12 魔法狩り VS.絶対強者 再び

『あらすじ』

子供達を救出

沙耶が精霊を召喚

芙蓉と紫苑が対立

 ***


『会長。俺だって沙耶のことは救いたいです。でも優先すべきはあなた。これ以上危険にさらすことはできません』


 精霊殺しの剣を手にする俺。

 沙耶を抱える紫苑。

 そして彼女の魔力によって、地面に押し付けられたままの仮面を付けて大剣を持つ精霊。

 三者三様であり、それぞれが対立している構造だが、ここからのメインは紫苑と俺の初めての真剣勝負。


 最初に仕掛けたのは気の短い紫苑。

 腕の中の少女を落とさないように、左手でしっかりその肩を掴んだまま直進する。


 彼女が選んだのはシンプルに空いた右の大振り。

 その威力は当たれば即戦闘不能かもしれないが、そんな分かりやすい攻撃に正面から付き合うつもりはない。

 伸びる際中の腕を外側へと軽く弾くだけで、最小限の労力でさばく。


 抱えている沙耶のせいで、右を放った紫苑は軸が前に崩れてバランスを保てていない。

 急所を確実に狙うことはできなくても、少女の頭部を刺すことは十分に可能。

 チャンスには積極的に攻撃を選ぶ。


 精霊殺しの剣えものを取り上げられないように、最短距離で素早く突き出す。

 しかし見えない壁に阻まれた。


 魔法障壁。

 魔法使いを志すならば誰もが最初に学ぶ基礎中の基礎。

 ただ魔力を固めただけの壁だが、咄嗟とっさの防御に使い易く、物理攻撃も魔法攻撃も減弱させることができる。

 紫苑が張った障壁は、並みの魔法使いのものと違い、分厚い金属の壁のような強度。

 短剣ではなく手で直接触れていれば分解できていたかもしれないが、絶対強者のプレッシャーに当てられて勝負を急いでしまった。


 初手は互いに雑な攻撃をして引き分けに終わった。


 短剣での攻撃にこだわることを止めた俺は、逆手持ちへと切り替える。

 突きのモーションが遅くなるが、代わりに格闘技からの連撃を繋げやすくなる。

 殺傷能力を犠牲にして、着実に削り取る作戦。


 紫苑も1度後方に下がり、沙耶を降ろした。

 自由になった左腕を前に出して壁を作り、もう片方の右腕を引く基本に忠実な構え。

 仕切り直しの前に、彼女も戦闘思考を一段上げたようだ。


 彼女と初めて戦った東高の第9演習場には、魔力を封じ込める結界が張ってあった。

 あの時は全開放された魔力に押しつぶされ、まともに身動きができずにそのまま敗北した。

 しかし今回、沙耶を守る彼女は無差別な指向性のない攻撃を使うことはできない。

 少なくとも決着は、以前と異なる形になる。


 再び先手を掴んだのは紫苑。

 両手が自由になった彼女は定石通りに、得物を持たない俺の左側へと攻め込んでくる。

 左右のワン・ツーが繰り出されるが、2発とも片手で拳を軽く撫でるように受け流す。

 続けざまに左の回し蹴りが跳んでくる。

 無理をせずに一歩引いてやり過ごす。


 追撃のために踏み込んでくる紫苑に対して、前に伸びた足へと重心が移ったタイミングで外側へと足払いをする。

 さすがに転倒することはなくても、バランスを崩す。

 伸ばしたまま俺にまで届くことがなかった彼女の腕を抱え込んで、一気に背負い投げをめる。

 派手に地面へと叩きこんだが、大したダメージにはなっていないはず。


 無理に追撃を選ばない。

 起き上がる紫苑を見下ろして、プレッシャーを掛ける。


 俺の目的は紫苑を倒すことではない。

 その後ろにいる沙耶を殺すこと。

 そもそも膨大な魔力で肉体を強化している状態の紫苑に、俺の打撃が通用するとは思えない。

 態勢を崩した程度では、何をしても無駄だ。

 一方彼女の雑な連撃はどれも一撃必殺の威力なので、余裕や隙を見せるのは好ましくない。

 じっくり焦らして確実なタイミングで仕留める。


 これまでに彼女との戦いは何度もシミュレーションしてきた。

 このまま戦況が変わらなければ、負けることはない。


 紫苑が磨いた戦い方は、圧倒的な力でねじ伏せる強者の戦い方。

 一方俺が磨いたのは、どんな手段を使っても相手を倒す殺し方。


 3度目も再び紫苑から仕掛けてくる。

 何度も攻撃が外れて、熱くなった彼女は徐々にフォームが荒れている。


 彼女は格闘技の基礎は学んでいるようだが、魔力による補助が無ければ実戦に出るにはまだ早い。

 攻撃の組み立て方はとても素直で、配分やフェイントといったことがまったく意識できていない。

 それにこれまでの付き合いで、彼女の癖は十二分に理解している。

 いくら早くて重い拳を持っていたとしても、人間の器には限界がある。


 スナイパーライフルは威力、距離も速度どれをとっても強力な武器だ。

