第374話 2020/10/22 メールとか

 うつらうつらしているときに、ガバッと目が覚める。「これや、これが書きたかったんや!」と慌ててPCに向かって、さあ書くぞとなったとき。「……あれえ? 何が書きたかったんやったっけ?」

 こんな事がたまにある。そんな訳で本日は5時半起き。曇天、雨の予報。もう眠い眠い。朝食摂ってから午前中は寝て過ごした。早起きした意味がない。うがー。


 虫けらが生まれて初めて触れたPCには、まだWindowsはインストールされていなかった。その後職場でWindowsPCに触れるようになり、自分で最初に購入したPCにはWindows 98 SEが入っていた。インターネットはダイヤルアップが一般的で、モデムがピーガガガガガと鳴っていた頃である。

 この時代にはGoogleは存在していなかったので、いまのように軽快にウェブを使いこなす事など無理だった。検索サイトはYahoo!がすでにあったが、何でもかんでも情報を探すのに苦労するほど大量のサイトがヒットする訳ではない。Yahoo!も、そして後から出て来たGoogleも、当初は登録制で、登録をしたサイトだけが検索結果に出て来た。ロボットが情報を自動で集めてくるようになるのはもう少し後である。

 そんな訳なので、誰かのサイトを見ようと思っても、相手のサイトの正式なタイトルや検索ワード、あるいはURLそのものを知らなければたどり着けない事が多々あった。いまとは隔世の感がある。

 それに正直、個人のサイトも企業のサイトも数は少なく、大半は何の面白味もなかった。何せ動画など載せられない。小さな画像を表示するだけで数分を要する事もしばしば。ネットを使う時間の大半はイライラとただ画面の表示が完了するのを待つだけという状態だった。ただ、そんなマイナス面があったればこそ、2ちゃんねるが誕生したり、あるいはテキストサイトが隆盛を極めたりした面はある。

 そんな苦行のようなインターネット黎明期ではあったが、ただ不便だった訳でもない。便利な事もあった。それが電子メールである。何せ相手のメールアドレスさえわかれば、切手を貼ったり郵便局に行ったりする事なく、いつでも連絡ができるのだから。

 これは単に手紙の代わりだけではなく、情報収集にも役立った。パソコン通信の時代から存在するメーリングリストや、その後登場したメールマガジンなどで、電子メールを通じて様々な情報を得ることができたのだ。この利点だけでもインターネットに触れる価値は十分にあったと言えるだろう。

 この頃はプロバイダに契約すれば、ウェブサイトを作るサーバースペースとメールアドレスはセットで付いているのが普通だった。その後サーバースペースを用意しないプロバイダが増え、メールアドレスのオプションがないプロバイダも増えている。まあいまはGmailとかイロイロフリーメールがあるからな、特に困る事はないのだが、ちょっと寂しい気もしないではない。

 メールが廃れた代わりに、現在ではLINEのようなチャット型SNSや、携帯電話のショートメッセージが一般的に使われている。だがこれらもまた、時代が変われば使われなくなるのだろう。栄枯盛衰、諸行無常である。

 さて、携帯電話大手各社に対して絶賛値下げ要請中の総務省であるが、利用者が契約する携帯電話会社を変更した後でも、同じキャリアメールのアドレスを使い続けられるよう各社に要請する方針であるらしい。少しでも乗り換えやすくする事で、携帯電話料金の下げ圧力とする事を目的としているらしいのだが、ちょっと頭が痛い。

 単純に考えて、たとえばドコモからauに乗り換えて、その後SoftBankに変更した利用者は、どのキャリアメールを使用するのだ。そしてそのアドレスを、どの会社が管理するのだ。もの凄い無駄が生まれると思うのだが、それはあまりに非合理的ではないか。

 だいたいいまキャリアメールを日常的に使っている利用者がどれだけいるだろう。キャリアメールを変えなくて良いからという理由でドンドン携帯電話会社を乗り換える利用者がそんなにいるとは、とてもじゃないが思えない。

