第70話 2019/12/23 反対とか

 本日は8時半起き。朝から大掃除と言うほどではない小掃除をした。年末だからって掃除をせねばならん理屈はよくわからないが――歳神信仰は『時間』の神格化である。何でもかんでも神様にするのは節操なくないか――まあ切っ掛けがないと普段触らない部分をひっくり返したりしないからな。それはそれで良いのかも知れない。


 相模原障害者施設殺傷事件の発生は3年前の2016年7月26日。神奈川県相模原市の『津久井やまゆり園』で19人を刺殺、26人に重軽傷を負わせたのは植松聖被告。「障害者は安楽死させるべきだ」という思想から事件を起こしたとされるが、自らの精神障害が指摘された事に自暴自棄になったのではないかという話もある。

 精神障害、知的障害、身体障害、それらを持つ者が障害者。虫けらは鬱病持ちであるが、これも精神障害の一種であるから、紛うことなき障害者である。そして植松聖もまた。

 なお障害者を障碍者とか障がい者とか書き換えるべきだという意見があるが、個人的には同意しがたい。そもそもは『害』の字の印象が悪いというのが主な理由だとのこと。だったら『障』の文字には本当に悪いイメージはないのか、『しょうがい』という言葉の響きに差別的な雰囲気はないのか、そんな事を言い出したらキリがなかろう。障害者に悪意を向ける者は、障碍者にだって悪意を向けるのだ。ごく少数のクレーマーもどきを恐れて言葉を選ぶような真似をして何になる。無意味な言葉遊びでしかない。

 さて、自分がそうだから気になったのかも知れないが、毎日新聞の報道によると、過去5年間に、グループホームなどの障害者施設に住民が反対し、建設が中止されたり、建設予定地の変更を余儀なくされたりした事が、全国21都府県で68件発生していたそうだ。

 内訳はグループホームのような入居施設が52件、就労や発達障害支援など通所施設が17件、放課後デイサービスなど障害児施設も8件。全部合計すると77件だが、複数種の施設を住民に反対されたのが何軒かあるのだろう。

 過去5年という事だから津久井やまゆり園の事件があってこうなったという訳でもない模様。まあ加速されたとは思うが。

 反対する理由は障害者を危険視、住環境の悪化、説明が不十分などなど。まあ気持ちとして一切理解できないではない。できないではないのだが、自分は永遠に障害者に関わりにならなくても済むと思い込んでいる愚かさに暗澹たる気持ちになる。この国の民度はこんなに低かったか。

 障害者支援施設も、高齢者支援施設も、葬儀屋も病院も幼稚園も、何かの切っ掛けで世話になるかも知れないし、どうせなら近い場所にあった方が便利だ。何故そこに思い至らないのか。住宅地とスーパーとコンビニさえあれば何の問題もないと考えられる想像力の欠落は、それ自体が障害のようなものである。

 自分は他人の世話になっているくせに、他人の世話をする側には徹底して回りたくないという幼稚な利己主義。お互い様という言葉の意味を理解できない愚昧な不寛容さ。まったく何ともはや。まるで小型の植松聖である。こんな連中が暮らす地域で育つ子供も居るかと思うと、可哀想になってくるばかり。

 なお、障害者施設への反対運動に対し、事業者に丸投げで県や自治体などが対応しなかったケースは32件あったそうだ。どうせ子供を持つ家庭や生活困窮者にも同様の態度を取っているのであろう。そら少子高齢化にもなるわな。


 年末である。年賀状の季節であるが、虫けらはまったく書いていない。もう数年前より出さない事に決めている。こちらが出すから向こうも出さねばならんと考えるのだ。こちらが一切出さなければ向こうも出さない。そんな訳で年賀状と暑中見舞いは出していない。まあ買う金の余裕もないしな。

 日本では年賀状のこの季節、欧米でお馴染みなのはクリスマスカードだ。イギリスの新聞サンデー・タイムスの22日の報道によると、ロンドンの6歳の少女が大手スーパー『テスコ』で購入したクリスマスカードを開いたところ、新品のはずなのに、中に文字が書かれてあった。そこには英語でこうあったという。

「私たちは中国・上海の青浦刑務所に収容されている外国人受刑者です。私たちは意志に反して労働を強いられています。どうか私たちを助けてください。人権団体に知らせてください」(AFP)

 ホラーではないが、かなり怖い話である。この内容の真偽は簡単に確かめようがない。だが中国ならあり得る話だと思えるのが実際のところではないか。身の回りの安い中国製品は、こうやって市場に出回っているのかも知れない。と、書いているキーボードもマウスもメイドインチャイナなのだけれど。


 20日にアメリカのフロリダ州ケープカナベラルから、ボーイングの新型宇宙船『スターライナー』が打ち上げられた。今回の試験飛行では国際宇宙ステーションとのドッキングを目指していたのだが、打ち上げ自体には成功したものの、打ち上げロケットのアトラスVから切り離された直後、タイマーの不調でスラスターが作動せず、軌道投入は失敗した。そのため予定より6日早く22日に帰還した。しかしNASAとしては帰還が成功した事を評価している模様。

 まあ、いつでも全部上手く行くはずはないからな。部分的にでも成功と呼べるのであれば、それは十分に価値のある事に違いない。何もしなければ失敗すらできないのだから。


 今日は上皇陛下の誕生日か。今年から祝日ではなくなったが、上皇誕生日として残せば良いのにな。宮内庁としてはイロイロあるのだろうけど。

 昨日は何文字くらい書けたのだっけ。そこそこ書けたはず。まあまあ調子は良かった。今日も書けてくれると良いのだがなあ。

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