第4話 「邪魔だ! 消えろ!」

「俺の秘密を知ったからには生かしてはおかん! ここがおまえの墓場だ! ストーカー女! 何が何でもジャスティンは俺が守って見せる!」

「せっかくカッコイイ彼氏ができて、伝説の勇者の花嫁になれると思ったから、がんばって戦ってきたのに! クソッー! まさかホモ野郎だったと! 許せん!」

 伝説の勇者のホモ野郎と白魔法使いのストーカー女の戦いが今繰り広げられようとしていた。

「ガオー!」

 その時だった。村の周辺で悪さをしていた魔物の大群が現れた。

「邪魔だ! 消えろ! ジャスティン・ブレイク! 100連!」

「おまえたちの相手など私がするまでもない! タコで十分だ! いでよ! クラーケン!」

 俺とカトリーヌは必殺技を放つ。伝説の勇者と陸を進むタコの共演である。

「ギャアアアー!?」

「ギャオー!」

 あっという間に魔物の大群は一掃された。

「相変わらず強いな。さすが私が愛した男だ。」

「そういうおまえこそ、白魔法使いのくに召喚魔法だと? 邪道だな。」

「誰の性でこうなったと思ってるんだ!? これも全ておまえの性だ!」

「なに? どういうことだ?」

 俺にはまったく心当たりがなあった。

「おまえがホモ野郎だと知って、私の恋は終わった。片思いが華々しく散った瞬間、私の心は闇に飲み込まれ、私は暗黒白魔法使いになったのだ! クラーケンを呼ぶくらい朝飯前だ!」

「暗黒白魔法使い!? そうか!? 俺に振られた女は闇の世界に落ちるのか!? 俺ってなんて罪深いんだ!?」

 伝説の勇者は女を闇の世界に葬るのだった。

「このナルシストホモ野郎! 今度こそ殺してやる! いでよ! ダイオウイカ!」

 クラーケンに続き、ダイオウイカも召喚された。

「なんで触手系ばっかりなんだよ!? この変態ストーカー女!」

「タコもイカも傷ついた私の心を慰めてくれた。なんて可愛い奴らだろう。」

「やっぱり変態だ! こうなったら俺の奥義ジャスティン・ブレイク1000連で勝負をつけてやる!」

「やれるものならやってみろ! おまえのホモな精神を浄化してくれる!」

 ついに伝説の勇者と白魔法使いの戦いが始まろうとしていた。

「おーいー! セシル!」

 その時だった。セシルを心配した神父のジャスティンが現場にやって来た。

「ジャスティン!? なぜ!? ここに!?」

 俺は一瞬の隙が生まれてしまった。

「チャンス! くらえ! 浄化魔法! パリフィケーション!」

「しまった!? ギャアアアア!?」

 カトリーヌは俺に浄化魔法を打ち込んでくるのだった。

 つづく。

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