第80話 2020/1/2 平面説とか

 本日は6時起き。5時に目覚ましをかけて、スマホのアラームを6時にセットして、何とか起きられた。朝から仕事。小鳥の宿の年末年始も終盤である。何とかあと2日、無事に乗り切れる事を祈ろう。


 初めてインターネットに触れると、その膨大な情報量に圧倒される。それはやがて「自分は力を手に入れた」という感覚に至り、そして「ネットには真実がある」と思い込む。しかし、冷静に考えればネットにある情報というのは、既存の書籍や論文、新聞記事を初めとするメディアの報道、そして個人的見解などが切り取られたものである。ネットの優れているのはそれらの情報が簡単に取り出せる事だけであり、「真実」という観点に立てば、ネットの外にないものは、ネットの内側にもあるはずがない。

 とは言え、人間は古来より「見たい物だけを見る」生き物であるから、自分の信じたい、同意したい意見や情報をまとめて見られるネット環境は、「正しさ」に到達できるツールと感じるのは無理もない。しかしその正しさが、他人から見ても正しく思えるかどうかは、事と次第によるのだ。

 それでも、人間は「自分だけが知っている」「自分だけが理解している」という言葉に憧れを持つ。他人に理解されなくとも、「だから間違っている」「自分の方がおかしいのだ」とはなかなか思わないものだ。

 まして少数でも自分と同じような考え方の人間が居ると知ってしまうと、「やはり自分の方が正しかった!」と思い込んでしまう。同好の士を探すツールとしてもインターネットは優れているから、本来ただのごく少数の変わり者だったはずの人々がネットを介して集団となり、大声を発する事態となる訳だ。何とも面倒臭い事に。

 CNNの報じたところによると、地球平面説が世界に広がっているそうだ。地球平面説とは読んで字の如く、地球は球体ではなく平面であるという考え方だ。さらに言えば地球は動いておらず静止していて、宇宙に浮かんでなどいない、という考え方でもある。もちろんアポロの月着陸など信じていない。すべてはNASAを中心とした勢力の陰謀なのだそうだ。

 スマホのGPS機能使ってるよね? 飛行機で飛べば西回りだろうと東回りだろうと、何なら北回りでも南回りでもグルリと世界を一周できるよね? などと言っても通じない。「(地球が)何なのか100%は分からない。我々は定説を疑問視しているだけだ」(CNN)と返ってくるから。

 現代においてこういう人々を結びつけているのがインターネットである。そのインターネットのケーブルは太平洋も大西洋も横断して世界を一周している訳だが、何故そこに疑問を持たないのだろう。何とも不思議でならない。

 知識や情報は力。もし誰も知らない、誰も気づけない世界の秘密に気づいたとしたら、それは大きな力を手にした事になる。そのときに感じる優越感は凄まじいものがあるだろう。そしてそれを一度感じたなら、二度と手放したくないに違いない。おかげで珍妙な陰謀論がはびこる事になる。

 まあ、右翼とか左翼とか思想的偏りをもった連中の口からも、珍妙な意見が飛び出す事はあるだろうし、人間はとかく正しさにこだわり出すと、珍妙な方向に走ってしまうものなのかも知れない。「あやまちてはすなわち改むるにはばかることなかれ」とは言うが、普通の人間にはこれがなかなか難しいのだ。自分の意見にこだわる方が簡単で楽だからな。なので虫けらが珍妙な事を言い出しても、そういうものだと思って頂けると助かる。


 もはや誰でも知っている事だが、おせち料理とは本来主婦が正月三が日くらいは炊事をしなくて済むように、日持ちのする料理をまとめて作っておいたものだ。その目的を理解するなら、インスタントやレトルトの発達した現代において、おせち料理は必要ない。正月三が日くらい三食カップ麺でも人間は死なないのだから。

 なのにおせち料理は消え去っていない。それどころか最近では豪華なおせち料理を食う事が日本の正月の迎え方であるかの如き風潮すらある。日持ちのしないおせち料理という本末転倒したものが当たり前のように売られていたりするのだ。まったく理解に苦しむ。

 さて茨城県の筑西ちくせい市が、ふるさと納税の返礼品としておせち料理を設定していたのだが、約360個のおせちがこの正月に間に合わなかったという。しかもその間に合わないという連絡を、業者から市の方に伝えたのが1日だったというから何とも。業者としてはギリギリまで頑張ったというところを見せたかったのかも知れないが、もっと早い段階で見通しを立てていれば、まだ多少は対応のしようがあったのではないか。アメリカなら訴訟ものである。

 ふるさと納税といえば納税とは名ばかりの実態は寄付であるが、大半の寄付者は返礼品が目当てなので、実際は高めの買い物と言える。予約購入者に商品が届けられないというのは、製造メーカーとして、あまりに計画が杜撰だったのではないか。筑西市はこの業者を排除し、損害賠償請求くらいしても良いと思う。ただそれ以前の話として、おせち料理なんか食わなくてもいいのに、とも思うところ。


 毎年正月恒例の、などと言うと大変に不謹慎なのだが、昨日1日、餅を喉に詰まらせて救急搬送された人が、東京都内だけで6人出たのだそうな。うち3人は心肺停止の状態らしい。正月だからって餅を食わねばならんものでもなかろう。虫けらはもう何年食っていないだろうか。食いたくなる気持ちはわからんでもないが、年寄りと子供の居る家庭では遠ざけた方が良いと思う。でも自分だけは大丈夫、ってみんな考えがちなのだよなあ。人間の厄介なところである。


 昨年末、28日から31日までの4日間に渡って北朝鮮では朝鮮労働党中央委員会総会が開催され、その席上、金正恩委員長は、核実験やICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発再開を示唆した。

「約束に一方的に縛られる根拠はなくなった」

「世界は遠からず新たな戦略兵器を目撃するだろう」

「米国の敵視政策が撤回され、朝鮮半島に恒久的で強固な平和体制が構築されるまで戦略兵器開発を進めていく」

「米国が敵視政策を最後まで追求するならば、朝鮮半島の非核化は永遠にない」(以上時事通信)

 等々。まあこれもアレだ、自分だけは大丈夫って思っているのかも知れない。少なくともアメリカがトランプ政権の間は、と。ただどうだろうな、おそらくトランプ大統領には戦争をするつもりなど毛頭ないのだろうが、あまりギリギリを攻めていると、何かの拍子に、突発的な事件が起こってアメリカが引くに引けないところに追い込まれてしまう可能性はあるだろう。そうなればトランプ政権であろうとなかろうと戦争は起こる。そして起これば北朝鮮は終わりである。瀬戸際外交をするのなら、もうちょっと余裕を持たせた方が良くないか、とは思うところ。

 朝鮮半島で戦争が起これば、日本も無傷ではいられないからな。戦争は可能な限り避けてもらいたいのだが。


 寒い。エアコン21℃設定で、室温15℃である。外気温が10℃か。いつもの冬に比べればマシなのはわかるのだが、それでも寒いのだから仕方ない。ああ、早く春になれ。

 昨日は1000文字ほど書けたのかな。やはり正月は調子が出ない。出るのはあくびばかりなり。

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