第299話 2020/8/8 座礁
本日は7時起き。何とかちゃんとした時間に起きられた。とは言えイロイロやる事があるので、あまり時間がない。よって1ネタだけ。
貧乏はつらい。金がないとあらゆる意欲が減退する。「金がない! よし働いて何とかしよう!」とはなかなかならないのが人間である。「金がない、ああもうダメだ」となってしまう人も少なくない。そもそも働く意欲があったって、向こうが雇ってくれなければ働けないしな。諦めてしまう人の気持ちも大変によくわかるところ。ただ諦めて、そのまま電車に飛び込んだり、餓死を選んだりするのは何とかしなくてはならんとは思うが。とは言え、虫けらもいつ「そちら側」に立つかわからない。明確な境界線がある訳ではないのだから。
個人でも貧乏はつらいが、組織や集団でもそれは同様だ。国家であろうと金がないのは大変につらい。そこで国家に金がなくなれば、国債を発行したり増税したりする訳だが、それでも足りなくなる国もある。そんなときに頼るセーフティネットが国際通貨基金(IMF)や世界銀行である。
しかしIMFや世界銀行は打ち出の小槌ではない。当たり前だが借りた金は返さねばならんし、そのための計画も要求される。さらには政治体制や経済体制への口出しもされる場合がある。故に独裁国家などはこれら機関の利用を避ける事もある。だがそれでも金は必要だ。そんなときはどうするのか。
こういうときに手を伸ばしてくるのが、昔ならソ連だった。そしていまなら中国である。これらの国はIMFや世界銀行のようにうるさい事を言わずに金を貸してくれる。無論タダではない。国連での一票はもちろんの事、たとえば交通インフラであるとか、あるいは港湾の利用権であるとか、鉱山の開発権であるとか、そういった国家の、ひいては国民全体の財産を要求してくる。しかし権力者の私腹が肥やせれば国民の生活などどうでも良いという国もある。そんな国の政府は喜んでそれらを譲り渡し、あるいは99年間の無償利用契約を結んだりするのだ。
さてアフリカ大陸の、というかマダガスカル島の東のインド洋と言った方がわかりやすいか、そこに浮かぶ小さな島国といえばモーリシャス共和国である。美しい砂浜やサンゴ礁などが有名な観光国であるが、7月26日、このモーリシャスの沖合に日本の商船三井がチャーターした貨物船が座礁した。そして今月6日になり、船の燃料タンクが破損して重油が大量に流れ出しているのが確認されたという。これを受けてモーリシャス政府は緊急事態を宣言し、国連に支援を求めた。
重油はモーリシャスの観光資源に大きなダメージを与えるだろう。これは一国の死活問題である。商船三井は現地に社員を派遣したらしいが、それだけでどうにかなるはずもあるまい。
こういうときに機敏に動けるかどうかで日本政府の国際的な評価が変わるのではないか。民間企業の失態だから民間に任せるという理屈は国内では通じても、モーリシャスにとっては「じゃあ仕方ないですね」とは行かない。日本政府が率先して何とかしてくれよと思うのが普通だろう。可能な限り何とかすべきなのではないか。
もしいま仮に、ここに中国が乗り出してきて、モーリシャスを支援するなどと言い出したらどうなる。ただでさえモーリシャスは中国と自由貿易協定を結んでいるのだ、おそらく喜んで中国の側に立つだろう。日本政府はそれを指をくわえて見ているつもりなのか。早急に手を打つべきである。日本側の対応に問題がなければ、モーリシャスだって無理にゴネたりしないはずだ。
座礁事故が起きたのが26日、モーリシャス政府が重油の流出を発表したのが6日、商船三井が座礁を発表したのが7日。いまから対応しても後手に回るのは間違いないが、何もしないよりは絶対にマシだ。これは首相がリーダーシップを発揮するチャンスとも言える。何とか活かしてもらいたい。あと、商船三井には厳しい態度を見せるべきだろう。ここをなあなあにしてしまえば、すべておじゃんである。日本政府には頑張っていただきたいところ。
とりあえず首相官邸にはメッセージを送っておいたが、さて、どうなるだろうか。
昨日は『魔獣奉賛師』が1000文字ほど書けた。何とか今日は更新したいのだがなあ。まあ、とにかく頑張ろう。
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