 しかし近接戦ならば回転率の高いサブマシンガンの方が有用。


 締め技や関節技だと力尽くで跳ね返されてしまうので、距離を保ちながら打撃と投げを重ねて、彼女の疲労の蓄積を加速させる。

 紫苑がこのまま肉弾戦を続けるならば、俺としては楽なものだ。


「どうして当たらないのよ!」


 その言葉に対する返答の義務はない。

 答えは至って簡単で、普段彼女の暴力を正直に受けていたのは、俺が本気で避けようとしていなかったのに過ぎない。


 紫苑の連撃は今もなお続いているが、その全ての打撃をさばいている。

 それでも俺は新たな変化に対処できるように気を引き締める。

 わざわざ声音を上げて、ムキになっているように見せているのは、彼女なりの演出の可能性も捨てきれない。


 彼女の正拳突きをバックステップで回避する。

 前に出した腕を戻すことなく、拳を開いたその中から魔力の塊が表れた。


 短くチャージされた魔弾。

 警戒していた俺は上半身を振ってから射線から逃れる。

 さらに左手からも次の魔弾が放出される。

 俺は振り子のように小気味よく上半身を逆へと揺らす。


 魔弾の初速は拳銃と同程度。

 しかし経験を積んだ人間ならば、相手の視線と呼吸、そして筋肉の緊張から弾道とタイミング予測して回避できる。

 さっきまでの大振りな拳と同じで、いくら威力があっても直線的な攻撃など通用しない。


 紫苑は驚いた表情を隠しきれていないが、ライフルの脅威から体を張って守ったのは誰だと思っている。

 俺の危機回避能力はこれまでの日常と戦いの狭間で培ったもので、出し抜くことは容易くない。

 そもそも彼女に魔弾があることは知っていたので、十分に警戒していた。


 2度も外したのに、また魔法の弾丸を撃ってくる。

 諦めの悪い彼女らしい行動だが、当たらない弾はいくら撃っても無駄。

 まったく当たらないのに、逃げ道を塞ぐような一斉射撃はしてこない。

 全弾分の魔力を貯める間を惜しんでいるのか、それともこの状況でも俺の身を案じているのか。


「避けるなぁー!」


 何を無茶なことを言っているのか。

 精霊相手にはあまり効かなかった彼女の魔弾だが、並みの魔法使いならば障壁で受け止めたとしても一発KO。

 生身の人間が的になれば、ちりひとつ残らない。

 いくら当たらないとは言え、あまり悠長ゆうちょうに付き合うつもりもない。


 中距離戦へと移行してから、俺はろくに魔力を吸えていない。

 このまま回避を続けていたら、こちらが先に燃料切れになってしまう。

 そろそろこちらも伏せてきたカードを切る。


 紫苑の放つ魔弾を1発、わざと腕を伸ばして受け止める。

 最悪、腕1本で済むように体は射線上から逸らしておく。


 着弾と同時に余分なエネルギーが光と音へと変換される。

 腕に熱が灯るが痛みはない。

 純粋なエネルギーを固めただけの攻撃なので、分解の手間はいらない。

 吸収した魔力によって、身体強化のギアが最大まで引き上げられる。

 これで回避によって消耗した魔力は、いくらでも補充できる。


 おそらく春先だったならば受けきれなかった。

 この短期間に俺の魔力許容量が格段に増大している。

 伊達に紫苑に毎度投げ飛ばされていない。


 魔弾を受け止めるという突然の俺の行動に驚いたのか、紫苑が攻撃の手を止めた。

 今度は俺の方から諮問しもんする。


「どうして一発で止めたのですか。連射していれば、俺のことを殺せていたかもしれないのに」


 俺の挑発に押された紫苑は半歩だけ後退りする。

 張り詰めた表情を浮かべるだけで、俺の言葉に返せていない。

 彼女はまだ大して消耗していないはずなのに、呼吸が荒くなっている。

 これはいつもの生温いじゃれ合いとは違う。


 絶対強者などともてはやされている紫苑だが、実際のところ戦闘センスは皆無。

 いくら膨大な魔力を持っていたとしても、熱くなりやすく、戦い方も直線的。

 そしてなによりも彼女の本質は闘争に向いていない。

 真っ直ぐで素直な戦い方は性格の問題だけでなく、戦いから目を背けるために安易な手を打っているように思える。

 おそらく紫苑は殺しを知らない。

 いくら魔獣を殺した経験があったとしても、同族である人間を殺すのとは大きな隔たりがある。


 紫苑に戦い方を教えた人間は、良くできた人物なのだろう。

 大量の魔力を振りかざす彼女だが、相手を病院送りにすることはあっても、再起不能にさせるようなことは1度もない。

 その中にはステイツをはじめ、各国のエージェント達も含まれている。

 毎回意識しているのかは分からないが、相手の力量に合わせ力をセーブすることが徹底できている。

