第306話 2020/8/15 終戦の日

 本日は10時起き。肩が痛い。昨日病院に行ってレントゲンも撮ったのだが、原因はわからず仕舞い。正体不明のまま痛み止めだけもらってきた。しかしこれがあまり効かない。おかげで痛みに気を取られて集中出来ない。昨日は1文字も書けなかった。まあどうせ内部のどこかが炎症でも起こしているのだろうが、とりあえず治るまで放置するしかないのかも知れない。そんな8月15日、終戦の日。


 終戦の日、終戦記念日、敗戦記念日、人によって言い方はイロイロあって構わないと思うのだが、いい加減靖国神社に参拝したら右翼だ軍国主義者だ好戦派の差別主義者の核武装論者の原発推進派だ、えーっと他に何かあったっけ、とにかくそんな騒ぎはやめた方が良いと思う。少なくとも日本人は誰も得をしない。と言うか、それで何かが変化するなら価値はあるが、年中行事化している現状に疑問を持たないのはどうかしている。批判のための批判、抗議のための抗議に意味はない。「靖国神社に参拝するような議員や政党は嫌いだから投票しない」で済む話である。「俺が嫌いだからおまえらも投票するな」とか言い出すからおかしな話になるのだ。


 靖国神社といえば小泉環境相が参拝したらしいが、これによって小泉氏が急に有能になったりいままで以上に無能になったり、靖国神社がセクシーになったりする訳ではない。何も変わらない。何も変わらない事に何故大騒ぎする必要があるのか、まったく不明である。騒ぐ事で誰か一部の人間が得をするのだろうか。まあ利権はどこにでも発生するからな。


「日本はかつて近隣諸国に迷惑をかけた」というのは事実だ。それに対する反省は必要である。でもそれは行動で示す事だろう。たとえば国家賠償であり、たとえばODAや技術の供与などだ。日本がそれらを行っていないというのなら由々しき事態であるが、実際そうなのだろうか。行っているのに靖国だけを取り上げて反省していない事にするのはフェアではない。何を行い、何を行っていないかをまず明確にすべきだろう。


 そもそも、実際に迷惑をかけたのは75年前の日本人である。本来責任を負うのは彼らであって、その後の世代ではない。親が作った借金を子供に支払わせるのが正しい行為であるかの如き主張には困惑せざるを得ない。近隣諸国の人々が日本人に対して嫌悪感や恐怖や敵愾心を持つのは仕方ない。それは日本人の、あるいは日本という国家の自業自得である。もし日本人や日本政府が、周辺諸国の人々が日本を嫌うのは差別だ、とか主張してあちこちで裁判でも起こしているのなら「日本人はおかしい」という声が日本国内から起こるのも無理からぬ事だが、実際そうなっているのだろうか。


 一部の狂信的な連中が、マイノリティに対して高圧的な態度に出ているという事実はあるだろう。だがそれは世界中で見られる傾向であり、日本人が反省しているとかしていないとかの問題ではない。ましてそんな狂った連中が何かしでかしたとき、社会から排除するための法律が存在していないというのならともかく、実際には逮捕もされるし収監もされる。何故そうなっているのか。何の反省もなしにそうなっていると考えるのは、いくら何でも無理があるだろう。狂信的な連中の事が気に食わないという感覚は理解できる。しかし、だから即刻根絶やしにしろ、というのは極めて危険な発想である。正しい側に立てば何をしても良いというものではない。


「日本人はもっと反省しろ」という人は、もしかしたら人間は努力すれば神様にでもなれると思っているのかも知れないが、なれないのである。人間はどれだけ努力しようが人間のままだ。何においても限度はある。「加害者がそれを口にするのか」という意見もあるだろうが、それが現実というものである。奇跡など起きないし起こせない。我々は現実の範囲内で現実的に考え行動するしか術がないのだ。


 あとはそうだな、こないだTwitterで「軍隊が必要だと主張するヤツは軍隊ができたら自分が入るんだろ? 最前線に行くんだよな?」という内容の書き込みを見たのだが、こういう人は警察や消防を何だと思ってるんだろう。警察や消防で働いていない人はみんな警察や消防が必要ではないと考えている、と思っているのだろうか。市役所で働いていない人は市役所が必要ではないと考え、国家公務員でない人は国家が必要ではないと考えている、という理屈なのだろうか。別に軍事力の保持に反対しても良いのだが、あまりに間抜けな理屈ではないかと思わざるを得ない。


 前にも書いていると思うが、虫けらは戦争絶対反対主義者である。戦争が怖くて仕方ない。戦争を避けるためなら何でもすべきだと思う。靖国神社へ参拝しなければ戦争は絶対に起きないというのなら、法律で参拝を禁止すべきだろう。だが現実を見れば、そんな事は何の関係もない。中国が南シナ海で軍事力を使って勢力を拡大しているのは、日本の閣僚が靖国神社に参拝したからではないし、インドとの係争地に建築物を建てたり道路を建設したりしているのもそうだ。日本が態度を改めれば北朝鮮が拉致被害者を返したり核兵器を放棄したりするのか。金正恩はそこまで馬鹿でも間抜けでもない。現実は非情である。我々も非情に徹せねば、ただ無意味に死ぬだけなのではないか。そんな事を思う8月15日である。

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