第554話 2021/4/20 本日休業

 本日は6時半起き。天気も良いし体も軽い。頭も何とか回りそうだ。んが! 何という事でしょう、今日はネタがない! 何にもない! どこを見ても非常事態宣言非常事態宣言、ときどきマンボウみたいなラインナップ。電波ソングか。まあない物はないのだから仕方ないのだけれど。そんな訳で本日は休業。


 火星でヘリコプターが飛んだという話題はあるが、NASAはこれをライト兄弟の初飛行に匹敵すると言っているらしい。いかにもアメリカ人的な。19日に小型ヘリコプター「インジェニュイティ」が火星で試験飛行に成功したのを受けて、NASAのジャージック長官代行は、

「それまで不可能と思われていた宇宙探査を達成するというNASAプロジェクトの長く語り継がれる伝統を、新たにインジェニュイティが達成した」(CNN)

「ライト兄弟の初めての飛行から117年後、NASAは驚異的な飛行を地球外で成功させた」(NHK)

 と声明で述べている。

 言うまでもなくライトフライヤー号は複葉機であり、ヘリコプターではない。例えとして出すのならヘリコプターの歴史を作った人々なのではないかと思うのだが、ヘリコプターを初めて実用化したのはナチスドイツのようだ。なるほどアメリカ人としては難しいか。その点ライト兄弟はアメリカ人だからな、アメリカの国内的に不満が出る事はないだろうし、広義の航空機という共通点もある。無難なところを選択したのかも知れない。


 宇宙関連で言えば2016年にJAXAにサイバー攻撃が仕掛けられていたという報道もあった。中国共産党に所属する中国人2人が日本国内のレンタルサーバーのIDを入手し、そのIDからJAXAなどに攻撃を仕掛けるよう人民解放軍のサイバー攻撃専門部隊「61419部隊」に所属する人物がハッカー集団に指示を出した、と明確に報じているのはちょっと珍しい。中国のスパイ行為はアメリカで報じられる事は過去何度かあったが、日本で中国を名指しする報道はあまりないように思う。お上からお達しでもあったのだろうか。


 今日はこんなものだ。本当にネタらしいネタが何も見つからない。ロシアのナワリヌイ氏は病院に移されたという説と別の刑務所に移されたという説がある。多少情報の混乱があるのやも知れない。


 古いアニメや漫画の話題になると、「昔の作品の方が面白かった」と言い出す者が必ず現れる。それを若い連中はただの懐古趣味だと笑うが、実のところそれは正しくない。アニメであれ漫画であれ小説であれ、昔の作品の方が面白い部分は間違いなく存在するからだ。

 どんな創作でも時代が下ると進歩して行く。より高度な技術が用いられるようになると共に、洗練されて行くのだ。では洗練とは何かと言えば、無駄な物を削ぎ落とす事だ。いまの作品には本当に無駄がない。もちろんゼロではないが、昔の作品に比べれば無駄な部分は極めて少なくなっている。10年後、20年後はもっと少なくなっているだろう。それは間違った方向性ではないし、表現としてより進化、かつ深化していると言っていいはずだ。

 だがそこで削ぎ落とされた部分は、必ずしも「面白くない部分」ではない。たとえば個性、独創性といった部分も含まれるのだ。物語の存在価値は究極的には「面白い事」である。面白ければ個性的・独創的である必要はない。より純粋な「面白さ」が取り出せるのであれば、「ちょっと面白い」レベルの個性や独創性など削ぎ落とされるのは当然なのだ。

 ところが不思議なもので、その「ちょっと面白い」レベルの個性や独創性が残っていると、作品全体の印象が大きく変わる事もある。甘味に少しだけ塩を入れると甘さが際立つのと似ているかも知れない。つまり昔の作品は無駄が非常に多かったがために、個性や独創性も際立っていた。いまの作品はより純粋に面白くなっているがために個性や独創性が削ぎ落とされている。そこに物足りなさを感じる者は間違いなく存在するのだ。だが、それは決して悪い事ではない。表現が進化する上で避けて通れない段階だと言える。

 アニメであれ漫画であれ小説であれ、表現はこれからも進化して行くだろう。それはより面白くなって行くという意味であり、同時に「この人でなければ描けない」「このスタジオでなければ作れない」という要素がどんどん削ぎ落とされるという事でもある。みんなが同じように一定レベル以上の作品を横並びで創り出す時代がもうすぐやって来る。いずれ作者が日本人である必要すらなくなるに違いない。それを衰退と呼ぶのか繁栄と呼ぶのか、いったい誰が決めるのだろうな。

 YouTubeで毎週金曜日に更新されている『装甲騎兵ボトムズ』を見ながら、そんな事を思った次第。


 今日はこんなところで。昨日はダメだった。全然まったく1文字も書けていない。気分がどうしても乗らなかったのだ。今日はどうだろうなあ。乗ってくれると有り難いのだけれど。

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