第59話 2018/12/12 神童とか

 本日は10時起き。もうダメだ。脳が。脳が疲れ切っている。日常生活に支障が出るレベルで頭がクッタクタである。さすがにキツいか。ちょっと脳を休める必要があるかも知れない。今日は本でも読むかな。


 昔の人は言いました。

「親の意見と茄子の花は千に一つも無駄はない」

 まあこれは、親の方が子供よりも圧倒的な経験値と情報量を持っていた時代の言葉である。現代でもこれがそのまま通用すると思っていたら痛い目を見る。もっとも、昔の人はこうも言う。

「老いては子に従え」

 矛盾しているように見えるが、この2つの言葉は両立する。子の立場で考えるか、親の立場で考えるかだ。双方に敬意と賢明さがあれば、どちらも正しい言葉となる。ちなみにどちらかの敬意や賢明さが欠けると、「親の心子知らず」となり、「親の因果が子に報い」となる訳だ。

 さて、オランダ在住のベルギー人の9歳の少年が、アイントホーフェン工科大学を卒業する見込みであるとの話題を先般ここに書いたのだが、その少年が大学を中退したそうだ。卒業の時期を巡って対立があったという。ただし、対立があったのは少年と大学側ではない模様。

 大学側はこう説明している。

「父親は息子が9歳のうちに学位を取得させたいと繰り返した」

「12月26日の10歳の誕生日までの期間と、終えなければならない試験の数を踏まえ、この日の卒業は不可能だと考えた」

 一方父親はAFPの取材に対し、

「大学側が学位授与を来年に延期したがったため、中退したと説明」

「新しい計画があると強調し、国外の大学から『すでに2件の誘いを受けている』と述べた」

 のだそうだ。

 言っちゃ悪いが、子供は天才でも親は天才ではないからな。子供により良い環境で教育を受けさせたいと願うのは親として当然なのだろうが、ステージパパ・ママは見苦しい。子供をダシにして自分たちのコンプレックスを解消しているだけのように思えなくもない。

 親としては9歳のうちにアイントホーフェン工科大学を卒業し、10歳からは別の大学で学んで、ここもあっという間に卒業してさらに別の大学へ、みたいな青写真を思い描いていたのだろう。そして他の大学とも何らかの形で話がついていたりしたのではないのか。息子の知らないところで。しかしそれが初っぱなでつまづいてしまって、「だったら中退だ」なんてことになったのやも知れない。まあ、何の根拠もない妄想だが。

 少年はどう思っていたのだろうな。大学なんて卒業したくないと思っていたのなら別に構わんのだが、卒業するつもりだったのに親の意見で中退させられたのだとしたら、何とも可哀想な気がする。人間、区切りは大事である。キチンと学んだ証を手に入れるというイベントは、将来何らかの価値を生むだろう。「そんなものはこれからいくらでも手に入る」と、もし親が考えているのなら、それは不見識である。この世には、いましか手に入らないものもあるのだ。

 昔の人はこうも言う。

「十で神童、十五で才子、二十過ぎれば只の人」

 何かを得られるチャンスがあるなら、そのときに得られるようにしてあげた方が、子供の人生において後悔がないように思えるところ。


 イスラエルの国会は11日、今年3度目の解散が決定された。来年3月2日の総選挙が有力視されているという。

 過去2度の選挙では、ネタニヤフ首相の率いる与党『リクード』が第一党となったものの、議会の過半数の支持を得られずに組閣に失敗した。前回の選挙ではネタニヤフ氏の組閣失敗の後、第二党となった政党連合『青と白』のガンツ代表に組閣が委ねられたが、これも失敗し、その後国会が協議を任されたものの、昨日11日までに過半数の支持する首相候補を選出できなかった。何とも厄介な話。国民も選挙ばかりで嫌気が差しているのではないか。

 それでも首相を選ばないという訳にも行かない。来年の選挙では違った結果が出るだろうか。イスラエルの政権がどうなるかで、中東情勢は変わってくる。しばし注目したい。


 宮城県警は11日、千葉県内に暮らす18歳の男子高校生を偽計業務妨害などの疑いで書類送検した。今年4月にオンラインゲーム上に意味不明の長文や絵文字などを「数万回」にわたって投稿し、それでアカウントを削除されたにも関わらず、不正な方法で再登録をして、7月から9月の間にも同様な行為を行った容疑である。

 警察の調べに対して容疑を認め、「ゲームで勝てなかったので、腹いせでやった」(産経新聞)と供述しているそうだ。その熱意と労力をゲームの腕前を上げる方向に使えば、もうちょっとマシな結果になったろうに。まあ地頭が悪いからゲームで勝てなかったのだろうし、地頭が悪いからこそのこの結末なのだろう。何とも不毛な。


 11日に国際NPO『ジャーナリスト保護委員会(CPJ)』が報告したところによると、今年世界で拘束され投獄されたジャーナリストは250人を超えたそうだ。1位は中国の48人、2位はトルコの47人、3位はサウジアラビアとエジプトの26人となっている。何をか言わんやという顔ぶれであるな。

 虫けらはジャーナリズムというヤツを信頼してはいない。そもそも日本にジャーナリズムが存在しているとも考えていない。ただそれでも、ジャーナリストを目の敵にする政府にはある程度、似通った傾向があると思っている。それは国民の蜂起を恐れている政府である。言い換えれば、国民に蜂起されてもおかしくない政府である。それを自覚するが故に疑心暗鬼を生じさせているのだ。

 日本のいまの政府はこの点、呑気なものだと思う。何せ自称ジャーナリストたちは表面的な問題ばかりにかまけて、政府の痛いところを突こうとしない。日本のメディアは「国民の目」ではないのだから、そりゃあ投獄の心配などない訳だ。それが自分たちの首を絞めているのに。

 しかしまあ、家族も生活もあるしな。安定を望む気持ちが理解できない訳ではない。日本のメディアの皆さんには、せいぜい頑張ってくださいね、としか言えない。


 そんな訳で、今日は本を読もうと思う。本を読むのも頭を使うが、書くときに使うのとはまた脳の部分が違うのだろう。確証はないけど。

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