 決して悪いことではないのだが、彼女の精神がそのリミッターに囚われており、振り切ることができていない。


 だから俺の下した結論はシンプル。

 殺すつもりのない攻撃なんてぬるい。


「おい、舐めているのか……る気がないなら俺の前に立つな!」


 今まで紫苑の前では、ひた隠しにしてきた本気の殺気を解き放つ。

 それはもちろん訓練などで得られるものだけでもなければ、自然界での生存競争で身につけるものですらない。

 ただ相手の命を奪うことを重ねた者だけが、次を予告するために発することができる本物。


 初めて殺意に当てられたであろう紫苑は全身を硬直させる。

 彼女の泳ぐ目が一瞬だけ俺の視線と繋がった。

 俺は表情をひとつも変えずに、もう一押し圧力を掛ける。


 一歩前に出る。

 守るべきものを背にするはずの紫苑が一歩後退した。


 更に一歩進む。

 それに呼応して彼女も後ろへと下がる。


 もう一歩前へと足を運ぶ

 しかしもう彼女は動かない。


 そのまま崩れるように地面に膝を付いた。

 緊張のあまり、彼女の額には汗すら出ていない。

 肩が上下に動き、呼吸が早くなっているが、酸素をほとんど取り込めていない。

 体温が急激に下がるような感覚だろう。


 折れたか。

 予想よりも早かった。


 以前工藤凛花が、紫苑には精神的にもろい一面があると評していた。

 ステイツからの狙撃騒ぎの際は、心のバランスを保つためにいつも以上に気丈に振る舞っていた。

 彼女はいくら強いとは言え、命のやり取りとは無縁な一般人でしかない。

 魔法公社の副長なんて立場にあっても、経験はとても浅く、所詮まだ学生の身分。

 むしろ強すぎるからこそ、白刃が自身の喉元に届くことを感じたことなどないのだろう。

 初めての本気の命の奪い合いが1分も続けば、正気を失ってもおかしくない。


 紫苑の能力の天井は未だに見えないが、今の条件下であれば俺の許容量を上回ることはない。

 しかも彼女の目的は俺を止めることに過ぎないが、俺は沙耶を殺す覚悟を決めてある。

 強さでも、非情さでもこちらが上回っている。

 守る戦いの難しさはここ最近身をもって知っているが、紫苑のやり方ではとても甘すぎる。

 しかしそれもここまで。


 俺は崩れたままの紫苑の隣をゆっくりと歩く。

 まだ辛うじて意識はあるようだが、それが逆に彼女にとっては酷に働いている。

 いっそのこと気絶してしまえば、楽になれるのに。


 しかし紫苑以上に逼迫ひっぱくした状態になっている少女がいる。

 菅野沙耶。

 両親と引き離されそうになり、感情を暴走させた彼女だが力任せに精霊を呼び出した。

 最初は声を上げていたが、今では胸の辺りを抑えて苦しんでいる。

 すでに彼女の意思はなく、主導権はヒト型の精霊側にあり、魔力を供給するための通り道にされている。


 当の精霊は紫苑が作り出した魔力の天井に押し付けられたまま、身動きを封じられている。

 俺の後ろでギリギリのバランスで保っている彼女の緊張の糸が完全に切れてしまうと、再び精霊が暴れ出してしまう。

 もう躊躇ちゅうちょする余裕は残されていない。


 俺は左手で沙耶の頭を持ち上げると、衣類で隠れていた首元をしっかりと露出させる。

 子供とはいえ、硬い骨に守られた胸部よりも、太い血管を狙った方が容易い。

 精霊に繋げられた彼女を殺せば、暴走が悪化する可能性も否定できない。

 意味があるのかは分からないが、精霊殺しの剣を使う。

 少なくとも精霊界からの魔力の供給が無くなれば、いずれ精霊は倒せるだろうし、紫苑だって足枷が無くなれば本気を出せる。


 少女の血管を貫くために、俺は淡々と刃を突き刺す。

 しかし彼女の死はまだ確定していなかった。


 何の偶然だろうか。

 短剣の軌道が逸れた。

 どこからか飛んで来た石が切っ先を掠めたのだ。

 余計な力を抜いて軽く握っていたせいで、短剣を手放してしまった。

 この仕事をしていると、予想外の偶然はどこにでもある。


 だからこそ確実に2手目を積み上げる。

 俺はすぐにベルトに取り付けておいた工具代わりの十徳マルチツールナイフへと手を伸ばす。

 精霊殺しを拾うことよりも、沙耶を殺すことが優先。


 今度は突きではなく、水平方向から斬りつける。

 しかし再び跳ねた上がった石が俺の手を狙ってきた。

 攻撃をキャンセルして、半歩だけ下がる。


 沙耶をナイフの間合いの外へと置き去りにしてしまったが、その分こちらの視野が広くなる。


 俺の得物目掛けて体当たりしようとしていた石が、ボールのように地面を跳ねて、追いかけて来る。

