第78話 2019/12/31 出国

 本日は9時起き。年の暮れまで締まりのない事で。

 さて、大晦日。2019年も終わりである。今年も1年お世話になりました。ありがとうございます。また来年もどうぞよろしくお願い致します。

 などと年末の挨拶をしたところで、実質虫けらにとっては普段と変わらぬ平日である。いつも通り鳥や犬の世話をして、いつも通り餃子を食って、いつも通り小説を書くだけ。紅白歌合戦は見ないし、年越そばも食わない。初詣は明日の午後からだ。ただ、それでもやはり気分はソワソワしてしまう。年末年始の不思議。


 中東のレバノンは西側を地中海に面し、シリアとイスラエルに接する国。イスラエルの空軍機がシリアを空爆するときは、レバノンの領空を南側から侵犯し、東側に抜ける。自国の制空権が確保できていない国家であり、この一点から見ても安定した国でない事は一目瞭然である。

 宗教的にはモザイク国家。イスラム教とキリスト教で権力を分割している。レバノンで有名な物と言えばレバノン杉と過激派勢力ヒズボラくらいか。

 長らくシリアの影響下にあり、1975年から30年に渡ってシリア軍が駐留していたが、2005年のいわゆる『杉の革命』によってシリア軍は撤退した。しかしいまもレバノン国内で大きな勢力を誇るヒズボラは親シリア・イラン派である。

 海外安全ホームページによれば、シリアとイスラエルに面する国境付近の地域一帯は、レベル3の渡航中止勧告が出ている。それ以外の大半の地域はレベル1の十分注意。退避勧告が出ていないだけマシとも言えるが、少なくともメキシコより格段に危険である。物見遊山で行く場所ではないだろう。そんな国に逃げ込んだ者が居る。いや、そんな国くらいしか逃げる場所がなかったのかも知れない。

 元日産CEO(最高経営責任者)で金融商品取引法違反や会社法違反などの罪に問われているカルロス・ゴーン被告が、レバノンの首都ベイルートに到着したらしい。30日にレバノンの当局者などが明らかにした、と複数の海外メディアが報じている。

 ゴーン被告は4月に保釈されていたが、保釈条件に海外渡航の禁止があったはずだとは国内メディアの報道。無断出国である可能性が高い。弁護団はNHKの取材に対し、何も知らないと回答している。しかしパスポートは弁護団が預かる事になっていたとの報道もある。だとするなら可能性は3つ。弁護団の誰かがゴーン容疑者にパスポートを渡したか、ゴーン被告がレバノンのパスポートを隠し持っていた、もしくはレバノンの大使館あたりが手引きしてパスポートを再発行したかだ。

 しかし何にせよノーチェックで海外に出たとは考えにくい。プライベートジェットで出国したと海外では報じられているようだが、そのプライベートジェットはどこに置いてあったのか。まさかその辺の地方空港ではあるまい。ならば出国手続きはしただろう。そこで止められなかったというのはシステムに欠陥があるのではないか。

 これがフィクションならば、レバノンの大使館がゴーン被告を外交官に見せかけて空港を素通りさせた、なんて事になるのだろうが、実際のところ果たしてそこまでするだろうか。ただゴーン被告の両親はレバノン人であり、これまでレバノンに対して多額の金を投じている。国の上層部とのつながりも強いだろう。もしかしたらその程度の事はするかも知れない。

 まあ何にせよ、この国は金さえあれば裁判所が禁じても国外逃亡できるのだという事が今回明らかになった。資本主義バンザイであるな。まったく何たる間抜けか。


 今年最後の日記は一つしかネタが見つからなかった。まあ仕方ない。

 しかし毎年思うが、年末年始のこのやる気の起きなさは凄まじいな。体内のエネルギーを根こそぎ刈り取られたような感じすらする。ただただボーッとしたくなるのだ。集中力などまるでない。どうしたものか。

『魔獣奉賛士』の更新は4日まで停止する。しかし4日までにどれだけ書けるだろう。あまり期待はできないな。

 元旦は冷え込むようだ。雪でも降るのだろうか。個人的には春まで降らんでも一向に構わないのだが。

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