魔族リリスティアの洗脳眷属化計画

小鳥遊凛音

魔族リリスティアの洗脳眷属化計画

私の名前はリリスティア・・・リリスティア=カーマイオーネって言うの!

人間の頃は姫騎士としてある国を守っていたの!

でも魔族が攻め込んで来て私の国は滅ぼされてしまい、復興させる為に両親と懸命になって建て直し、その後、両親が他界してしまい、私は1人で小さな国を背負ってたつ事になる。

そして再度魔族が攻めて来て私の国はまたしても滅ぼされてしまそうになり、魔族たちと戦い、再び復興に向けて再建して行ったその時だった・・・

リリスティーと言う魔族が攻めて来たの!

でも、今迄の魔族とは明らかに違った手段を用いて攻めて来たの・・・

それは・・・人間を殺さずに支配すると言う方法だった・・・

私はまんまとリリスティーの洗脳術に掛かってしまい1月程で魔族化させられてしまった・・・

それ以来私はリリスティー様をご主人様として称え、共に行動する事となったの・・・

でもある日、人間界へ支配しに行かれたリリスティー様は連絡を途絶え帰って来られなくなってしまったの・・・私の中の通信手段も全く応答が無くなり、殺されてしまったのだと感じたのだった・・・

以降は、私が魔界を統一し、人間界を・・・本当はリリスティー様を倒した人間を直接この手で射止めてやりたかったけど・・・リリスティー様のご意志を引き継ぐ私は殺さずに洗脳を持って私がされたみたいに人間界を支配する事を誓ったの・・・




「リリスティー様!本日はどの様なスケジュールになさいますか?」


「そうね・・・ちょっと人間界へ行って軽く仲間にして何人か連れて来られたら良いなって考えてる!・・・ここの所人間界でも不審な動きが目立つ様になったからね!」


「ははぁっ!!どうかご無事のご帰還をお待ち申し上げております。」


「じゃぁ、着替えてから行って来るよ!」




私の直属の奴隷たちが何百人もいるんだけど、皆人間界からかっさらって来ちゃった♪

もう今では完全に私の奴隷根性が染み付いているから安心して魔界を任せられるわね♡

食事も終えて出掛ける事にした私が人間界のある対魔師と呼ばれる組織のある街へ出掛けた・・・魔族と対魔師は犬猿の仲!魔族は対魔師に手こずらせられ、対魔師も又魔族たちに手こずらせられる・・・普通の人間たちはあっさり洗脳されて私たちの仲間になってしまうからあまり面白く無いけど、対魔師を洗脳するのは少々難しくてやり甲斐があるのよね♪

今日はどんな対魔師を堕とそうかしら?






「おはよう♪今日も頑張ろうね?」




私の名前は黒澤 彩花・・・ごく普通の高校生をやっているんだけど・・・

裏では対魔師として活動しているの!

数年程前から人間界に魔族が転送されて来て支配している大変な状態になっていて、それも殺さず、自分たちの仲間として洗脳する少々悪質なやり方で攻めて来る様になったの!

普通の人間だと簡単に洗脳されてしまうんだけど、私の様な対魔師は能力があって、対抗出来る唯一の立場でもあるの!

だから貴重にされている対魔師を魔族たちが攻めて来た時には出動させて対立させている!

最近少し落ち着いているかなと思っているんだけど、またいつ現れるのか分からないから油断は出来ないわっ!




「彩花?・・・どうかした?考え事?」


「えっ!?・・・ううん!大丈夫だよ!学校終わったらパフェでも食べに行く?」


「それいいね!!うん!私行くよ!楽しみにしてようっと!」




私が対魔師だと言う事は学校の皆には秘密にしているの!

あまりこの手の事を他人に言ってしまうのは良く無いから!






