第22話最古のクエスト
「ちょっと俺は気になることがあるからギルドにいく。みんなにはクロノスから伝えておいてくれ。」
「主よ。何かあるのか?」
「シャトーの最上階に来たのは意味がある。この部屋。つまり俺の部屋に古文書籍が置いてあると聞いてな」
「というとどうなるんだ?」
「この国。いやこの世界の歴史が知りたくてな。気になるところがあるから聞きに行くだけだよ」
「それなら我からみんなに伝えておこう」
「んじゃ行ってくる」
ギルド到着
「すみません。ギルド担当者の方で歴史に詳しい方いますか?」
「私は基本的にクエストに関してなら昔のことも分かりますよ」
「んじゃお姉さん。古代クエスト。つまりこの街でまだ誰もクリアしてないクエストを知りたい」
「古代クエストですか…簡単に言うと黒龍。白龍。そしてそれら二体の龍の主。金龍。これら三体の龍の討伐のことですね」
「シャトーの本のことは事実ってことか」
「クエスト難易度は設定されてるのか?」
「まず黒龍一体だけでも腕利きの冒険者や魔法使いが1万人いたとしても倒せないとされています」
「そんなに難しいのか…」
「白龍も同様ですが金龍に関しては未知数です。この世界で倒せたものがいませんしなにより白龍や黒龍ですら傷1つ付けられなかったそうです」
「なるほど…弱点はないのか?」
「弱点はないらしいです。龍ですから翼を落とせば飛べないらしいですが昔の伝説の剣士でも落とせなかったと聞いてます」
「伝説の剣士ねぇ…」
「んで歴史的にはそいつらいつからいるんだ?」
「少なくともこの世界が誕生してからずっと。もしかするとその前からいるかもしれません」
「衰えないのか?」
「龍の寿命はありません。衰えないでしょうね。」
「もしもそれを一体でも倒したら報酬はどうなる?」
「リリーラの街からではなく国から特別報酬として莫大なお金やお城などが送られると聞いてます。」
「随分と高いな…その他は?」
「国王からの感謝状や。その他どの町でも宿泊や食事にお金がかからなくなる特例があるらしいです」
「なるほどな…俺の実力は知ってるよな?俺がどんな戦闘をするかも」
「はい!この街では話題のパーティですからね」
「神の力でも難しいか?」
「正直に言うと神を従える方は初めてなのでなんとも言えません」
「まぁそりゃそうか。質問を変える。俺は日本って国からここに来たんだが。戻る方法はないのか?」
「もし金龍を倒したとしたら可能かもしれません」
「どういうことだ?」
「これも言い伝え程度ですが金龍はこの世界の創造神とも言われています。金龍の力で元の世界へ戻すことは可能かもしれません」
「確実なのか?」
「言い伝えですよ。そもそも黒龍白龍に近づいた賢者や勇者も数人。まだまだ分からないことが多いのです」
「それが古代クエストか?」
「はい。これは各町やギルドに国から依頼されてるものなので」
「つまりこの国。この世界の悲願って訳か?」
「そうですね。リリーラは小さな街ですがこの国自体はとてつもなく広いのです。その悲願ですね」
「まぁ策はある。古代クエストとやらはいつか俺がクリアしてみせる。というか俺と奏の目的は元の世界に戻ることなんだ」
「それでしたら古代クエストのクリアが必須です。難易度も分からないので星の表記はありません」
「元の世界に戻るには古代クエストを受けて金龍を倒さないといけないのか…」
「はい。申し訳ないですがそうなります」
「お姉さんいつもいるけど。この事はパーティメンバーには隠しておいてくれないか?」
「いいですけどどうしてですか?」
「あいつら。特に奏はこんなに困難なクエストと知ったら落ち込むだろう。頼むよ」
「わかりました!では内緒にしときますね」
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