 拳よりも一回り小さな石ころに対して、強化した平手で迎え撃つ。

 邪魔な敵をいとも簡単に戦場の外へと追い出した。


 以前にも見たことのある現象。

 これは工藤凛花が霊峰で使った能力。

 無機物に意思を宿らせる固有魔法。


 彼女がここに来ているのだろうか。

 そうなると状況が大きく変わる。


 俺は周囲を確認するが、うずくまった沙耶、押し潰されている精霊、そして紫苑しかいない。

 その紫苑が立ち上がっていた。

 猫背になり、その視線は下がったままだが、体だけはこちらを向けている。

 彼女はまだ完全ではないが、立ち直りつつあるようだ。

 なりふり構わず沙耶の息の根を止める必要がある。

 しかし振り返るために上げた俺の足は、回ることなくその場でストンと落ちた。


『後輩君。お座り!』


 お座り、お座り、お座り。

 急に足が動かない。

 腕もだ。


 お座り、お座り、お座り。

 状況を分析してみるが、魔力で無理矢理抑えつけられている訳ではない。

 感覚器官に異常はないし、呼吸や循環器系に関わる筋肉も正常に動いている。

 しかし手足を動かそうとしても、強い抵抗力があって、震えながらゆっくりとしか動作しない。

 動かしたい方向と逆の筋肉が収縮している。

 どうも俺の中で別の意思が抵抗しているような感覚。


 お座り、お座り、お座り。

 どうやら洗脳系の術を受けている。

 一度疑い出してみると、頭の中で彼女の声が反響している。

 俺の魔法式を無効化して意思に介入してきたのは、幼少期に戦い方を教えたローズ、そして紫苑のペットのリルくらいだ。


 お座り、お座り、お座り。

 ゆっくりでも動くならば、対処方法はいくつかある。

 右頬の内側を上下の歯で挟む。

 あごに力を加えて、肉を噛む感覚と共に痛みが脳の大半を支配する。

 遅れて口内に血の味が染みわたる。


 改めて両手を動かそうとすると、俺の意思を忠実に再現する。

 術を解除できたようだが、状況は悪化していた。

 紫苑が顔を上げて、しっかりとこちらを見据えている。

 その瞳は息を吹き返していた。

 完全に振り切ったようだ。


 しかも彼女はこのタイミングでとんでもないカードを切ってきた。


「女狐が……何が唯一の固有魔法だ」


 対魔法使い戦において、抑えるべき点はいくつもあるが、そのうちのひとつは想像力。

 まだ見たことのない能力を予測することで、素早く対処する。


 さっきの跳ねる石は工藤凛花、そして俺を支配しようとした洗脳はリルの固有魔法。

 仮定に過ぎないが、おそらく紫苑は自身の眷属けんぞく達の能力を使える。

 たしかリルがNo. VIで、凛花先輩がVIIを名乗っていたということは、ひとつでも厄介な固有魔法が最低でも7個あるということか。

 そしてその中には沙耶を救う能力はないのだろう。

 俺に見せたくなかったとしても、いくらでもやりようはあったはずだ。


 現時点で優位に立つ紫苑の方から、接近戦を仕掛けてきた。

 ここに来て最初と同じ展開とは考えられない。


 伸びてきた彼女の腕を捌くのではなく、バックステップで間合いの外へと抜け出すことで確実な回避を行う。

 後方に下がったことで広がった視野の先で、紫苑の右手は拳ではなく、指を真っ直ぐに伸ばした手刀を作っていた。

 俺は直感の訴えに従って、届くはずのない打撃に対して、両腕でブロックを作る。


 彼女が振り切った手刀は完全に間合いの外での出来事。

 しかし俺の腕に痛みが走り、血が飛び散った。


 斬られた。

 どうやら不可視の鋭い斬撃を受けたようだ。


 風魔法ではない。

 もちろん単純な魔力で斬られた訳でもない。

 そもそも俺の肉体に魔法でダメージを与えるならば、分解抵抗が必須だが、紫苑にその技術はない。

 残された可能性は、単純な物理攻撃。


 おそらく草薙静流の能力。

 1度だけ彼女がゲーム画面のキャラクターを一刀両断したことを見たことがある。

 モニターを傷つけずに、斬るという事象を強要した。


 今回は手刀だったので、爪先で引っかかれたような切り傷で済んだが、もしニホン刀を使われていたら腕が切り落とされていたかもしれない。

 もし初見ならば回避できなかった。


 身体強化を応用して止血を行う。

 魔力を集中することで、自然治癒を早めた。


 次にどんな攻撃が飛び出てくるのか分からないが、魔法使い同士の戦いとはそういうものだ。

 本来ならば相手の出方を見るのが俺の基本スタイルだが、彼女の攻撃を無効化できないならば先手を打つしかない。


 やることは変わらず、沙耶を殺すだけ。

 俺は今度こそ振り返るのと同時にマルチツールナイフを少女目掛けて投げつける。