放課後・・・




「彩花!どこだっけ、お店?」


「中央公園の直ぐ側だったよ!」


「そうか・・・私あっちの方あまり行かないから土地勘無いんだよね・・・連れて行ってよ♪」


「うん!じゃぁ行こっか?」




大体放課後は皆で一緒に軽く遊べる場所へ行ったりこの様な感じで少し寄り道したりする!

今日はパフェだから家の方角にあるから少しだけゆっくり出来そう・・・

公園の直ぐ近くにあるお洒落な喫茶店だから楽しみ♪




「ねぇ、彩花?中央公園って結構広くて大きかったよね?・・・昔一度だけ行った事があった気がするんだけど・・・」


「そうだよ!かなり広いから1日中遊んでも飽きないよ!あっ、そうか土地勘無いんだよね?帰りとか大丈夫そう?なんだったら駅迄送るけど?」


「いや、大丈夫!今の携帯を侮るなよ~?」


「あぁ・・・そうだね!本当便利だよね♪」


「って言いながら歩いていたら着いたよ?ここが今日のお店♪お洒落でしょ?」


「ほほぅ~!これはこれは実に女の子にうってつけな・・・流石彩花と言うか・・・」




そうしてお店に入ろうとした瞬間大きな悲鳴が上がった!!声の方角的に公園!?




「彩花?今の悲鳴って?・・・」


「うん、公園の方からみたい!」


「警察呼ぼうか!?」


「ううん!あの悲鳴からすると警察では無理かもしれない・・・加奈は、隣の喫茶店の中の人を出来るだけ遠くへ逃げさせてあげて!それから加奈も一緒に・・・」


「そんな!・・・それだと彩花が・・・」


「私は大丈夫だからいいから早くしないと・・・!!」


「わっ・・・分かった!私は皆を避難させるわ!彩花・・・逃げてね!!私・・・あなたがいないと・・・」


「大丈夫!私は結構こう見えて鍛えているから!だから早く!!」


「うん!・・・駅で落ち合おうね!」




三神(みかみ) 加奈(かな)・・・私のクラスメイトでごく普通の女子高生だけど、しっかり者でこの時も私が言った事を直ぐに把握し皆を遠ざけてくれた!私にとって信頼出来る友人!




さて・・・公園で悲鳴を上げていた人を助けないと・・・恐らくこの状況から察するに敵は魔族!・・・早く助けないと!!




