第2話「ジョンと岡本家」
俺の紹介がもう少し必要かと思う。俺は「岡本家」の家の室内で飼われている3歳のオスのチワワだ。岡本家は、お父さん、お母さん、たかし君、という3人で構成されている家族だ。たかし君は10歳の男の子で、色々なことに興味津々で明るく活発だ。家族のみんなは俺のことをとても愛情深く可愛がってくれる。そのことに関して俺はとても感謝をしている。
俺は人間の言葉を理解しているし、おそらく人間並みの知能がある。周りの犬たちと自分を比べてみて「自分の知能の高さ」に気づいたのだ。でも俺はそれを岡本家のみんなにはバレないように隠している。
俺は日頃から「普通の犬たち」を真似したような行動をしていて、岡本家のみんなは俺のことを「普通の馬鹿な犬」だと思っているだろう。特に たかし君はそんな俺のことが大好きで堪らないようだ。
でも時々「本能で反射的に行動をしてしまう」ことが俺にもあって、こればかりはどうしようも抑えることができない。俺にも原始の本能があるということなのだろう。まぁその時の様相といったら馬鹿丸出しなのだがね。
おっと
「尻尾を追いかけ回してグルグル回る時間」
がきたようだ。俺は馬鹿な犬のフリをするために毎日定期的に自分の尻尾を追いかけ回している。俺のこの姿を見た岡本家の人々はいつもニッコリと微笑んでいるよ。しばしの間グルグルと回りながらこのお話を続けるとしようか。
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