第556話 2021/4/22 目利きとか

 本日は11時起き。昨日は阪神が負けたのでちょっと気落ちした事も関係しているのかもしれない。阪神ファンではないが。

 ところでTwitterをやっていると、ときどき得をする。もちろん金が儲かったりする訳ではないが、「おっ」と思う情報に触れてお得感に浸る事はできるのだ。

 Amazonプライムに『破れ傘刀舟 悪人狩り』があるとTwitterで教えてもらった。見たね。思わず見たね。時代劇好きなら誰でも知ってる名作ではあるが、知らない人もいるかも知れないので簡単に説明すると、町医者で剣の達人かのう刀舟とうしゅうが江戸に巣くう悪をバッタバッタと「人口分布変わるんじゃないか?」というレベルで斬り捨てて行くハードボイルド時代劇である。

 いやあ面白い。実に面白い。時代劇はこうでないとな。これで良いのだ。時代劇はファンタジーなのだから。視聴者が何を見たいのか、視聴者に何を見せたいのかを製作者側がちゃんと理解して、そこから逆算的に物語が作られている。ツッコミどころは沢山あるが、ツッコんだって意味などない。とにかく萬屋錦之介氏の凄まじいまでの殺陣を堪能する、そのための45分である。こんな時代劇はもう作れないのだろうなと思う一抹の寂しさもあるが、とにかく見るとスッキリする。

 第1話はまだ様式美が完成していないので多少もたつく感もなきにしもあらずではあるが、十分に面白かった。これからしばらくは暇つぶしに困らないだろう。


 虫けらは落語は嫌いではないのだが、まったく詳しくない。そこでちょっとググると『はてなの茶碗』『井戸茶碗』『火焔太鼓』『道具屋』などが出てきた。目利きの力の有る無しが話に絡んでくる落語である。『道具屋』以外は良識のある商人に大金が舞い込む話であるが、現実社会ではどうなのだろうな。良識のある商人に金を儲けてもらいたいが、なかなかそう上手くも行かない。彼らに良識はあるのだろうかと疑問に思うような経営陣が大金を動かしている場合も多々あるのではないか。

 さて2015年の事、日本の郵便事業を執り行う日本郵政がオーストラリアの物流大手トール・ホールディングスを買収し、完全子会社とした。その額、約6200億円也。だが業績が低迷し、2017年3月期連結決算で約4000億円の減損損失を計上するなどしていた。

 そして日本郵政は21日、トールがオーストラリアやニュージーランドで手掛ける企業向け物流などの「エクスプレス」事業を約7億円で売却すると発表した。6月末までの譲渡手続き完了を目指す模様。

 もの凄く単純で乱暴な算数だが、この事業を7億円より安い値段で買えていたのなら、今回の売却で利益が出る。しかし世の中にそんな美味い話はない。利益が出るくらいなら売らないのだ。当然売却によって損が出る。いくら損をしたか。674億円だそうだ。

 うん、普通に考えていまの経営陣は商売に向いてないだろう。新型コロナとか米中関係とか不確定で流動的な要素が多い時代だとはいえ、損か特かというレベルの金額ではない。経済関係のニュースを見ていると億円単位の数字がバンバン出て来るので麻痺してしまいがちだが、当たり前に出してはいけないレベルの損失である。

 何せ買い取った事業を全部売って674億円の損失じゃないからな。ごく一部を売り払ってこの金額である。「採算が取れている部門もあるのだ」と言いたいのかも知れないが、その合否ラインを見極めているのが現経営陣である。最初から何も見えていない可能性もあろう。虫けらは基本的に「一事が万事」という見方には否定的なのだが、だからといってダメなヤツがある日突然デキるヤツになる事などないと思っている。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」ではないが、商売にもマグレはある。マグレで儲かる事は確かにある。だがプラマイでギリギリの赤字ならともかく、何百億円の赤字がマグレで飛び出る訳はないのだ。

 日本郵政が全財産をFXに注ぎ込んでいたとかいうのであれば別だが、普通に考えてそれは累積されたマイナスである。1度や2度の失敗で生まれたものではない。典型的な「安物買いの銭失い」事案であると言える。古典落語に出てきそうなレベルで絶望的に目利きの才能がないのだろう。

 ただの民間企業がアホな事して赤字を膨らませただけなら笑い話なのだが、日本郵政が傾いて政府が放置するはずもないからな。いずれ多額の税金が投入される可能性がある。まあ虫けらは消費税以外払ってないから、ほぼ関係ないのかも知れないけれど。 


 虫けらはいわゆる楽天経済圏に生きている。カード持ってるしな。たいていの買い物はAmazonなのだが、楽天でもちょくちょく買うのだ。だがその楽天が日本政府から警戒され監視されていると産経新聞が報道している。原因は楽天が中国IT大手の騰訊控股(テンセント)子会社から出資を受けている事だ。楽天側は個人情報の流出など有り得ないと説明しているが、まあ有り得ると言う訳もない。

 これもまた商売人の良識と目利きの話ではある。楽天の経営者は経済に国境はないと考えているのだろうが、すべての人間がそう考える訳ではないし、その考えていない側の中には国家に対して影響力を行使できる立場の人間もいる。理想論は大事だと思うものの、果たして現実が見えている上での理想論なのだろうか。

 この先、もし日中間に面倒な事態が起こった場合、楽天はどちらの側に立つのだろうな。まずその点を明確にしておかないと、イロイロと困った事態になるやも知れない。目先の事だけみて商売するのは、良識のある商人とは言えないのではないか。


 あの「NHKから国民を守る党」(N国党)が「NHKから自国民を守る党」(自民党にしたかったが選管に却下された)に党名を変更したのは知っていたが、さらに「NHK受信料を支払わない方法を教える党」(NHK党)に変わっていた。ゴルフ党とかあの辺はどうなったのやら。

 さて、25日には北海道で衆議院の補欠選挙が行われる。その候補者の政見放送が22日にNHKで放送されたのだが、ここに登場したNHK党の候補者が、放送中にバリカンで頭を丸刈りにしたという。

 彼は元々NHKの集金人をしていたが、その内情を内部告発してNHK党の立花党首にスカウトされたという経緯がある。

「現在はNHK党で活動しているが、見る人から見れば、私がNHKの集金人をやっていたことに代わりはない。みそぎ的なものではないが、頭を刈ることで許してくださいという気持ちを表した」(東京スポーツ)

 と取材に述べた模様。

 まあアレだ。ちょっとしたお祭り感覚なのだろう。NHK党の議席が増えたところでNHK改革が進まないのは見えているしな。とりあえずインパクト勝負というのも戦法として必ずしも間違っている訳ではない。虫けらが有権者なら投票はしないが。


 昨日は阪神が負けたので(以下略

 とりあえず何とか4行書けた。良かった良かったとしておこう。

 長編が全然進まないのに、新作の短編を書き始めている。イメージはできているのだが、まとめるのには時間がかかるかも知れない。まあ、少しずつやるさ。

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