第54話 2019/12/7 アイデアとか

 本日は10時起き。はあ。1日が36時間くらいあったらいいのに。昨日は何も進まなかった。今日は何とか頑張りたいが、1日がアホほど短い。ふぬー。


 創作はアイデア勝負である。無論、小説なら文章力、漫画なら画力といった基礎的な表現力は必要とされるが、表現力だけでは人は集まらない。やはり肝心なのはアイデアだ。クリスマスツリーにたとえるなら、他のオーナメントがいかに豪華でも、ツリーのてっぺんの星が貧相であればランクが下がって見えるのと同様、どれほど表現力を磨いても、アイデアが凡庸であれば、それは凡作と評価される。

 ならばそのアイデアをひねり出す力を磨くにはどうすれば良いのかと言えば、これが難しい。たくさんの創作に触れるのが一番の近道なのだろうが、ただ触れているだけでは磨けない。ましてそういったセンスを生まれ持っている人間に追いつくのは至難の業である。こればかりは本当に羨ましくてたまらない。

 ただ世の中はままならぬもので、そういったセンスを生まれ持っている人間が、そのアイデア力を十分に活用できる立場に身を置けるとは限らない。創作の世界に入りさえすれば、天才ともてはやされた可能性があるほどにアイデア力に満ち満ちた者が、まるで違う世界でその才能を腐らせていたりするのだ。何とももったいない話。

 ロシアの西端の森の中、ポツンと立つ検問所があった。そこへ案内役の男に連れて来られたのは、南アジア出身とみられる4人の移民。この検問所を通過すればEUの域内に入る事ができる。そう、自由が手に入るのである。しかし、タダという訳には行かない。手数料として1万ユーロ(約120万円)以上が必要だという。法外な金額であるが、違法な密入国の幇助に要求される金額としては妥当なのかも知れない。

 しかし実際に金は支払われなかった。その前に国境警備隊に身柄を拘束されたからだ。5人が。4人の移民だけでなく、案内役の男も拘束された。この案内役の男、検問所の職員ではなかった。いやそれどころか、この検問所自体、男が勝手に作ったインチキであり、ここを越えてもEUになど入れなかったのだ。

 EUに行きたがる移民は数多い。それを食い物にしようとする連中も少なくはないし、騙そうとする者もそりゃ居るだろう。だが実際に検問所を設置してしまうというのは、結構なアイデア力とバイタリティーではないか。ロシアの実情は知らんが、これだけ頭の回るヤツが、移民を騙して金を巻き上げるくらいしかできる事がないのだろうか。何とももったいない。

 他人が思いつかない事を思いついて実行できるというのは、紛れもない才能である。金で買える物なら買いたいところだ。どうにかして創作の世界で頑張ったりできないのだろうか。羨ましいし惜しいと思うところ。


 インドで先月27日、27歳の女性獣医師が連れ去られて集団レイプされ、殺されて遺体が焼かれるという凄惨な――でもインドではありがちな――事件があったが、容疑者として拘束されていた男4人が、6日警官によって射殺された。事件の検証中に逃走しようとした、と警察は主張している。

 現地の周辺住民は警察を賞賛しているそうだ。日本でも「性犯罪者にはこの程度当然」という声がある。虫けら個人としては、もしこの容疑者が間違いなく犯人であるのなら、まったく同情のできる余地はない。ただ、死刑に処すのと警察官が射殺するのは同じ意味ではない。前者は法律に基づく刑罰であり、後者は正当防衛でもない限り無法行為である。

 まあインドは法律よりヒンドゥー教が優先される社会であるから、こういう事も許されるのだろうが、日本はそうではない。「性犯罪者は原則死刑」にするというのなら賛成できる。しかし、法を無視して殺して良いなどという事はない。今回の警察官が賞賛されるのは日本的価値観からすればおかしいはずだ。

 もちろん、裁判員裁判で出た死刑判決をのきなみ覆して無期懲役にしてしまう最近の日本の裁判所も、日本的価値観にそぐわないのやも知れない。しかし江戸の敵を長崎で討つのはどうよ。それはそれ、これはこれである。いかなる犯罪者も法に基づいて処断される事を望む日本人であってもらいたいと願うところ。


 ストライキやデモは労働者の正当な権利だと虫けらは思っているし、日本でももっと行われるべきだとも考えているが、まあ、限度はあるわな。

 フランスではマクロン大統領の主導する年金改革に反対する大規模なストライキとデモが5日から行われ、交通機関は麻痺、観光地は休業、学校は閉鎖された。全国でデモに参加したのは内務省発表で80万6000人、フランス労働総同盟の主催者発表では150万人に上るというが、おそらくはその真ん中くらいの参加人数だったのだろう。

 黄色いベスト運動のデモに乗じて暴れた黒装束の覆面集団『ブラックブロック』が、今回のデモにも入り込み、店舗のガラスなどを破壊して回ったそうだが、デモ全体としてはまあまあ平穏に終了した模様。パリ警察は71人を逮捕したと発表している。全体の数から見れば誤差の範囲だろうか。

 ストライキについては6日で終了した組合もあるようだが、反面無期限ストに突入したところもあるようだ。黄色いベスト運動は今日7日またデモを実施するだろうし、フランスはしばらく身動きが取れない状態が続くやも知れない。ここまで行くと、さすがにやり過ぎの感はある。とは言え、日本人はデモもストも、あまりにやらなさ過ぎだ。もっと政治に直接的な圧力をかけても良いと思うのだが。国民は主権者なのだから。


 本日はこんなところで。しかし寒い。寒いと体が重くてかなわん。でもこれからもっと寒くなるのだよなあ。ああ面倒臭い。

 さて、犬を散歩に連れて行って、飯を食って、何とか頑張ろう。時間がない。ボーッとしてたら月日の経つのはあっという間だしな。とにかく書こう。書かなくては何も始まらないのだから。

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