第9話 最弱の剣士と呪われた魔剣
「ったく。翔も厳しいよなぁ…俺はてっきりこの金貨2枚で遊べるかと…」
トリートは武器購入費用に使えと言われた
金貨2枚を見つめていた
「てか金貨2枚で買える武器って普通のやつしかないんだよなぁ」
「ん?魔剣専門店?見たことないな…入ってみるか」
「店の人の挨拶もない…不気味な所だな」
「ここは呪われた魔剣しか扱ってないぞ兄ちゃん」
「呪われた魔剣?」
「そうさ。魔剣は本来作るのが禁止されている。それでも強い武器を求めて作られるが必ず呪わいがかかっている」
「どうしてそんなことに?」
「んまぁ簡単に強くなりたいやつが作るんだが呪いで冒険者をやめちまうやつが多くてな。それで買取をしてるんだ」
「(簡単に強くなれる?それって…俺にとって最高の武器では!?)」
「兄ちゃんもさっさと出てったほうが身のためだぜ」
「おっちゃん。この店で1番強い魔剣をくれないか?」
「それだけ呪いも強いぞ?いいのか?」
「あぁ。構わねぇ!」
「店には出してないんだがこれだ」
「七星剣じゃねぇか」
「そうだ七星剣だ。ただ呪われた魔剣だ」
「どんな呪いなんだ?」
「持ったものの体力を奪いそれを力にする。1太刀で100人は吹き飛ばせるらしいが」
「それいくらだ!金貨2枚で買えるか?」
「こんなもんに値段なんてない。使いたいなら無料でいいから引き取ってくれ。そのほうがありがたい」
「無料!?分かった!それにする」
「呪われた魔剣かなんか知らねぇが俺も強くなるぜ!」
「兄ちゃん…気をつけてな…毎度」
「七星剣が無料で手に入るとは…」
「金貨2枚余っちまったな…翔にどう使うべきか聞くか」
「リュグベルが用意した宿はここだな」
「まぁ広い部屋取ったもんだ」
「翔ー!いるか?」
「なんだ?そんなデカい刀買ったのか?」
「これは呪われた魔剣らしい。七星剣だ。無料で引き取ったのさ」
「お前魔剣って…しかもこの七星剣…まじないがかかってる…」
「まじない?そんなこと店の人言ってなかったぞ?」
「言う訳ないさ。このまじないは誰も解けない。そしてこれは血液を奪うまじないだ」
「血液を!?」
「そうだ…握ればわかるが七星剣の各星ごとに血液を蓄えて力にするようだ」
「体力が奪われるとは聞いてたがそーゆーことだったのか…」
「俺はアマテラスのお面の最終段階に入る。まじないをかけるんだ。あとは奏達と合流して話してこい」
「あぁ…忙しいとこ悪いな。合流してくる。翔もこいよ!」
「終わったらすぐいくよ」
「リドル。聞いてくれよ。この七星剣。呪われた魔剣なんだよ」
「トリート…お前弱いからってそんなもんに手出して大丈夫なのか?」
「これで俺も戦闘要員さ」
「トリート。その刀どうしたの?やけにいいの買ったじゃない」
「奏!同じ剣士としてこれから頑張ろうな!」
「それ七星剣でしょ?金貨2枚じゃ絶対買えないわよ」
「無料なんだ…」
「リドルとの会話で察してると思うがこれは呪われた魔剣なんだ。」
「魔剣って…いいわ。死んでも生き返られるし」
「どーゆーことだ?」
「翔から聞いてない訳?今作ってるアマテラスのお面は天の神様なのよ。つまり人を再生させることも出来るってわけ」
「翔のお面職人ってなめてたけどあれチートだな…」
「んでなんでまたそんなもん作ってるんだ?」
「トリートの為よ…いつか庇いきれなくなって仲間を失うことはしたくないってさ」
「あいつ俺の為に…俺本気で頑張るよ」
「でも魔剣じゃ練習も出来ないわね」
「いいさ。ぶっつけ本番だ。俺らしいだろ?」
「リュグベル!俺は金貨2枚余ったんだ。これからパーティの資金はいろいろかかるだろう。サポーターのリュグベルに預けてもいいか?」
「私は構いませんがほんとによろしいのですか?」
「あぁ。翔が俺の為にやってくれてるんだ。俺も少しは役に立ちたい」
「それなら預かっときますね」
「ちなみにここ広いけどいくらするんだ?」
「パーティ割引込で一日1000コインよ」
「確か金貨10枚貰ったから50日は滞在出来るのか」
「そうだけどずっといる訳にもいかないし明日からまたリドルと奏はトレーニングにいくわよ」
「とりあえずアマテラスのお面が出来るまでクエストには行かないってことか…」
「ヒーラー。つまり回復術の使い手は探さなくていいのか?」
「それはサポーターの私がある程度できるし回復アイテムもあるから」
「なるほどな…今日は寝るかみんな」
最弱の剣士に最強の魔剣が装備された日
そして翔はアマテラスのお面を
完成させたのであった…
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