小箱

【小箱/小川 洋子】


小箱の中の子どもと、

作家が紡ぐ物語の人物にあまり差はないのかもしれない。



p116

「よい本は、作家より長生きするの」

子どもたちは、親よりも長生きするの。


p117

「今、自分が読んでいるのと同じページを、今はここにいない誰かも読んだ、と思うだけで安堵できない?」

今目の前にいる(小箱の中の)子どもたちを、同じように他の人も見た、と思うだけで(その子の存在を受け入れられたようで)安堵できない?


p117

「自分が、死んだあとまで生きているような、そんな気持」

自分が死んだあとまで(自分の想いが)生き(続けて)ているような、そんな気持。

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