第41話 2019/11/24 ニワトリとか

 本日は7時起き。普通だ。普通に普通である。

 さて、あと1ヶ月でクリスマス。もうそろそろ年末年始の声が聞こえてくる。イロイロ逆算して行動を始めなければならない。まだ全然焦る時期ではないけどな。


 ニワトリを飼う、と言うと、養鶏場、鶏卵、鶏肉、フライドチキンといった方向に発想が行くのが世の大半であろう。まあ普段ニワトリとの接点がその程度しかないのだから仕方ないとは言え、それは非情にもったいなく残念な事である。嫌な言い方をするなら、発想が貧困なのだ。

 そもそも本邦におけるニワトリの飼育の歴史の中で、食用とされ出したのは比較的最近の事。ニワトリは弥生時代には日本に入ってきているのだが、目的は食肉ではなく「時告げ」、要は目覚まし時計的な利用が主であったのではと考えられている。もっとも、「残飯で簡単に飼養できる愛玩動物」としての側面は当時からあったろう。

 奈良時代以降になるとオス同士の闘鶏が行われるようになる。天武4年には肉食禁止令が出され、それ以後は肉はもちろん卵も食べられなくなった。以来江戸時代に入るまで、ニワトリは姿を愛でたり声を楽しんだりするための存在だったのだ。

 養鶏の歴史は長く、6000年以上とも言われる。それだけ長い間人間と暮らしている生き物であるため、人間との生活が生態の中に組み込まれている。故に愛玩動物としては、極めて飼いやすい生物であると言えるだろう。

 愛玩動物で鳥類と言えば、文鳥やセキセイインコを思い浮かべる方は多いかと思うが、彼らを人間に懐かせる、たとえば手に乗せるには、相応の訓練技術と根気と時間が必要とされる。訓練をしなければ、たとえ人間に育てられても文鳥やインコは飛び回るだけで手には乗らない。人間との生活の歴史が短い彼らの生態には、人間との暮らしが組み込まれていないからだ。

 しかしニワトリは違う。ニワトリはヒナから飼うだけで、そう、まったく何の訓練も必要とせずに人間の腕や肩に乗るようになる。そういう生き物として完成されているのだ。家計的観点から見ても、ヒヨコは種類さえ問わなければ1羽200円くらいから購入できる。餌代も犬や猫と比べて格段に安いし、散歩も入浴も必要ない。そしてメスなら卵という恵みまでもたらしてくれる。

 無論、ニワトリを飼うのに苦労がない訳ではない。室内で飼えばあちこちに糞を撒き散らすし、オスを飼えば午前3時頃から耳をつんざくような雄叫びを始める。よって田舎の野中の一軒家でもない限り、現代の一般的な住宅で飼えるのはメスだけだろう。だがそれらの問題点を考慮しても、ニワトリはペットとして極めて優秀な部類の生物であると言える。

 さて21日、インドネシアの西ジャワ州バンドン市では、小中学校の生徒たちにニワトリのヒヨコの配布を開始した。市当局が『チキナイゼーション』と名付けたこのプロジェクトには、子供にヒヨコの世話をさせる事によって、スマートフォンの利用時間を短くさせる狙いがある。

 子供は「スマートフォンで遊ぶ方が面白い」(AFP)と言っているらしいが、一応親には好評のようだ。しかし虫けらとしてはこれに賛成できない。子供のスマートフォン利用時間を管理したいという目的は理解できるものの、ヒヨコの世話を義務化したところで、子供たちが「ああ、スマホ以外にこんなに楽しい事があるんだ!」などと突然目覚めたりなどしない。それは大人の勝手な願望であり妄想だ。

 もちろん、中にはヒヨコが可愛くなってその世話に夢中になる子供も居るだろう。しかしそうでない子供に与えられたヒヨコはどうなる。悲惨な事になるのは目に見えているではないか。

 日本の学校でもニワトリやウサギを飼ったりしているところがまだあるそうだが、教育の大義名分の下に生き物の命を浪費するのはいい加減やめてもらいたい。どうしてもニワトリを配布したいのなら、飼いたいと思う子供にだけ与えれば良い。

「生と死を体験させることが最高の情操教育」とでも思っているなら大いなる勘違いだ。中にはそういう子供も居るかも知れないが、弱者に暴力を振るう快感を覚えてしまう子供も居るはずだ。それについてのケアをどうするか考えているのだろうか。おそらくまったく考えていないに違いない。

