第477話 2021/2/2 恥とか

 本日は8時起き。寝起きはイマイチ。暖かいので体は楽なのだが、気分まで楽にはなかなかなってくれないようだ。

 しかし、それにしても賢明な生き方というのは難しいな。もう少し利口になっても良さそうに思うのだが、いつまで経っても愚かである。いい歳をしているのだから、多少は賢くなるべきだろうとつくづく思うところ。

 まあ、またゲームに金を使ってしまった事を悔やんでいるだけなのであるが。


 現代イスラムの闇とも言える根深い社会問題に「名誉殺人」がある。これはたとえば自分の娘が人前で異性とイチャついていたりした場合、それを「恥」と受け取った親が娘の首を斬り落としたり、火をつけたりして殺してしまうのである。もちろん現代の多くのイスラム国家において、名誉殺人は法律で禁じられている。しかしそれでも慣習として染みついた行為はなかなかなくならない。

 これをして「イスラムおっかねえ」と言うのは簡単だが、日本人にそれを言う資格があるのかは微妙である。日本ではほんの150年程前、明治6年(1873年)のいわゆる「仇討ち禁止令」が出るまで武家の仇討ちは認められていた。つまり武士が殺害された場合、その被害者家族はそれを「恥」と受け取り、加害者を殺す事が容認されていたのである。いやそれどころか仇討ちをして恥をそそがねば、武士の社会では恥ずかしくて世間に顔向けができないほどであったとも言われる。

 しかし多くの日本人は思うはずだ。「自分の子供を殺すよりよっぽどマトモじゃないか」と。だがこれは極めて主観的な見方である。客観的に見れば私刑で人を殺す事が容認される文化というのは嫌悪の対象となっても不思議ではない。日本人にそれがないのは仇討ちの中に「美」を見ているのであり、その美が150年経ってもメンタリティに刻みつけられているからだろう。

 もちろん人間は誰しも自分の「大事な物」が傷つけられたとき、相手に殺意を抱くものである。それは洋の東西、宗教を問わずあるだろう。ただその「大事な物」は国によって宗教によって文化によって歴史によって順番が変わる。だから1番大事な物を守るために、2番目3番目に大事な物を破壊する場合もあるかも知れない。その事に個人的に同意するのは止められない。しかし社会全体がこれを容認し、容認しない者を排除するかの如き同調圧力を働かせるのは異常である。

 何でもかんでも個人主義が正しい訳ではないが、少なくとも「恥」は個人が決めるべきものであり、法治国家においては法律がその基準となるべきであろう。社会や常識が「恥」を決定しては碌な事にならないと思う次第。

 さて新型コロナウイルスが流行し、経済的に困窮する家庭が増えている昨今であるが、生活保護申請を躊躇う人はまだ多い。もしかしたら「総理大臣の一推しなのにどうして」と思う人もいるかも知れないが、その大きな要因と思われるものに「扶養照会」がある。簡単に言えば、生活保護申請をすると家族や親戚に連絡が行くのだ。「この人を扶養できませんか」と。これを「恥ずかしい」「申し訳ない」と思う人が生活保護を受けたくても受けられないのである。

 しかし実はこの扶養照会、生活保護を申請するための要件ではない。厚生労働省いわく、

「親族と相談してからでないと生活保護の申請を受け付けないなど、扶養照会が要件であるかのような説明を行うことは不適切だと、自治体に改めて通知している」

「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください」(以上NHK)

 との事。つまり「自治体が勝手にやっている事」という姿勢である。これはどうなんだという気は正直しないでもない――水際作戦が自然発生的に全国に広まったとは考えにくい――のだが、とりあえず現時点における厚労省の立場としてはそうなのだろう。

 まあそれでも他の部分、つまり持ち家や自家用車は全部処分してからでないと生活保護を受けられないとか、その辺は変わらないのだろうし、生活保護を受ける事自体が恥であるという感覚はこの国の隅々に行き渡っている。よって実際に利用できる人間はごく限られている制度であるという現実はそのままであるが、命や生活より恥が上に来るべきではない。申請できる人はドンドン申請してもらいたいところ。


 新型コロナに関する緊急事態宣言は今月7日が期限となっているが、政府の対策本部は今夜、栃木県だけを解除し、その他の10都府県には3月7日まで宣言を1ヶ月延長する事を正式に決定する模様。

 これを受けて確定申告の期限も4月15日まで延長する方針であるという。確定申告なあ。やらなきゃなあ。今年は計算も少ないし、始めたら簡単に終わると思うのだが、なかなかケツが重い。しかしやらないとな。はあ。


 新型コロナの蔓延で世の中は不景気だ不景気だと言われているが、逆に儲かっているところもある。サンダルでおなじみのクロックスも売り上げが好調なのだそうだ。いちいち手で触る必要がないからな、衛生的と言われれば、確かにそうだ。

 で、このクロックスの好調を横目に見て、ナイキが手を使わずに着脱できるシューズを開発しているのだという。120ドル(約1万2600円)するらしいが。そこまでしてナイキ履きたいものかね。逆にクロックスの売り上げがさらに上がったりしないのだろうか。


 クーデターの起きたミャンマーではアウン・サン・スー・チー氏が自宅軟禁されている模様。とんでもなく酷い方向にはいまのところ進んでいない。

 アメリカのバイデン政権は、

「民主主義と法の支配への移行プロセスに対する直接的な攻撃だ。軍が直ちに権力を手放し、拘束した人々を釈放するよう国際社会は一致して圧力をかけるべきだ」

「民主化の発展が逆戻りするなら制裁に関連する法律などを再検討したうえで適切な行動をとる」(以上NHK)

 と声明を発表している。教科書通りだが悪くない。ただ問題はこの先どうするのかである。このクーデターはどう転んでも中国にとってはラッキーチャンスだ。アメリカが対応を誤ればポイントは中国がかっさらって行く。アメリカは焦ってはいけないが、もたもたしてもいられない。かなり難しいと思うが頑張っていただきたい。日本政府には特に期待していない。


 本日はこんなところで。昨日は1500文字ほど。一気に書ける部分は通り過ぎてしまった。またちょこちょこ書いて行くしかない。何とか今日も頑張ろう。

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