第275話 2020/7/15 ミステリーとか

 本日は3時起き。前日は午前3時まで起きていたのに、翌日の午前3時に目が覚めるというのは何とも扱いづらい体である。まあ時間に余裕があるのは良いことなのだが、余裕がありすぎて5時半までゲームをしていた。非生産的ではあるが仕方ない。

 それにしても気温は低いが湿度がクソ高い日が続いている。参った。これは参った。エアコンをつけたら寒いし、つけなきゃ湿気に溺れそうだ。もちろん除湿という手もあるのだが、何か除湿は負けた気がして精神的に穏やかでいられない。電気代をアホほど使い倒しても困らないくらい金があれば良いのだけどな。実際は非常に困るのでなかなか難しい。17日から18日にかけて、この梅雨最後の大雨が降ると言われている。それを過ぎればスッキリするのだろうか。もう当分、雨はいらんわ。


 ミステリー小説はこれまで長編4本、短編を1本書いている。書くたびにそれなりに進歩している実感はある。先般は賞にも応募した。だが、まだわからない。ミステリーってどう書けばいいのだろう。

 別にSFやファンタジーの書き方を理解している訳ではない。SFもファンタジーも難しい。だが、これらは設定さえちゃんと組めばそれなりに形になってくれる。厳密な意味でSFやファンタジーになっていなくとも、それらしい物を書くことは可能だ。ところがミステリーは設定ではどうにもならない。そもそもSFミステリーやミステリーファンタジーが成立するのだ、舞台設定ではミステリーか否かを問えない。ミステリーを理解するにはそれ以外の「何か」が必要だ。それは何だろう。

 ミステリーといえば、「謎」や「トリック」が核心であるかのような言説も見かけるが、果たしてそれはどうなんだ。確かに壮大な謎や複雑極まりないトリックが出て来る小説は面白い。だが、それならば凄い謎やトリックが用意出来なければミステリーは書けないのかと言えば、まったくそんな事はない。地味でショボい謎やトリックでも、面白いミステリーは書けるのだ。

 結局のところ、「ミスリード」こそミステリーの核心なのではないのかと虫けらは思う。読者を物語の核心からいかに自然に遠ざけるか。本当に大事な点から目を逸らし、本題ではない物語に没頭させる。そして最後の最後に、こっちが本題でしたと明らかにする。そこにカタルシスが生まれるのではないか。本当の物語と見せかけの物語、その両者の間に距離があればあるほどカタルシスは大きくなり、物語間の橋渡しをする理屈が明解であるほど「ああ、そういう事だったのか」という驚きが大きくなるように思う。

 もちろん叙述トリックを例に挙げるまでもなく、ミスリードはトリックの一部である。しかしトリックそのものではない。ほんの小さなトリックと、ほんの些細な謎が用意出来たなら、あとはミスリードで読者を振り回しさえすれば面白いミステリーにはなるはずだ。と、簡単に書いているが、これを実践するのはなかなかに大変である。普通の生活してたら「トリックで他人を騙してやろう」なんて考えないからな。小さなトリックのアイデアを出すにも、頭の中を非日常にしなくてはならない。ミステリー専門で書いてる人たちの頭の中身が気になる昨今である。

 さて、南米大陸の南端近くにあるアルゼンチンの都市ウスアイアに、漁船が急遽帰港した。どうやら乗組員に新型コロナ感染者が出た模様。保健当局が調べたところ、乗組員61人中57人に感染が確認されたという。だが、ここに謎がある。

 この船の乗組員は全員が義務として乗船前2週間をホテルで隔離生活し、検査結果も全員陰性であった。その後、船は出航し、35日間に渡ってどこにも寄港せずに海の上で操業を続けた。にもかかわらず、57人の感染である。いったいどこに感染ルートが存在したのか。ミステリーだ。と言っても、下手なミステリーと呼ぶべきなのだろうが。

 んなもの、出航前の検査の全員陰性という結果が間違っていたに決まっている。何人か陽性がいたのに発見できなかっただけである。100%完璧な検査などない。61人もいれば何人かは正しくない結果が出た者がいるはずだ。なのに全員陰性という時点でおかしいのだ。

 こんなもの、叙述トリックにもなりはしない。検査の運用体制がお粗末というだけの話である。とは言え、アルゼンチンならではという話でもない。どこの国でも起きる可能性はあるので、あまり笑ってばかりもいられないのが現実ではないか。


 新型コロナと言えば、先般陽性が明らかになったブラジルのボルソナロ大統領が再検査を受けるらしい。何でも、

「検査結果は数時間で出るはずだ、待ち遠しい。毎日、家で同じことを繰り返しているのはもう耐えられない。実にひどいものだ」

「新たな検査結果がどうなるか分からないが、問題が無ければ職務に戻る。何か問題が見つかった場合は、数日間待つ」

「それ以外は何ら問題ない。いつもビデオ会議を行っていて、仕事がたまらないようにしている」(以上AFP)

 のだそうだ。まあ年寄は堪え性がないからな。自分がウイルスを撒き散らす危険性より、退屈の方が問題なのだろう。何ともはや。


 そのボルソナロ大統領の感染が切っ掛けだと言うが、イギリスのジョンソン首相が最近マスクを身に着けるようになったのだそうな。新型コロナで死にかけておいて、何やってんだこいつと思わなくもないのだが、まあ何もしないよりはマシだし、国民へのメッセージにもなる。イングランドでは外出時のマスクの義務化も検討されているようだ。義務化しなくてもみんなが率先してマスクするようなら、こんな被害は出てないのだろうけどな。


 そのイギリスでは、今年末以降HUAWEIの5G関連製品の新規購入を停止し、2027年までに排除する事を通信業者に命じた。要請ではなく命令である。これに対しHUAWEIのイギリス法人は声明を発表し、

「残念なことに、華為の英国での将来の発展は政治化されてしまった」

「このことは米国の貿易政策に起因するものであり、セキュリティー問題ではない」

(以上産経新聞)

 と述べたそうだが、文句は中国政府に言うべきだ。まあもちろんそんな事が出来ると思っている訳ではないのだが。と言うか、中国政府に対して文句の言えない関係にある事が問題であろう。それが政治問題化される原因なのだから。

 これ、日本もいい加減何らかの姿勢を明確に見せる必要があるのではないか。確かまだHUAWEIの製品は日本国内で売られていたはずである。こんな感じだから「アメリカと中国のどっちにつくのか」みたいな質問を首相が受ける羽目になるのだ。この混迷した情勢である、旗色は鮮明にしておいた方が良いように思うのだが。


 本日はこんなところで。ああ、まだ時間がタップリある。本を読むか。

 昨日は1000文字ちょっと書けた。まあまあだな。今日も何とか頑張りたいところ。

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