第3話


それになにも言わず、私が見ていることにも気付かず、食い入るようにメニューに見入っているその顔は、私には頭の悪いギャルにしか見えなかった。


「おまちどうさま」


そのうちに私のラーメンが運ばれてきた。


まずスープを飲んだ。


――うまい。


濃厚で口の中で香り、それでいて後味がいい。


ラーメンだから脂分は多いはずなのに。


次に麺をすすった。


ちぢれた麺がスープとからんで口の中で踊る。


まるで生きているかのように。大げさではなく、


実際にそんな感じなのだ。そして私はチャーシューを見た。


――このチャーシューがこれまたいい塩梅に脂がのって……。


そこで私は気付いた。


隣のけばい女が私のラーメンをじっと見ているのだ。


――なんだこの女は?


首を突き出し、大きな目をさらに大きくしているその様は、異様の一言だ。

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