第373話 2020/10/21 人体実験とか

 本日は10時起き。外は晴天。明日はまた雨が降るって言ってるけど、どうなるかなあ。昨日は『魔獣奉賛士』を6日ぶりに更新できた。1週間以内の更新は、かなり久しぶり。次も同じくらいのペースが保てれば良いのだが。


 しかし困った。ネタが見つからないぞ。世の中で何も起こっていない訳ではないのだが、興味を引かれるものがない。全然ない。まあ虫けらの趣味も偏っているのだろうから、そう毎日ネタがあるはずもないのだけれど、こう何日も見つからないと、何か悪い予兆なのではないかと思いたくなる。

 オカルト話ではない。社会や政府がメディアに対して「生真面目さ」を要求し、それにメディアが応えるようになると、世の中の空気が悪くなる。もちろんメディアは諸問題や取材対象に誠実であるべきなのだが、遊び心やちょっとしたユーモアは必要だ。それを許さないような空気がもし世の中に蔓延しているのであれば、悪い傾向であると言える。虫けらは人混みの中へ出ていかないからな、その辺を感じ取る事が苦手なのだ。まあ、単に心配のし過ぎならば良いのだけれど。

 ところで、「人体実験」という言葉に良い響きを感じるだろうか。虫けらには何となくフィクションの中でマッドサイエンティストがやりそうな人倫にもとる行為であるかの如き印象があるのだが、実際には我々が安全な生活を送る上で、人体実験は必要不可欠と言える。

 医薬品や医療機器は「治験」という名の人体実験を行うし、化粧品や健康食品も人間の体による安全性の確認が必要である。動物実験だけで必要なデータを揃える事はできない。21世紀の現代においてもなお、人間の体に使う物は人体実験を経ねばならないのだ。

 さて、現在世界では新型コロナが猛威を振るい、各国はワクチン開発に心血を注いでいる。アメリカやイギリスのメーカーでは次々に治験が開始されているが、このほどイギリス政府は「ヒトチャレンジ治験」に3360万ポンド、日本円にしておよそ46億円を出資すると発表した。

 これはインペリアル・カレッジ・ロンドンと製薬会社が共同で実施するもので、簡単に言えばワクチンを接種した患者に対し、人為的に新型コロナウイルスを感染させて、発症するかどうかを確認する。これによりワクチンに実際どれだけの効果があるのかを確かめるのだが、ワクチンが体に合わなかったり、あるいはワクチンにまったく効果がない場合には、ただ患者が増える事になる。

 一刻も早いワクチンの開発が求められているのは間違いないとはいえ、かなりリスクの高い賭けであると思われる。単なるワクチンの治験と比べると、重症者や死者の出る確率は相当高いだろう。この思い切りの良さはさすがブックメーカーの国イギリスといったところだろうか。

 虫けらの若い頃には「楽して儲けるなら治験のバイト」と言われていたのだが、さすがにこの治験には二の足を踏む者も多かろう。国のため人類の未来のためといった、良く言えば崇高な使命感を持った人々が求められるのかも知れない。

 これについてはいずれ「イギリス人だけを犠牲にして良いのか」といった議論も出て来る事だろう。日本でも行うべきだという声も上がるだろう。それを否定するつもりは毛頭ないのだが、日本人の国民性は生真面目を良しとする傾向が強いからな。ここを切っ掛けに暴走しないかが心配なところ。


 イギリスと言えば、サセックス大学とポーツマス大学の研究チームが、「猫の前でゆっくりと瞬きをすると、猫の方でもゆっくりと瞬きを返してくる」という事を科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表したのだそうだ。

 これはかなり昔から知られていた事だと思うのだが、科学的に実験で確認されたのは今回が初めてらしい。前にも書いたが西洋科学は原点にキリスト教的思想があるので、動物の思考力や行動の意味を不当に貶める傾向が強い。しかし最近ではこういった研究にも日が当たるようになってきた。時代が変わったのだろうか。


 猫と言えばペルーのナスカで猫科動物の地上絵が発見された。ネットでは下手くそだと話題になっているが、抽象絵画的な物が多いナスカの地上絵としては、かなり写実的な方だと思う。何の目的があって描かれたのかは相変わらず不明である。もしかしたらたいした意味はないのかも知れない。創作に意味など必要ないのはいまさら説明するまでもないし。


 タイではいま軍政と王室に対し、特に若者世代から批判が集まっている。その批判の矛先にいるワチラロンコン国王であるが、彼は1年の内かなりの長期間タイにおらず、ドイツの別荘で暮らしているという。

 国政の実権は軍部が握っているとはいえ、王室内部のあれやこれやは国王が指示している。それをドイツ国内からやるのはいかがなものかとドイツでは批判が起きているのだそうな。まあ確かに気分の良いものではないわな。

 15才の王子はドイツの学校に通っているそうだし、よほどドイツが気に入っているのだろう。亡命でもすれば良いのではないか。案外それで八方丸く収まるような気がしないでもない。


 短いが本日はこの辺で。昨日は1200文字ほど書けたのか。これくらいのペースでずっと書ければ良いのにな。なかなか現実はそう上手く行ってくれない。やれやれとため息をつく今日この頃である。

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