「ほら・・・お姉ちゃん?直ぐに私の仲間にしてあげるから?」


「いやぁぁぁ・・・止めて・・・・」


「私の手をお姉ちゃんの綺麗なお顔に被せる様にしてぇ・・・」


「止めなさいっ!!その人を放しなさい!!!」


「誰だっ!?・・・って(ニヤリッ♡)ようやく登場してくれたね♪私が本当に探し求めていた対魔師だっけ?」


「先に御見通しって訳?・・・って事はその人じゃなくてターゲットはこの私って事か・・・」


「そうそう♪ご名答♪・・・さて、このお姉ちゃんは少し眠っていてもらおうかな?」




♪パァァァァァァァァァ




「うっ・・・急に眠気が・・・zzzz」




♪パサッ・・・




「殺さないって言うのはどうやら本当の事だった様ね?」


「そうだよ?これはリリスティアのご主人様のご意向だからね!でも私たちの仲間になってもらうけどね?」


「ふ~ん・・・それも本当だったんだ!?・・・でも簡単に行くなんて思って無いでしょうね?」


「勿論だよぅ~♪だって普通の人間だと簡単に攻略出来過ぎてつまんないんだも~ん♪だからぁ♡」


「私たち、対魔師に手を掛けようって魂胆ね!見え見えなのよっ!」


「う~ん!お姉ちゃん頭が冴えてて仲間にしたらかなり助かるかも♡」


「言っておくけど、私はあんた達の仲間なんかになる気がサラサラ無いから!!」


「だよねぇ~?そう来るとは想定済みだったけど・・・最終的にお姉ちゃんは私のモノになるんだよ?」


「気持ち悪い!私がどうして魔族なんかの仲間にならなきゃならないのよ!!」


「仲間ってさっきから言ってるけど・・・その表現は少しだけ違うかな?」


「何が間違っているって言うのよ!?」


「だって、リリスティアたち魔族が施す洗脳で変えられた人間たちは、魔族の「奴隷」って扱いだからぁ~♡仲間なんて横並びな立場じゃないんだよ?」


「うぐっ・・・どこ迄人間を愚弄するつもりなの!!尚の事あんた達のモノになんてなってやるものかっ!!」


「う~ん♪私が目に付けた人間たちは今の所100発100中なんだよ?勿論その中にお姉ちゃんたちの様な対魔師って職業の人間もいたよ?皆最後はね?・・・ニヒヒ♪」


「うわっ・・・気持ち悪っ!?・・・あんたその気持ち悪い笑い方止めてくれない?憎悪がするのよっ!!」


「あぁ♪最初だけだから?・・・その内リリスティアがする全ての行いに対して敬意を払う様に作り変えられるから♡お姉ちゃんみたいなツンデレさんが変わり果てる姿・・・楽しみだな♪」


「誰がツンデレよっ!!ツンはあってもデレは絶対~にっ!!無いっ!!」


「でも、最近のリリスティア、思惑通り過ぎて少し面白く無いからお姉ちゃんはジワジワと洗脳して行こうかなって思ってるんだ♪」


「うわっ!!ドン引きするんだけど?・・・何?そのジワジワって・・・ジワジワなんて無いから?」


「う~ん?洗脳ってね?自分が気付かない間にされるから効果が現れているのか掛かっている側は気が付かない事が当たり前♪・・・ひょっとするとお姉ちゃんももう既にリリスティアの洗脳術に掛かっちゃっているかもね?」


「なっ!?・・・何ですって!?・・・そんな事ある訳ないでしょっ!!」


「ニヒヒヒヒ♪な~んてね?・・・そんな訳あるはずないよね?だってまだリリスティア何にもしてないんだもん♪」


「あんた!いい加減にしないと退治するわよっ!!・・・※△■◎×□∴〇◇●▽!!」




♪キュピーーーーーーーーーーーン




「わっ!!・・・お姉ちゃん、意外と積極的なんだね!!リリスティアちょっとビビっちゃった!!でも・・・・・▽●◇×▼◎■!!!!!!!!」




♪バァァァァァァァァン!!!!!!!!!!




「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!・・・うっ・・・何!?今の威力・・・!?」


「あぁ・・・ちょっと強くし過ぎちゃったか・・・ごめんね?お姉ちゃんその術ってもしかして全力?」


「そんな訳無いでしょ!?私を見くびるなっ!!」


「そうだよね♪・・・今のが最大の力って言ってたら対魔師なんて務まらないよね?」


「何をっ!?・・・どう言う事よっ!?まだまだ私の方が強いですって事?」


「ふふ~ん♪・・・だって今の力でリリスティアの全魔力の100分の1しか使ってないんだよ?これ以上弱く出来ないよ?」


「何っ!?・・・今ので100分の1!?・・・」


「そうだよ?本当は魔族は人間界を滅ぼす事なんて容易い事なんだもん!でもリリスティー様のご意向だから仕方無いよ・・・で~も♪・・・あまり調子に乗ってるとお姉ちゃん?殺される寸前になっちゃうよ?」


「ひっ!?・・・そんな・・・脅しで私が乗るとでも?・・・」


「その・・・「ひっ!?」・・・って何?・・・もしかして怖気づいてしまいそうになったのかな?どう?一度今の10倍の攻撃受けてみる?」


「やっ!?・・・やれるものならやってみなさいよっ!!あんたの攻撃なんて私の全力を持ってすれば軽~く・・・ひぃぃぃっ!!!!」




♪ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン




「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」




「もう~?生意気なんだよ!怖いなら怖いですって言えよ?このマゾがっ!!」


「ひぃぃっ!!急に口調が・・・」


「もう、おめぇみてぇなのが一番面倒っつぅかさ?本当はマゾなんだろ?私みたいなのに支配されるのを心の底では悦んで待ちわびている・・・でも表面の顔がどうしても邪魔すんだよ!?・・・それが私は大嫌いなんだよぅ!!」


