利する見通しだったという。しかし彼の死によってチャドでは政府と議会が解散され、軍による暫定政府が立ち上げられる。暫定大統領にはデビ氏の息子が就任する予定。ただしこの動きはチャドの憲法に則ってはいない模様。

 まあこの世の中、絶対などない。イレギュラーは付きものである。だからこそ可能な限り安全牌を選ぶべきなのだろう。主人公が不死身なのはフィクションの中だけなのだから。


 ドイツの政治はわかりづらい。結構ROMってるはずなのだが、いつまで経っても理解できない。与党が「キリスト教民主同盟(CDU)」と「キリスト教社会同盟(CSU)」という姉妹政党という時点で頭に入ってこない。どちらも政治的には中道右派なのだが、CDUが全国組織でありCSUは地方政党なのだそうな。日本で言うなら自民党と維新の会が連立するようなイメージが近いのだろうか。

 このCDU・CSUに中道左派の「ドイツ社会民主党(SPD)」が連立しているのが現在のドイツ政権である。

 で、CDUの党首は少し前までメルケル首相だった。しかしメルケル氏は先般党首を辞任し、首相職もこの任期が終われば引退する。したがってドイツは次の首相候補を用意しなくてはならない。日本的な感覚で言えば、CDUの現党首ラシェット氏が首相に任じられるべきなのだろう。実際首相候補には、代々CDUの党首が選ばれるのが通例だった。しかし今回、これにCSUが反発した。世論調査を見る限り、CSU党首のゼーダー氏の人気がラシェット氏より高いのだ。

 現在ドイツでは連立与党が求心力を失っている。左派「緑の党」や右派「ドイツのための選択肢(AfD)」などが急速に勢力を増しており、中道政権としてはこの状況を食い止めねばならない。少しでも国民に人気のある人物を首相候補としたいのは当然と言えよう。CSUはもちろんCDUの中でもゼーダー氏待望論があるのだそうな。

 そこで20日CDUでは幹部会が開かれたのだが、46人による投票で、31人がラシェット氏支持、ゼーダー氏の支持は9人で、6人が棄権したらしい。つまりCDUとしてはラシェット氏を首相候補として推して行く模様。ただ党内ではそれで良くても、国民が諸手を挙げて賛成してくれるかは不透明である。何かどっかで聞いたような話であるが、はてさて、どうなる事やら。


 20日、中国の海南省で開かれた「博鰲ボアオアジアフォーラム」年次総会の式典で習近平国家主席がオンライン演説し、

「一国が定めた原則を他に押しつけてはならない」

「人為的なデカップリング(切り離し)は経済の規律と市場の規則に反し、利益をもたらさない」(以上共同通信)

 と、アメリカを念頭に発言した。じゃあ何カ国なら満足するんですかね。ていうか南沙諸島とかでやってる事と食い違いませんかね。自分の首を絞めている可能性もあるのだけれど、まあそれはそれでいいか。


 本日はこんなところで。昨日も1行しか書けていない。まあアレだ。昨日は巨人阪神戦が面白かったから仕方ない。今日も面白いといいな。いいのか。

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