 これで命を奪うことは困難だが、陽動としては十分。


 戦いにおいて攻撃とは常に複数重ねるもの。

 今から魔弾を装填しても間に合わない。

 これで紫苑の残りの能力をあぶり出す。

 もし彼女が何もできなければ、投げたナイフがそのまま沙耶の息の根を止めるだけだ。

 投擲とうてきと同時に俺も走り出す。


 コンマ数秒の出来事。

 俺が沙耶の方へと振り返る直前まで正面にいたはずの紫苑が、目の前に現れてナイフを弾き飛ばしていた。

 移動の予兆が全く見えなかった。


 瞬間移動。

 もしくは転移魔法。

 知識としては聞いたことあるが、実際に見るのは初めての厄介な能力。


 驚いている間はない。

 拳を合わせずに紫苑を振り切りたい。

 走る右足を一度外側に着地させて、逆サイドの左に向けて蹴り上げることで、フェイントを交えて衝突を避ける。


 ディフェンスを抜いたのに、再び俺の前に紫苑が現れた。

 少なくともこの程度の時間と距離ならば、連続で移動できるようだ。


 直進していた俺に対して、カウンター気味に紫苑のストレートが弾けた。

 この戦いで初めて直撃を受けた。

 沙耶から離れた地面に叩きつけらたが、辛うじて受け身を取り、勢いを利用して立ち上がろうとする。


『立つな!』


 足が硬直する。

 しかし今度は左の口内を噛み千切る。

 警戒していたので、前回よりも無効化までのタイムラグが短い。


 膨大な魔力だけでも脅威なのに、物質操作、行動支配、斬撃の遠当とおあて、瞬間移動。

 どれもとんでもないチート能力ばかりだ。

 そして最低でも残り3つ。


 もし最初に斬撃や瞬間移動を使われていたら対応できなかった。

 紫苑には感情任せな一面と、捉えどころのないいたずら好きな一面がある。

 戦いの駆け引きでは、前者が前に出ており、真っ直ぐで素直すぎる。


 そんな彼女はカードの切り方があまり上手くない。

 俺の知っている能力から順番に出して、できる限り手札を残そうとしているようだ。

 いくら奥の手を見せたくないからとはいえ、そんな戦略では勝機を逸してしまう。

 もちろん弱いカードを優先的に使うのは悪くないが、それは勝てるカードの中から最弱を選ぶ場合に限る。


 殺し合いでは再戦など考えない。

 だから一撃必殺を目指すべきで、殺せるときに殺しておく。

 彼女はまだ試合気分なのだろうか。


 紫苑の足元に石ころが集まり出す。

 どれもが異なったタイミングで跳ねあがる。

 それらが沙耶への道を邪魔するように、防御の陣形を組み上げる。

 当たり前のことだが、そう簡単に残りの他の能力を見せないか。

 それとももうこの場で有用な能力が尽きたのか。


 目下、攻略すべきは転移能力。

 最悪沙耶を抱えて瞬間移動されてしまったら、俺には打つ手が無くなってしまう。

 しかし強力な能力なほど何らかの代償や弱点があるものだ。


 跳ねまわる石はこちらにやって来ない限り無視することにして、紫苑と対峙しながら構えを整える。

 これまでは隠して来たようだが、2度も使ったということは、今後必要に迫られれば簡単に使うだろう。

 そうなれば術を分析する機会が増すし、消耗を強いることができる。


 り足でじりじりと間合いを詰める。

 紫苑の方も迎え撃つことを選択してその場で待ち構える。

 何の障害もなく、腕を伸ばせば手が届く距離まで近づいた。

 意識しなくても呼吸音が聞こえるし、彼女の熱までもが肌から伝わってくる。

 互いの呼吸が深くなって重なったところで、俺達の間でゴングが鳴った。


 俺の右のアッパーカットを紫苑は左で防ぎ、彼女の右のフックをこっちも残りの左で対応する。

 紫苑は俺の拳を力任せに受け止めているが、俺は指で腕の軸を突いて軌道を逸らすことで無効化している。

 とりあえず引き分けだったが、改めて馬力の違いを思い知らされる。


 しかし今の紫苑には腕力だけでなく、切れ味の良い技もある。

 さっそく4本の指を真っ直ぐに伸ばして、手刀を作っている。

 外から内へと袈裟けさ方向に振り降ろそうとする刃に対して、俺はひじを上げて、彼女の手首に衝突させる。

 一瞬だが紫苑の顔に苦悶くもんの表情が浮かぶ。

 エルボーブロックは攻める側にも、防ぐ側にも痛みがある。

 それは魔力で強化した肉体でも変わらない。


 危険なように思える近接戦だが、これは手刀による斬撃封じに適している。

 殺傷力があり飛距離が不明という反則級の攻撃だが、魔法ではないので、腕を振る動作を妨害すれば防ぐことができる。


 さらにインファイトを選んだことには他にも狙いがある。