「こっ・・・怖い・・・です・・・ごめんなさい・・・」


「おせぇんだよ!もっと最初から怖気づけよ!!こんな容姿で可愛いから舐めて掛かってんだろ?対魔師って言っても所詮ガキなんだよ!!」


「でっ!?・・・でも・・・」


「口答えすんなよ!!私が手前ぇがガキだっつってんだから素直に認めろよ!!お前、私の事幼女だとかガキだって思ってんだろ?」


「でも・・・姿が・・・」


「私はな・・・1つの国を守っていた元、姫騎士・・・人間だったんだよ!!お前より遥かに昔にな!!生まれてんだよ!!」


「そんな・・・元人間?・・・」


「あぁ!リリスティー様って言う偉大なご主人様が私を洗脳して頂き今の私があんだよっ!!」


「そう・・・だったの!?・・・」


「分かったか?・・・偉そうな面する前に歳上には敬意を払うのが当然じゃねぇのか?人間ってのはよぅ~?」


「はっ・・・はい・・・その・・・ごめんなさい・・・」


「分かったか!?今日はこの辺で引いてやるが、次に会った時又さっきみたいな態度を取ったら分かってるよな?」


「はい・・・・分かりました・・・もうあの様な・・・生意気な態度は・・・取りません・・・だから・・・だからどうか・・・」


「じゃぁ帰るよ!・・・じゃあね?私のお・ね・え・ちゃ・ん♡」




♪パァァァァァァァァァァァァァァァァァァ




そう言って魔族リリスティアは消えた・・・

あれ?私なんで恐怖に怖気づいてしまっていたんだろう?・・・それに最後の方なんてまるで・・・奴隷!?・・・




ニヒヒヒヒ♪第一段階は成功♪・・・まぁこれは洗脳と言うより脅しで恐怖心を植え込んであげただけみたいに見えるかもしれないけど・・・実は魔術を少~しばかり採り入れてるからお姉ちゃんは次にリリスティアと会った時は無意識に敬意を払って私に語り掛けて来るだろうな♪楽しみだな~♪






その後加奈と再び落ち合った・・・




「彩花!!大丈夫?怪我は?」


「えっ!?・・・あぁ!大丈夫だよ!ごめんね、色々と手伝わせてしまって・・・」


「そんな事はどうでも良いよ!彩花さえ無事なら!私は・・・」


「私はこの通りだよ!ほら?全然何とも無いって♪」


「良かった・・・本当に・・・・・でも襲われていたっぽい悲鳴の人は?」


「その人も無事よ!敵は殺したりしないから安心して!・・・ただ少々厄介な事に・・・」


「そうなの!?・・・彩花?・・・でももうあんな無茶しちゃダメだよ!彩花だって普通の人間なんだから!?」


「えぇ・・・ありがとう!気を付けるよ・・・」




この時、既にリリスティアによる洗脳の第一段階が達成されていた事にこの時の私は自覚すら出来ないままであった・・・




数日が過ぎて、依然魔族たちの動きは見えなかった。

私も前回リリスティアに襲われそうになっていた事を少しずつ忘れそうになっていた・・・




「ねぇ、彩花?昨日テレビのニュースで女の人が襲われたみたい・・・この間のあの人みたいな感じじゃないかな?・・・何だか怖いね・・・」


「えっ!?・・・昨日はちょっとテレビを観ていなかったから知らなかったよ・・・それでどうなったの?」


「うん!どうやらその人は消えちゃったみたい・・・襲った奴が連れ去ったんじゃないかな?」


「そう・・・なんだ・・・」




又、奴が!?・・・一体どれだけの人間を襲えば気が済むって言うのよっ!!