 生命はオモチャではない。生命を大事にする子供を育てたいと願うなら、スマートフォンに縛られない子供にしたいと願うなら、まず大人が範を示す事だ。それ以上に効果的な薬はないだろう。それが難しいからといってニワトリにシワ寄せが来るのは理不尽である。真似をする日本の自治体が出て来ない事を祈る。


 21日、アメリカの電気自動車メーカーであるテスラは、新型ピックアップトラック『サイバートラック』を披露した。同社CEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏が登壇し、側面窓ガラスの強度を示すために鉄球をぶつけるというパフォーマンスを行ったのだが、アシスタントが鉄球をぶつけると、窓ガラスには蜘蛛の巣状の見事なヒビが入ってしまった。

 この車の側面窓ガラスは防弾ガラスだったようだ。防弾ガラスとはガラスと透明樹脂が重層構造になった物であり、衝撃を分散する事によって銃弾を貫通させない仕組みになっている。つまり銃弾を捕まえる機能によって内側の乗員を守るのであって、銃弾を弾き返す物では最初からない。鉄球なんてぶつけたら、そりゃあヒビくらい入るだろう。マスク氏はそれを知らなかったのだろうか。

 まあ何にせよ、マスク氏はその後も窓の割れた車の前でプレゼンテーションを続け、テスラの株価は下がったそうだ。何とも見事な笑い話。


 今月17日から行方不明になっていた大阪府住吉区の12歳の少女が、昨日の午後に栃木県の派出所に現れ、保護された。少女を監禁した容疑で栃木県小山市の35歳の男が逮捕され、男の部屋からはもう一人、茨城県の15歳の少女が発見された。

 コメントが難しい。イロイロと奥歯に物が挟まりまくってしまう事件である。まあ、とりあえずは無事で二人が助かったのだから、その点は良かったと言えるだろう。


 昨日、ローマ教皇フランシスコが羽田空港に到着した。ローマ教皇の来日は1981年のヨハネ・パウロ二世以来38年ぶりであるという。今日は長崎と広島を訪問し、明日25日は東京で天皇陛下および安倍首相と相次いで会談、明後日26日は東京ドームでミサを行うらしい。結構な強行軍である。大丈夫か。

 まあ何にせよ、まだ国際社会においてバチカンの影響力は大きい。仲良くしておくに越した事はない。無事平穏な滞在を祈るところ。


 10月20日に行われた大統領選挙に不正があったとして反大統領派の大規模デモが発生、軍部の圧力もあって今月10日にモラレス大統領が辞任したボリビアであるが、いまはモラレス支持派の抗議行動によって首都ラパスが封鎖されている。より正しくは、ラパスに隣接し、ラパスに至る道路の大半が通るエルアルトの街が支持派の先住民によって抑えられているために、ラパスは陸の孤島となっている訳だ。

 モラレス氏は辞任の2日後の12日にメキシコへ亡命し、野党勢力のアニェス氏が暫定大統領就任を宣言している。暫定政府はモラレス支持派と協議をすると22日に発表したが、同時にモラレス氏を扇動とテロリズムの容疑で告訴もした。事態を収拾する気があるのかないのかよくわからない対応である。そもそもアニェス氏の暫定大統領就任は議会の承認を受けていない。背後にアメリカがついているのであろうとは言われているが、どこまでボリビア国内を治められるか未知数である。

 モラレス氏辞任以後、支持派デモが治安部隊と衝突して出た死亡者数は、すでに30人を超えており、ボリビア国内が制御不能になる可能性を国連が警告するまでになっている。

 ボリビアの正式名称は『ボリビア多民族国』なのだそうだ。モラレス氏はボリビア史上初の先住民出身の大統領であり、アニェス氏は先住民出身ではない。おそらくは民族間に分断があるのだろうし、エルアルトを抑えているモラレス支持派の先住民との協議が成立するかどうかは不透明である。綺麗にスッキリ終わる解決法はないのではないかと考える次第。


 早起きすると書く量も増える。まあ今日はこんなところだろう。

 カクヨムコンは1月末までだから、あと2ヶ月ちょっとある。『魔獣奉賛士』はいま4万字超書けているから、たぶん期間内に10万字は超えるはず。出すかな。ミステリーも考えないといかん。頭は使えるうちに使うしかないのだ。頑張ろう。

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