 振りぬけなかった手刀の反動を受けている紫苑に対して、俺は戻り切っていない彼女の手首を右手で引っ張り、さらに左わきで挟む。

 そして関節を本来とは逆の方向へと曲げようとする。


 立った状態での“腕十字固め”。

 武道における間接技は相手に降参を促すための技術だが、躊躇ちゅうちょできない実戦では、投降など想定しない。

 俺は本気でへし折るつもりで、彼女の腕を曲げる。

 しかし手応えを得る前に、握っていたはずの腕が突然消えた。

 何の脈絡もなかった。


 すぐ奥に現れた彼女は、俺に極められていたときと同じ姿勢で片腕が伸ばされていた。

 どうやら身体機能に頼った瞬間移動ではなく、空間を飛び越える転移の方。

 しかも俺が密着している状態でも発動できたことから、通常の魔法とは異なる仕様のようだ。


 俺の追撃を跳ねまわる石達が妨害しようとする。

 突破するのか迷ったが、無理をするのは止めた。


 自由に動き回るように見える連中だが、跳ねて移動するだけで行動パターンはとても単純のようだ。

 そう言えば工藤凛花の操る石ころは、足元からの奇襲がメインの役割だった。

 そもそも彼女は石に限らず、バットやぬいぐるみ、樹木さらには自身が造り上げたゴーレムなんかも操っていた。

 それに比べて紫苑が扱う石ころは、本当に意思に目覚めているのか怪しければ、術の扱いに工夫がない。


 改めて分析してみると、他の異能にも疑問がある。

 草薙静流の斬撃は抜刀の瞬間がまったく見えなかった。

 唯一聞こえた『カチン』という音すら、鯉口こいぐちを切ったときのものなのか、納刀のうとうのときのものなのか分からなかった。

 しかし紫苑は手刀の先端を延長したに過ぎない。


 リルが使った能力も幅広い異形を隷属して、追跡中の相手の情報をかき集めた。

 一方紫苑は俺の動きを止めることにしか使っていない。


 転移魔法に関しても、沙耶を連れてすぐに逃げることはできないようだが、オリジナルの騎士ならば可能だったのかもしれない。

 紫苑自身もそのことを理解しているから、使うことをできる限り控えていたのだろう。

 彼女はまだ魔法使いとしても、戦士としても未完成。


 おそらく紫苑はそれぞれの能力を使いこなせていない。

 それは単純な出力の問題だけではない。


 枠にはまらない固有魔法はとても強力だが、その多くだが何かしらの欠点を内包している。

 せっかく何年も研鑽けんさんを積んだのに、通用しない場面が必ずある。

 そのため近代では、汎用性の高い四元素魔法が主流になっている。

 故に固有魔法は、古典魔法なんて揶揄やゆされてしまう。

 それでも一流の使い手ならば、弱点を理解して上手く立ち回ることができる。


 俺の能力だって単純そうに思えるが、扱うために幼少期からローズの指導を受けている。

 ステイツのエージェントになってからも、軍事教練に参加しているし、実戦の中でしか培うことのできないものだってある。


 どんなに凄い魔法でも使いこなせていなければ、役に立たない。

 何事においてもだが、使えると極めるは異なる。


 ナイフの扱いひとつとってもそうだ。

 刃物の個性を把握し、間合い、四肢との連動性、対象の構造の理解、入りの角度など極めることが多い。


 そういえば先ほどの腕十字固めでも、気になった点がある。

 間接技から抜け出すためには倍近い力が必要だが、紫苑ならば力尽くでどうにかできたはず。

 咄嗟とっさのことで転移に頼ったのだと理由付けてしまった。

 そもそも複数の能力を使うようになって、体術どころか身のこなしが雑になっている。

 おそらく彼女にとっても慣れない不本意な戦闘スタイルに頼るしかなかったのだろう。


 ここまでネタが割れれば、もうこれ以上長引かせるつもりはない。

 彼女の操る跳ねる石達を狙って、腰元のワイヤーを鞭のようにしならせる。


 それだけで簡単にリズムが崩れる。

 ワイヤーによる攻撃を受けた連中は、再び跳ね上がることがなかった。

 目覚めたばかりの意思は、まだしっかりと定着していないようだ。

 こんなに攻略が簡単だとは。

 工藤凛花のトリッキーな能力だが、彼女だからこそ戦闘に取り入れることができたもので、他人が使ったところで同じ性能にはならない。


 俺の向かう先にいる紫苑の表情もかなり追い詰められている。

 張りぼての力がバレてしまったことを自覚しているのだろう。


 最短ルートで彼女との間合いを埋める。

 腕を伸ばせば十分に届く距離まで詰めるが、目の前の紫苑が消失する。

 彼女の視線の先を読んだ俺は、振り返りながら真後ろへと裏拳を繰り出す。

 手のこうが、転移直後の無防備な紫苑の後頭部を殴打する。