リリスティアとか言ったけど・・・元人間って言ってたよね・・・!?

私はリリスティアの事について調べてみる事にした。

一体何者なのかを・・・だがリリスティアについて記された書物は一切無かった・・・

あらゆる所を私は探していたけど・・・

リリスティアって何処かの国を治めていたって言ってたな・・・

私は原点に戻り学校の図書室で考え込んでいた。すると・・・



「リリスティア=カーマイオーネ・・・元クリスティア=カーマイオーネ・・・カーマイオーネ国の国王を両親より引き継ぐが、魔族の手に寄って数度の崩壊の下、再建復興を目指し1人だった当時のクリスティアは、たった10年経たない内にほぼ復興が完成に近づいた・・・だがその時にリリスティーと言う魔族が現れ対戦するもリリスティーの魔の手に堕ちてしまい現在の姿であるリリスティアとなり魔界の王となった・・・」


「誰っ!?・・・って加奈?・・・どうしてその事を!?・・・」


「様子は見させてもらっていたけど・・・彩花?あまり深入りしない方が身の為よ?」


「加奈?・・・あなたまさか!?・・・対魔師?・・・なの?」


「その様子だと、やはり私の思っていた通りあなたも対魔師だったみたいね!」


「そんな・・・まさか加奈が対魔師だったなんて!!」


「その様子だと、やはり私の思っていた通りあなたも対魔師だったみたいね・・・と言うのは建前でのセリフ・・・本当は私はあなたの護衛を任されているの!ここ迄来ちゃったからあなたには本当の事を言うわね・・・」


「えっ!?・・・私の・・・護衛?・・・どう言う事?」


「今、図書室には何名かの生徒がいるわよね?」


「えっ!?・・・うん・・・放課後と言っても割と人が多いからね・・・」


「でもほら?辺りを見て?」


「うん・・・えっ!?・・・どうして?・・・今迄結構人がいたはずなのに・・・誰もいない・・・」


「結界・・・対魔師として魔族と交戦する時に必要とするわ!・・・あなたは対魔師として訓練を積んで来たけれど、まだ足りないの・・・いわば見習い扱い・・・あなたが対魔師としての能力が開花した頃から訓練して強くなっている事は認めるわ!・・・けれど、まだあなたは完全な対魔師としての力が開花し切れていない・・・その様な状態で万が一魔族が現れて交戦状態になってしまってはあなたが敵にやられてしまう・・・そこで私が影から支援する事を仰せつかったの・・・」


「加奈が!?・・・対魔師で、私の護衛を依頼されていた!?・・・」


「今迄黙っていた事についてはお詫びをするわ。けれどそれを知られてしまってはあなたは色々と辛い思いをする事にも繋がると思いこの事は時が来れば何れ話をするつもりでいたのだけれど・・・」


「じゃぁ、加奈の方がずっと対魔師としての時間は長いの?・・・」


「ごめんなさい・・・私は実際は高校生では無いの・・・丁度リリスティアと同じ年齢になるわね・・・能力で今はこの様な姿をしているけれど・・・」


「そう・・・だったのですね・・・色々と大変だったでしょうが、私なんかの為に今迄ありがとうございました。」




自分を守ってくれていたのに何故か私は少しだけショックだった・・・

それはきっと、親友だと思って付き合って来た人が私とは違う世界の人間の様に見えたから・・・対魔師としても大先輩だったんだ・・・一緒に遊んだり出掛けたりしていたいつも私の隣にいてくれていた加奈だったのに・・・