 携帯電話料金が下がるのは、利用者として悲しむべき事ではない。しかし政府がトンチンカンな事をして、民間業者の足を引っ張るのは感心しない。たしかに変革にはスピードが大事であり、巧遅よりも拙速な面はあるとは言え、もう少し専門家の意見を聞くなりする事も必要だと思うのだが。

 管首相は、自身の政権が長く続くとは考えていない可能性がある。だから可能な限り短期間で結果の出る事を集中的にやるつもりなのかも知れない。その方向性は間違っていないのだろうが、焦りすぎては混乱を生むだけだ。もう少し何とかならんものかと思うところ。


 アメリカのフロリダ州で、野性のモモンガを捕獲してアジア方面へ密輸していたグループが摘発されたのだそうな。ペット業界の闇であるな。ペットショップに並んでいる動物の中には密輸された野生動物が混じっている事が珍しくない。日本では動物取扱業者は免許制で、取引の記録を残して経路を追えるようにはなっているものの、書類を偽造したりして野生動物を売るケースが跡を絶たない。ましてそんな決まりのない国においてをや。

 まあ、すべては買う人間がいるからであるのだがな。誰も買わなければわざわざ危険を冒して密輸などしない。高額で売れるからやるのだ。そして買うヤツはモモンガの事など何も知らない。毎日餌と水さえ与えていれば、勝手に懐くだろうと思っている。そもそもモモンガとフクロモモンガの区別すらついていないのではないか。まさに地獄絵図と言える。

 虫けらはつい先日まで動物取扱業者であったのだが、動物の店頭販売は段階的に規制するべきだと思っている。最終的には全面禁止にまで持って行く方向性で進めなければ、こういう問題は解決しないだろう。行き過ぎた動物愛護は害悪でしかないが、いまの日本のペットを取り巻く状況は決して褒められたものではない。何でもかんでも海外を見習う必要はないとはいえ、それならそれでちゃんとした日本モデルを確立すべきである。業界の言う通りになあなあで進めるのは、そろそろ終わりにした方が良いと思うところ。


 今月14日、大阪高裁で覚醒剤取締法違反事件の判決公判が開かれたのだが、このとき裁判長が被告に対し、刑期から差し引かれる日数270日を間違って370日と言い渡していたらしい。つまり刑期が100日短くなると言う事である。検察官側からの指摘で公判は中断し、21日に改めて正確な日数が言い渡されたそうだ。

 こういう判決の言い直しは、極めて異例だという。まあそれはそうだろう、しょっちゅうあっては困る。とは言え人間のやる事だからな、ミスをゼロにしろとも言えない。難しいところではある。


 自民党の石破茂元大臣が派閥の会長を辞任する意向を表明した。まあな、いままで会長でいられた事が不思議な人物である。人望がある訳でも金がある訳でもない。政財界にいろんな太いパイプを持っているという訳でもない。類は友を呼ぶのかも知れないが、よく18人もついてきていたよな、と思うところ。


 イタリアのローマではいま国際映画祭が開催されているが、ここで21日にプレミア上映されたローマ教皇のドキュメンタリー映画「フランチェスコ」の中で、教皇フランシスコは同性間のシビルユニオン支持を表明した。

 シビルユニオンとは同性のカップルにも異性同士の婚姻関係に準ずる法的権利を認めるというパートナーシップ制度で、イタリアでは法律で定められている。ただし同性愛者からはあまり評判が良くない制度だという話もあるが。

 まあとにもかくにも、ローマ教皇が同性愛者のパートナーシップを支持したというのは画期的かも知れない。

「同性愛の人たちには家族の中にいる権利がある。彼らは神の子であり、家族への権利がある。何人も、それを理由に締め出されたり、不幸にされたりすることがあってはならない」(CNN)

「私たちが作らなければいけないのはシビルユニオンの法律だ。彼らは法的に保護される権利がある。私はそれを擁護してきた」(AFP)

 とのこと。ただし、シビルユニオンは認めても同性婚は認められないという立場ではあるようだ。面倒臭い話だな。


 本日はこんなところで。昨日はまったく書けないかと思っていたのだが、700文字ほど書けた。さて、今日も書けるだろうか。何とか頑張りたいところ。

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