第40話 2019/11/23 幽霊とか

 本日は9時半起き。もう少し早く起きられても良かったように思うのだが、なかなか難しい。何か起き抜けから寝ぼけまくっていて、いちいち危なっかしくて困る。今日は何もしない方が良いだろう。おとなしく寝転んでいよう。


「幽霊の正体見たり枯れ尾花」は江戸時代の俳人、横井也有の句らしい。

 ゴーストといえば元々英語で幽霊を指す言葉であり、本来存在しないもの、または正体不明なもの、あるいは不可解なもの、ついでに宇宙怪人などにも使われる。日本語でも「幽霊部員」などという使われ方があるように、洋の東西、文化や宗教の違いを問わず、幽霊には同様の感想を抱くもののようだ。

 これはすなわち幽霊という「現象」が洋の東西、文化や宗教の違いを問わずに起こるという事でもある。「鬼」という言葉が元々中国で幽霊を指していた事実を知っている方も多かろう。幽霊を見るのは人類にとって普遍的な、ある意味当たり前でありふれたイベントなのだ。

 ただ、その幽霊の正体が死んだ人間の残留思念だのエクトプラズム云々とか言い出すと、たちまち馬鹿話になってしまう。フィクションの中ならそれで良いが、現実世界でそれを主張する者がたまに居るのだ。

「薄ぼんやりとした人の姿が目に見える」現象は確かにあるのだろう。だがそれと死者を結びつけるのは論理の飛躍である。見慣れない出来事に脳が混乱し、想像力が暴走しているだけだ。悲しいかな、人間は死んだら終わりなのである。死者の魂が人の姿を取るなどというのは、屈折した願望に過ぎない。

 さて話を戻すと、ゴーストという単語を組み合わされた熟語には、ゴーストライター、ゴースト障害などがあるが、『ゴーストガン』もあるらしい。今月14日、アメリカのカリフォルニア州サンタ・クラリタのハイスクールで、16歳の男子生徒が銃を乱射、2人が死亡、3人が負傷した。男子生徒は最後に自らを撃ち、病院で死亡したのだが、この事件で使われた銃が、ゴーストガンだという。

 銃の乱射事件が多発するアメリカでは、規制の一つとしてシリアルナンバーによる追跡が行われている。だれがいつどんな銃を購入したかが記録されるのだ。しかしこのゴーストガン、シリアルナンバーが存在しない。何故ならこれらは別名キットガンとも呼ばれ、完成品ではなくパーツ単位で売られているからだ。購入者がパーツを選んで、自分で組み立てる。パーツは銃の所持許可がなくても購入でき、追跡もされない。金さえ払えば子供でも買える。

 アメリカにはCrickettという子供向けの銃が売られているが、これはさすがにサイズ的に大口径の銃弾は撃てない。だがゴーストガンなら大口径弾用のパーツを選べば撃てる。実際サンタ・クラリタでは45口径の銃弾が使用された。何とも懸念すべき事態だとは思う。

 ただし「kit gun」「ghost gun」で検索しても、この事件のニュースばかりが出て来て肝心の銃の情報は見つからない。FacebookやTwitterでも同じ状況である。CNNの報道によれば、「インターネットや銃の展示会」で販売されているらしいのだけれど、情報が消されたりしているのだろうか。

 この事件を担当したロサンゼルス郡の保安官はゴーストガンについて、「銃業界は武器を自分で製造する仕組みをつくり出すことによって、全ての対策をすり抜ける手段を確立しつつある」(CNN)と述べたそうだ。いずれシリアルナンバ-による追跡は有名無実化するのかも知れないが、それでも銃規制は進むまい。大統領がいまのままでは。

 日本では幽霊はいつか成仏するものと相場が決まっているのだが、アメリカでは違うようだ。成仏できないゴーストガンが巷に溢れる日は近い。そして残念ながらその正体は、枯れ尾花などではないのだ。


 アメリカのトランプ大統領は22日FOXニュースのインタビューに答え、

「私がいなければ、香港は14分で壊滅させられている」

「香港のすぐ外で待機する100万人の兵士が進軍しない唯一の理由は、私が習主席に『やめてくれ。大きな間違いを犯すことになる。貿易協定にすさまじい悪影響が及ぶ』と頼んでいるからだ」(以上AFP)

 と述べたそうだ。言った者勝ちの世界は凄いな。不謹慎などと言う概念は存在しないのだろう。そこまで言うのなら、さっさと『香港人権・民主主義法案』に署名すれば良いのに。

 何でもかんでも取引の材料に使えると思っている時点でおめでたい。アメリカが何を言おうが、どんな未来を提示しようが、中国共産党はいずれ追い詰められるし、いずれ暴発する。そして大量の血が流れる。そのときトランプ氏はどうするのだろう。「自分は最大限やった。残念だ」と言って終わりなのだろう。まったく良いキャラクターをしている。ちょっと羨ましいくらいだ。


 ルフトハンザ航空と言えばドイツの航空会社であるが、このルフトハンザのパイロットの格好をして出発ゲートを通ろうとした48歳の男が、19日インドのニューデリーにあるインディラ・ガンジー国際空港で捕まった。コルカタ行きのエアアジア機に搭乗しようとしたらしい。

 本物のパイロットなら保安検査が軽減されたり、座席がアップグレードされたりするらしいのだが、それを利用して何かを機内に持ち込もうとした、という訳ではなく、単に特別扱いをされたかっただけの模様。子供か。

 とは言え、その子供じみたアイデアを実行に移した行動力には驚く。力の使い方を間違ってるだろうとは思うけれど。ちなみにこの男は現在勾留中で、不正行為やなりすましの罪に問われているそうだ。もし有罪になれば、禁錮1年や罰金が科される可能性があるとのこと。果たしてそこまでして特別扱いされたいものなのか。人間とは不可思議な生き物である。


 昨日韓国がGSOMIAの破棄を撤回した。ふーん、という感じ。何のために大騒ぎしたのかね。


 オランダ在住のベルギー人の少年が、オランダのアイントホーフェン工科大学で学士号を得て来月卒業する。その年齢、9歳。学士課程の修了は通常3年かかるそうなのだが、彼の要した時間はわずか9ヶ月。ゴーカートと犬と遊ぶのが好きで、将来の夢は人工臓器を作りたいのだそうだ。

 本物の天才というのは居るものなのだな。まあ天才には天才で苦労があろうと思うので、なりたいとは思わないが、一日だけなら体験してみたい気がする。きっと「ああそういう事か、わかるわかる」といった感覚が連続するのだろう。それはおそらく快感に違いない。虫けらなど世の中わからない事だらけである。ああ、たまには何かを理解してみたい。


 今日はこんなところで。気温高めなので、体調は悪くない。頭が寝ぼけているのを除けば、だが。

 あ、そうか。今日は勤労感謝の日か。すっかり忘れていた。まあ感謝するほど勤労していないからな。勤労意欲がない訳ではないのだが、仕事の方がこちらの前を素通りするのだから仕方ない。それにつけても金の欲しさよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る