「けれど・・・私は・・・彩花の事を大切な親友だと思っているよ?」


「えっ!?・・・それってどう言う?・・・」


「勿論今迄の付き合いの延長線上だと考えているから・・・こんなおばさんじゃダメかな?・・・」


「・・・・・・・・・・・ううん!こちらこそこれからもよろしくお願いしますね?」




私は心の中のモヤモヤが少し晴れた気がした・・・それは、私が考えていた事を加奈が悟ってくれていたみたいに思えたから・・・

私がどう言う気持ちで、加奈の事をどの様に思っていたのかを分かってくれていたみたいで・・・






翌日、休日だったので私は一人で出掛ける事にした。今日は1人でいたい気分だったから・・・

対魔師のお仕事は特に連絡が来ない限り日常生活を送る感じ・・・

特にまだ完全に覚醒していないとされる私の様な立場の人間だと尚の事・・・

加奈・・・きっと今もお仕事なんだろうな?・・・

あの後「今迄通りタメ口で親友として話をしてくれて構わないから・・・」

って言ってたけど・・・実年齢はともかく、私より遥かに歳上なんだしタメ口なんて叩けないよね・・・気を使うな・・・そう・・・タメ口・・・生意気な口を利いてはいけない・・・歳上に対して・・・




「何っ!?・・・今、妙な違和感が!?・・・タメ口?・・・生意気な口?・・・そっ!?・・・そうだ・・・リリスティアが言っていた言葉・・・!!」




私は突然リリスティアが言っていたあの脅された日の事を思い出してしまった・・・

どうしてこんな時に!?・・・怖い・・・怖いよ・・・

そう思いながら家に戻ろうとした時、この間の公園の前を通り過ぎようとした・・・その時だった!!




「あれぇ~?お姉ちゃん?スルーしちゃうのぉ~?リリスティアここにいるのにぃ~?」




聴いてはいけない声が聴こえて来た・・・それもこの間あった出来事と全く同じ場所!?

「中央公園」

嫌だ・・・嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ・・・帰りたい・・・早く家に帰りたい・・・




「少し効果を上げ過ぎちゃったかな?・・・じゃぁ・・・♡」


「お・ね・え・ちぇ・ん♪私の目を見て?」




一瞬にして私の目の前へ移動して来たリリスティアは私の瞳を覗き込んでその様に述べた・・・すると・・・




「あれ?・・・怖く・・・無い!?・・・」


「でしょ?・・・これがリリスティアの魔力の1つ♪・・・この間の洗脳では少し強力にし過ぎちゃったみたいだったから効果を少しだけ弱めたんだ♪どう?もう怖くは無いよね?・・・でもぉ~♪どう?リリスティアと会話出来る?」


「えっ!?・・・あっ!?・・・はい・・・大丈夫・・・みたいです・・・」


「そう?・・・なら良かったよ!・・・リリスティアお姉ちゃんに嫌われちゃうの怖いからさ?一緒に仲良くしようよ?」


「仲良く?・・・どうして?・・・人間界を支配して奴隷にするんでしょ?・・・それなのにどうしてあなたたちと仲良くしなきゃいけないんですか?」


「あらら~?・・・生意気とは言い切れないけど少~しばかり素面の時の状態が戻っちゃってるね?・・・まぁいいか♪・・・今日はね?お姉ちゃんに洗脳第二段階をプレゼントしようかなって思って♪」


「洗脳第二段階?・・・おっ・・・お断り致します。」


「そんなぁ~♪遠慮なんて不要だよ?お姉ちゃんとリリスティアの仲じゃない?」


「いいえ・・・私は対魔師・・・あなたとは敵対関係・・・決してその様な事は受けません!」


「でもお姉ちゃん♪み・な・ら・い・・・でしょ?」


「どうしてそれを!?・・・」


「リリスティアはねぇ~♪こう見えて結構勉強家なんだよぅ~?・・・気になる女の子の情報は色々と調べているの♪勿論お姉ちゃんの事もだよ?・・・黒澤 彩花お姉ちゃん?」