 彼女の身体は移動前と同じ方を向いており、せっかく俺の後ろに回り込んだのに、彼女自身は背を見せた状態。

 これではせっかくの転移のアドバンテージを接近戦で活かせない。


 俺と同じく紫苑も肉体を魔力で強化しており、バッドでなぐられても痛みを感じないほどだ。

 しかし転移後の不意を突かれた彼女の上半身が揺れた。

 やはり彼女は慣れない能力に振り回されている。

 俺は、不意打ちを受けてからまだ振り返えることすらできていない彼女を無視して、沙耶の方へと走る。

 小さなナイフを手にして、滑らないように刃の逆側のみねにあたる部分を親指で押さえる。


「後輩君。止まりなさい!」


 紫苑の声が追いついてきた。

 足が止まり、振り上げていた腕の力が抜けてナイフを落としてしまった。

 またリルの能力のようだが、大した時間稼ぎにもならない。

 今日1日で3回目ともなればもう大分慣れた。

 口内を噛み切らなくても、痛みへと意識を集中するだけで洗脳をキャンセルする。

 しかし術が解けても、足が動かない。


 最初に自覚したのは額から垂れてきた液体。

 右の視界だけが真っ赤になった。

 全身へと激痛が襲い、そのまま前のめりに倒れ、地面に手を突いた。


 終盤のこの局面で、新たな能力を使ってきやがった。

 痛みがあるのは確かだが、その由来が分からない。


 最初は額だけだったのに、体のあちこちが激しく異常を訴えている。

 地面へと垂れ落ちた血液が、俺の影のようなシルエットをかたどっている。

 冷静さを絞り出して現状を分析すると、いたるところに傷ができており出血が止まらない。


 外傷だけでなく、異常は内臓にも到達している。

 呼吸をしているはずなのに、必要な量の酸素がぜんぜん取り込めていない。

 筋肉は身体を動かそうとしているのに、けんが損傷しているのか、なかなか言うことを聞いてくれない。

 今は脳内でアドレナリンやエンドルフィンが溢れ出ていて、どうにか戦意を保てているが、一度気を抜いたら完全に動けなくなってしまう。

 何をされたのか自覚はまったくないが、これほどの負傷は今までの戦場で経験がない。

 もう全身のどこが痛いのか分からないほどだ。


 信じられない状況だが、幻と判断するのはあまりにも安易だ。

 術の正体は分からないが、おそらく呪いの類。

 騎士達の能力に俺の分解は通用しないようなので、何を仕込まれていてもおかしくない。

 事前に俺に負傷させるための条件を蓄積されており、一気にトリガーを発動したのだろう。


 四つん這いになって苦しみに耐えている俺を、紫苑が見下ろしていた。

 これじゃあ、まるで第9演習場での試合の最終局面と同じだな。


「後輩君。もう止めて」


 ここで止まってしまったら、何の解決にもならない。

 声帯を震わすたびに喉が痛むが、ゆっくりと発音する。


「だったら、サヤのことを……あきらめてくれますか」


 紫苑は小さく首を横に振った。

 彼女だって、現状が分かっていない訳ではない。

 この場を俺から守り通したところで沙耶を救うことはできない。


 今更、彼女の申し出を受けるつもりはない。

 貧血気味で頭がふらつくが、出血を引き起こしている表皮の傷はそれほど深くない。

 筋肉や腱が狂っていても、骨は無事のようだ。

 消化器系もいくつかやられているようだが、残りの時間戦うだけならば問題ない。

 残された魔力を一気に燃やす。

 俺の身体強化は常に安定したペースで魔力を消費するが、燃費を悪くすることと引き換えに出力を上げることができる。

 魔力を流し込むことで、傷口を閉ざし、動かない筋肉を呼び起こす。

 片膝を付いて立ち上がろうとする。


「お願い。もう立たないで。これ以上無理をしたら死んじゃうことは分かっているでしょ」

「紫苑どけ! 死ぬ覚悟も殺す覚悟も、俺はとっくにできている」


「どうして、私の言うことを聞いてくれないのよ!」


 満身創痍まんしんそういの俺を置いて、目の前の紫苑が先に泣き崩れた。

 泣いて頼まれたからって、心変わりするつもりはない。

 そもそも意見が対立したので、戦っているのだ。


 優位に立ちながらも戦意を失った紫苑は魔力による強化を完全に解除した。


 沙耶を殺したら紫苑に恨まれるだろうな。

 どちらにしても護衛任務の続行は不可能かな。


 後は沙耶の喉元に刃を振り下ろすだけなのだが、現実はいつでも厳しい。


『ウオォォォー!』


 紫苑が全ての魔力の維持を解除したことによって、抑えつけられていたヒト型の精霊が活動を再開した。

 したたかに待ち構えていた奴は、すぐに大剣を持ち上げると、真っ直ぐに紫苑を目指す。

 奴は自身の動きを封じていた彼女が1番の脅威だとはっきり理解しているようだ。


