第165話 2020/3/27 情けは人のためならずとか

 本日は9時起き。雨。しかし暖かい。背中の痛みは相変わらずだが、まだたいした事はない。ヒマさえあれば水を飲んでいる。常にお腹タップンタップン状態である。あー、苦しい。


 因果応報、自業自得。日頃の行いというのは自分に返ってくるものである。たとえば災害が起こったとき、普段から近所の住民に親切にしている人の姿が見えなければ、「無事だろうか」と心配してもらえる。場合によってはそれが救助につながる事もある。これが虫けらのように普段から没交渉であったなら、家の下敷きになっていても誰にも気付かれない可能性が少なからずあるのだ。これは洋の東西を問わず、人間社会の真理であろう。

 なので「情けは人のためならず」、他人にはなるべく親切にしておいた方が良いし、「俺が俺が」と自分の事ばかり考えていては、後々困る事になるかも知れない。説教臭い話ではなく、サバイバル術と考えて良い。個人はもちろん、国も同様であると思う。

 CNNの報道によれば、アメリカのトランプ政権は他国に医療器具の提供や売却を要求しているとのこと。国務省が必要な25品目のリストを作成し、各国駐在のアメリカ外交官に対して、派遣先の政府に働きかけるよう指示したのだそうな。リストの中には、洗浄液、人工呼吸器、医療用ごみ袋、N95型マスク、手袋、医療用ガウン、手術用キャップ、靴カバー、鋭利な形状の医療器具の廃棄容器、目の防御用具や防護服、計量吸入器などが入っていた模様。

 まあトランプ大統領の事が大嫌いなCNNの報道であるから、ある程度のバイアスはかかっているのかも知れない。しかし何らかの協力を海外に要請していても不思議ではない状況だ。

 トランプ政権は20日に『国防生産法』を発動し、国内企業に調達や増産を促す事が可能な態勢を取ったが、この法律を何に適用させるかで混乱が続いている。何せ非常時である。適用を受けた業界は需要も供給力もほとんど無視してフルパワーで増産しなくてはならんだろう。ただし、それをやれば市場が壊れる。どこも戦々恐々としているのではないか。海外から購入して急場をしのげれば、国内産業に与えるダメージは小さくて済むと政府が考えるのは当たり前の事である。

 ただ困った事に、非常時なのはアメリカだけではないのだ。世界中が一斉に非常時に突入している。この状況で「医療機器を売ってくれ」と言われて「ハイ毎度」と言える国はなかなかないだろう。しかし売らないと正面切って断れば、後々どんな嫌がらせをされるかわかったものではない。トランプ大統領の怒りを買う事はなるべくなら避けたいところだが、それでもやはり優先すべきは国内事情であり、結局アメリカの要請をどう断るかで腐心するしかないのではないか。

 もしアメリカが、トランプ大統領が、「アメリカ・ファースト」を標榜していなかったら、各国の対応も少しは変わったのかも知れない。だが今のアメリカ大統領はトランプ氏であり、今のアメリカはアメリカ・ファーストの国である。「だったらアメリカの事はアメリカで何とかしてくれ」と諸外国に思われてもやむを得ない面はある。

 まあ「身から出たサビ」とまでは言わないが、人間は誰も自分に優しい人間には優しくしたいものである。そうではない人間が居る事は知っているものの、それはこの際無視して構わないだろう。自分が優しくされたいのなら、他人に優しくするしかない。持ちつ持たれつ、お互い様。何でもかんでもディールで通じる訳ではないのだ。この件に関して中国にも取引を持ちかけていると報じられているが、あまり慌てれば足下を見られる。もうちょっと貫禄を見せてドッシリしていて欲しいところ。


 そのアメリカは新型コロナウイルスの症例数でイタリアと中国を抜き世界一になったそうだ。まあそれだけ検査数が増えたという事だろう。問題は死者数がどれだけ増加するかである。感染者数が増えても死者数が落ち着いていれば「何とかなるのでは」と希望が持てるからな。これが逆だと酷い事になる。両方が急増するとイタリア化してしまう。さて、日本はこの先どうなるのか。


 新型コロナウイルスについてはまだよくわかっていない事が多いのだが、どうやら感染すると嗅覚や味覚の喪失が起こるらしい。アメリカやイギリスなどの専門家から、ウイルス検査の対象に加えるべきだとの声が出ているそうだ。

 日本のプロ野球では阪神タイガースの藤浪晋太郎投手が新型コロナに感染した事が昨日明らかになったが、彼が検査を受けるきっかけになったのも嗅覚障害で、それ以外に発熱や咳などの風邪様症状は出ていなかったとのこと。何とも厄介な。


『アレフ』と言えば『光の輪』と並んでオウム真理教の後継団体の一つ(もう一つは何だっけか)であるが、そのアレフが関わる裁判の判決が25日に出た。訴えたのはオウムの教祖麻原彰晃こと松本智津夫の27歳の長男である。

 訴えによればアレフはこの長男の事を「リンポチェ猊下げいか」と呼び、次期教祖として教団に復帰する事を祈る催事を執り行っていたという。長男は平成26年に「生誕祭」を取りやめる事を教団に要求し、受け入れる事を教団は約束した。アレフとしては生誕祭はやめたのだから良いだろう、という理屈だったのだろうが、同年10月に長男から本名や呼称などの使用差し止めと、計4千万円の慰謝料を求めて訴えられた。

 判決では、

「長男がいまだにアレフと密接な関係にあるのではないかという疑念を抱かれ、麻原元死刑囚の長男であるための差別を受けることによって、現実に不利益を受けかねない」

「麻原元死刑囚が定めた宗教上の呼称や写真を使うことは長男を教祖に位置づけることと密接に結び付き、明確な拒絶の意思に反し、人格権を侵害する」(以上NHK)

 として、呼称や写真の使用差し止めと100万円の支払いを命じたものの、本名の使用は差し止めなかったそうだ。

 これは普通に考えれば慰謝料はともかく、長男の要求は全面的に認められるべきだと思うがなあ。法律的にそれは許されないのだろうか。本名をアレフに使用されるなんて百害あって一利なしだろうし、苦痛以外の何物でもないだろうに。なーにがリンポチェ猊下だ、と思っている事だろう。激しく同情するところ。


 本日はこんなところで。買い物はネットスーパーにした。車を運転出来ないほど背中が痛む訳でもないのだが、いまは新型コロナへの感染リスクもあるからな。300円で家まで届けてくれるのなら、安いものである。

 昨日は結局何もできなかったな。まあ、そんな日もある。また今日頑張ろう。

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