「うっ・・・気持ち悪いです・・・それってストーキング行為じゃないでしょうか?」


「う~ん?そうかな?・・・それ以上の事だってしてるのに?・・・その程度で許してくれるんだぁ♡」


「あなたの考えている事が全く分かりませんのでこれで失礼させて頂きます。」


「だ~めだよ?ほら?周りを見てみて?さっき迄人が結構いたよね?この辺り・・・でも?・・・ほら?どう?今の様子?」


「えっ!?・・・誰も・・・いない?・・・」




リリスティアが言った言葉・・・前にも聞いた様な気が・・・そうだ!!加奈が図書室に張った結界の時にも・・・




「どう?リリスティアの結界♪・・・これ好評なんだよ?皆リリスティアが張った結界で生まれ変われるんだけど・・・皆、又受けたい受けたいってせがんで来るんだ♪」


「何?・・・その生まれ変わるとかせがむって?・・・私には分かりません・・・」


「ねぇ?お姉ちゃん?もう気付いているかもしれないけど、お姉ちゃん既に無意識でリリスティアに敬語で話掛けているんだよ?さっきからずっと・・・」


「えっ!?・・・でも・・・歳上でしょ?・・・歳上に敬語で話をする事は当たり前の事でしょ?・・・私、何か変でしょうか?」


「その概念、元々お姉ちゃんたち人間にもあったと思うんだけどね?・・・覚えてる?お姉ちゃんがリリスティアと出会ったこの間の出来事の時♪」


「この間?・・・確かに!!あの時私はあなたに対して凄く刃向かった姿勢で話をしていました・・・ですが、それは間違いであると言う事は途中から・・・」


「だよねぇ~♪(ニヤニヤ♡)それがリリスティアの作戦その1なんだ~♪」


「そしてその2回目が今日、今って事ですか?」


「そだよ?楽しみでしょ?」


「だっ!?誰が楽しみなものですかっ!!早く家に帰りたい気分です・・・」


「まぁまぁ、もう少しだけリリスティアに付き合ってよ?結界内だと洗脳もグーンと効果アップでほぼ半分程完成しちゃうんだよ?」


「そんなっ!?・・・嫌です・・・私は帰りたいのでここから出して下さい!!」


「じゃぁ始めようか?」




そうリリスティアが言うと、何か分からない言葉で唱え始めると私は頭の中が吹き飛んだ様に空っぽになり、その場で腰から崩れ落ちて地面に座り込んでしまっていた・・・




「さて、始めるよ?・・・よ~く聴いてね?お・ね・え・ちゃ・ん♡」


「・・・・・・・・・」




何かリリスティアが言い始めてしまった・・・私はその言葉をただひたすら無意識で聴き入っていた・・・何を言ったのか何を言われたのか全く分からない・・・ただ・・・ただひたすらリリスティアは私に喋り続けてそれを私は聴き続けていた・・・でも・・・何故か体全体が気持ち良くなってしまい私はウトウトしてしまっていた・・・




「さて!今日の洗脳の儀式はここ迄♪お姉ちゃん?次に会う時はこの半分の洗脳状態が完全開花して100%になるから注意してね?・・・それと無意識下でお姉ちゃんには既に暗示を掛けているからお姉ちゃんは自覚が無いかもしれないけど、とんでも無い事になっちゃうかもしれないからそれも楽しみにしててね?」


「・・・・・・・」




リリスティアはそう私に告げて姿を消した!