 今の紫苑では防ぐことができない。

 俺は残りの力を全て振り絞って彼女におおいかぶさる。


 咄嗟に体が動いたとか口にする素人の判断とは違う。

 理性も、感情も俺の身を差し出してでも彼女を守ることを選んだのだ。

 方針で対立していたとはいえ、俺にとって最も大事なのは紫苑の身の安全。


 俺の背中へと大剣が振り下ろされる。

 体格差でも、魔力の差でも防ぐことはできないと理解している。

 それでも条件反射によって右腕でブロックを作る。

 迫りくる大剣によって押しつぶされるその瞬間まで、はっきりと認識していた。


 ***

『おまけ』固有魔法“指輪の騎士達”(ここまでのネタバレなし)

1、最大10の騎士は、一生通して千に一つ、万に一つの可能性で辿り着ける限界へと到達する。

2、?

3、主人は騎士の能力の一部を共有する。共有した割合に応じて騎士側の能力が減弱する。

4、?

5、?


“紫苑の騎士達”(ネタバレなし)

No.I ガウェイン(かつての契約者、紫苑達の師匠)

No.II ?

No.III ?

No.IV ?

No.V ?(芙蓉と共闘経験あり? 張の情報をもたらした)

No.VI リル(異形を隷属する)

No.VII 工藤凛花(モノと対話することで、その意思を増幅する)

No.VIII 草薙静流(魔法を斬る? 斬撃を飛ばす?)

No.IX 空席(ヘル曰く運命を変える力?)

No.X 空席(ヘル曰く未来を切り開く力?)


 ***

『あとがき』

芙蓉と紫苑の戦いは本編では2回目ですが、コメディ回では何度もぶつかっていますね。

紫苑に並んで戦える芙蓉ですが、彼女と対峙できるのも彼だけでしょう。

地味な能力でも対魔法使いに特化した芙蓉に対して、いくつものチート能力があっても使いこなせていない紫苑。

2人の明暗が分かれる回でした。

今回は芙蓉優勢の展開でしたが、この戦いをきっかけに紫苑はますます成長することでしょう。


以下のおまけはネタバレですが、ストーリーの根幹に関わる部分はしっかり伏せております。


 ***

『おまけ2』固有魔法“指輪の騎士達”(ネタバレ小)

0、真なる王が自身の力を制約するために編み出した秘術。

1、最大10の騎士は、一生を通して千に一つ万に一つの可能性で辿り着ける限界へと到達する。目覚める能力は魔法に限らない。騎士の素質と願望の両方の影響を受ける。

2、騎士は能力を使い続けることで、限界を超えてさらに成長することができる。

3、主人は騎士の能力の一部を共有する。共有した割合に応じて騎士側の能力が減弱する。

4、騎士が指輪を返納する、もしくは死亡することで極めた能力は完全に主人のものになる。

5、主人が死んだ場合、騎士は任を解かれ、指輪は力を失う。ただし能力を極めた経験だけは残る。


『紫苑の騎士達』(ネタバレ小)

No.I ガウェイン

No.II ?(ソウルバースト:命の輝きを代償に膨大な魔力を得る。紫苑が常用している能力。並みの魔法使いならば1度の使用で廃人になる)

No.III ?

No.IV ?(因果反転:過去に与えたもしくは未来に与えるであろう苦しみの分だけ癒す。過去に与えたもしくは未来に与えるであろう癒しの分だけ苦しめる。今回芙蓉が最後に受けた能力。霊峰で蓮司の腕を治療したのもこの能力。闇鍋の段階で苦痛が仕込まれていた)

No.V ?(8年前にガウェインと共に紫苑を救出。芙蓉と共闘経験あり。張の情報をもたらした。砂漠までの移動を担当した)(転移能力)

No.VI リル(獣の王:異形を隷属する。同志マゾへの効力は特に強い。芙蓉との念話もこの能力の応用。紫苑もこの能力でベヒA娘とベヒB助と会話しており、芙蓉の表面的な感情を読むこともできる。テトラドの地下室の発見や、芙蓉と佐参の戦いを漏れないように隠蔽にも使っている)

No.VII 工藤凛花(万物調律:モノと対話することで、その意思を増幅する。モノによっては魔法に目覚める。能力が解除されてもモノには経験が蓄積される)

No.VIII 草薙静流(研磨の極み:研ぎ澄ますという概念に該当する事象を極限にまで高める。斬鉄、実体のない対象を斬る、斬撃を飛ばす、動きの敏捷性が増す、視線で相手をひるませる、集中力が増す等)

No.IX 空席(?:ヘル曰く運命を変える力)

No.X 空席(?:ヘル曰く未来を切り開く力)


芙蓉が直接会っていない人物もいますが、II, V, IX, Xはすでに登場しております。

III, IVはSSで登場させる予定です。

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