第335話 2020/9/13 リスカとか

 本日は午前2時起き。また何とも極端な。5時から動き出すつもりで4時半までゲームで時間を潰したのだが、もう腹が減って腹が減って我慢ができなくなり動き出してしまった。おかげで時間には余裕があるが、何をして良いのやら、いささか当惑してもいる。日常のルーティンを精一杯ゆっくりのんびりやっても6時前にはPCの前に陣取らずにはいられない。他にすることが見つからないからだ。さて、どうしたものか。


 精神的な健康に問題がある、すなわちメンタルヘルスがやられている者を指して俗に「メンヘラ」などと言う。ただしメンヘラの定義も一様ではない。人によって言う事は変わるし、そもそも医学的な定義のある言葉でもない。だがその執拗さ、偏執的な行動が迷惑で厄介なものとして扱われているのは共通している。

 メンヘラのもっとも特徴的な行動と言えば何だろう。やはりそれはリストカットではないか。リストカットは男女問わず見られるもので、場合によっては失血死する危険性をはらんでいる。だが、あくまで危険性があるというだけの話とも言える。

 確かに手首には太い血管が通っており、それを切れば大量出血が起こるのは事実なのだが、一般に想像されている以上に思いっきり、かなり深く切らないと、血管には届かない。イメージ的にはそれこそ手首そのものを斬り落とすくらいの勢いで切り傷を入れなければ、命に関わるような傷にはならないのである。ネットでもたまに「ためらい傷」の写真が上がっていたりするが、あんな傷では10回切ろうが100回切ろうが命に関わる事はまずない。

「リスカはストレス発散」などとぶっちゃける人もたまにいるが、おそらく事実なのだろう。ただ、だから何度やっていても放っておいて良いかというと、それほど簡単な話でもない。リスカというのは危険性は低くとも、自殺未遂である事に変わりはない。つまり「自分は死のうとした」という記憶を己が体に刻みつける行為である。繰り返せば繰り返すほど、より精神は病んでしまう。

 ロシアを中心とした世界で拡大し、自殺ゲームとして有名になった「青いクジラ」でも、リストカットした写真をネットに上げる、という指示があるらしい。それはただ体が傷つくだけではなく、精神が傷つく行為なのだ。「青いクジラ」ではこういった事を繰り返し行わせ、精神を破壊し、最終的に死に至らしめる。たかがリスカではあるが、されどリスカでもある。面白半分でやってみる、なんて事は絶対にオススメできない。

 さて、東欧スロベニアの裁判所は11日、22歳の女に詐欺罪で禁錮2年の判決を下した。この女は昨年、保険金総額およそ40万ユーロ(約5000万円)を保険会社から騙し取ろうとした。より詳細に言えば、約38万ユーロ(約4700万円)の補償金と、月々3000ユーロ(約37万円)の終身手当を騙し取ろうと計画したのだ。で、何をしたのかと言えば、手首を切った訳だ。

 などと書くと、カミソリかカッターナイフの刃で手首をちょっと切ったかのように思えるだろうが、さにあらず。何と丸鋸で手首を切り落としたのだ。丸鋸、あの住宅の建築現場などで木材を切っている、丸い刃の回転するアレである。ダイナミックなリスカだな。金のためならそこまでできるというのは、まあそれだけ追い詰められていたとも考えられなくもないが、ちょっと思い切りが良すぎるだろう。度胸ありすぎるだろう。詐欺なんて働かなくても、仕事のできる場所なんていくらでも見つかったんじゃないのか。

 なおこの女、補償金に障害手当が付くことを見込んで、切断した手首を隠したらしい。しかし当局者が探しだし、接合手術で手首はつながったのだそうだ。この当局者の活躍がなければ、女はただ片手が使えなくなっただけで保険金も支払われずに刑務所に入る事になっていたはずだから――自業自得である事はこの際おいといて――感謝すべきであろう。

 AFPの記事だけでは、この女がメンヘラであったのかどうかは不明である。と言うか、メンヘラにはならないタイプのような気がしないでもない。腹を括った女は怖いなと思うところ。


 南米の国ベネズエラはマドゥロ大統領による独裁が続いている。グアイド国会議長を中心とした勢力が民主化を果たそうと頑張ってはいるが、守りに入ったマドゥロ政権は手強く、なかなか上手く行っていない。アメリカや西欧諸国はグアイド氏を支持しているものの、軍事的に支援するところまでは話が進んでいないのが現状である。

 マドゥロ大統領が11日にテレビ演説で明らかにしたところによると、石油施設を爆破しようとしていたアメリカのスパイを9日に逮捕し、計画を未然に防いだのだそうだ。逮捕されたのは「アメリカ中央情報局(CIA)のイラク国内の拠点で働いていた海兵隊員」で、逮捕された時に「重火器」と「大量の現金」を持っていたらしい。

 このスパイや爆破計画が実在したのかどうかはまだ不明。国内の支持者向けにまったくのデタラメを並べ立てている可能性も捨てきれない。ただマドゥロ政権は反米社会主義政権であるので、アメリカとしては何とかしたいと考えているのは事実だ。とは言え、それでも石油施設を爆破するかなあ、という気もしないではない。いまベネズエラの石油施設は、アメリカを始めとする諸外国の経済制裁のためにほとんど休止に追い込まれているはずだ。いまそれを爆破したからといって、アメリカに利益があるとも考えにくい。しかし石油施設は産油国ベネズエラのシンボルであるから、アメリカを非難したいマドゥロ政権としては、狙ってくれなくては困るのではないか。

 まあ、実際のところはわからない。いずれ時が来れば真相が判明する事もあるだろう。野次馬の1人としてはそれを待ちたい。


 ウイングスーツをご存じだろうか。ウイングと言っても翼がついている訳ではない。皮膜だ。腕と脚の間にモモンガやムササビのような皮膜を張り、それで空気を受けて空を飛ぶ(正確には斜めに落下する)、スカイダイビング用の服なのだが、スイスの山ではこのウイングスーツを使用した者が墜落死する事件が続いている模様。

 まあ、アレだ。ある程度こうなる危険性を理解して飛んでいるのだろうし、死人が出るのは仕方ないのではないか。事故が起きたときに山岳救助隊に助けを求めたりしなければなお良し。でも求めるんだろうなあ。で、日本の山でもやる連中は出て来るに違いない。人間の冒険心を否定する訳ではないが、碌な準備もたいした覚悟もないヤツが冒険するのは迷惑である。自然はディズニーランドではないと思うところ。


 大坂なおみ選手が全米オープンで優勝したり、室伏広治氏がスポーツ庁長官に就任したり、ベネチア映画祭で黒沢清監督が銀獅子賞(監督賞)を授賞したりと大きな話題はあるのだが、ここで取り上げるのもアレだしな。まあいろんな分野でいろんな人が頑張っているのである。虫けらも頑張ろう。昨日は本1冊読んだだけで終わってしまったが、果たして今日は書けるだろうか。

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