姿を消したと同時に私は結界から抜け出て元いた公園の前に立っていた・・・




「あれ?・・・私何が?・・・確かリリスティアが現れて・・・ずっと喋っていて・・・そうだ!結界を張ってその後私意識が無くなっていた様な・・・リリスティア・・・私、絶対にあなたには負けないっ!」




翌日の学校で・・・




「彩花?顔色が良く無いわね・・・休んだらどうかな?」


「えっ!?・・・あっ・・・大丈夫!ごめんね?心配掛けちゃって・・・それより加奈さ・・・ううん、加奈も色々と忙しいんじゃない?昨日の休みも・・・」


(耳打ち)「あぁ・・・大丈夫大丈夫!又グダグダ話しているだけの会議に参加させられてただけだから!それより彩花?ちょっと後で良い?屋上でいいから?気になる事があるの・・・」


「うん!いいよ!・・・じゃぁお昼休み一緒に屋上で食べよう?」




昼休み、屋上にて・・・




「彩花?・・・あなたもしかしてリリスティアと接触した?」


「えっ!?・・・どうして分かるの?」


「やっぱり・・・ううん!オーラで分かるわ!対魔師をやっているとね、魔族に対しての免疫もついて来るから色々と過敏になって来るの!・・・そう言う事か・・・ちょっと厄介な事になりそうね・・・」


「どうして?・・・何か私変な事になったの?」


「放課後一緒に来てくれない?連れて行かなければいけない所があるから!」


「えっ!?・・・放課後?・・・放課後は・・・」




私が加奈と話をしていると頭の中で何かが話掛けて来る感じがしてその言葉に自然と意識が向いてしまう・・・




(彩花・・・放課後はそこにいる加奈を出し抜いて例の公園へ来い!これは命令だ・・・加奈は今お前に注意深く目を向けている・・・だからお前は家の用事があるから無理だと断り、放課後になったら加奈と離れ、加奈が尾行して来ないか確かめ、時間を反らして公園へ来るのだ!分かったな?)




(はい・・・リリスティア様・・・)




「彩花?・・・彩花!?・・・しっかりしなさい!!大丈夫?」


「へっ!?・・・あっ、うん!大丈夫・・・ごめん・・・今日の放課後は家の用事があってどうしても急いで帰って来いって言われてるんだ!だからごめんね?」


「そう・・・家の用事なら仕方ないわね・・・じゃぁ!明日にしよう?」


「うっ・・・うん!本当にごめんね?」




ニヒヒ♪お姉ちゃんの洗脳第2段階も無事に成功しているみたい♪後は、放課後公園で結界を張ってお姉ちゃんを完全体に仕上げちゃおうっと♪楽しみ楽しみ~♡




放課後・・・私は家の用事だから帰らないといけないと加奈の誘いを断り何故か分からないけど公園へ向かう事にした・・・加奈に悟られてはいけないから加奈が完全に見えなくなってから時間を空けて私は公園へ出向いた・・・すると!


「さぁ、お姉ちゃん?こっちへおいで?」




今日は何故か全く抵抗心が無くリリスティアの言われるがまま公園内へと足を運ばせていた・・・




♪パァァァァァァァァァァァァァァァァァァ




「さて・・・お姉ちゃん?そろそろ進化も深くなって来たね♪もうこうなっちゃうとリリスティアの思いのままだよ♪」


「そんな事・・・無いです・・・多分・・・」


「ほら?もう迷っちゃってるね?リリスティアのモノになる事にた・い・し・て♪」


「今日は何をするつもりですか?・・・私は負けません・・・」


「もう士気すら感じられないね?ただ棒読みみたいな言い方になってるよ?」


「いいから早くして下さい。私・・・帰りたいので・・・」


「もう~!!本当に帰りたいんだね・・・今日はもう二度と帰りたいって思えなくなっちゃうんだよ?むしろ私の所へ帰りたいって思う様になるから♡」


「御託は良いのでさっさとして下さいませ・・・リリスティアさま・・・」


「あらら?もう屈服仕掛けちゃってるね?・・・お姉ちゃんってまだまだひよっ子だったから・・・進化が早いね・・・放置していてもそろそろ堕ちてくれそうだけど・・・効果が切れちゃう恐れもあるからちゃんと洗脳完了させようね?」


「はい・・・だから早くして下さい・・・私・・・待ってますから・・・」


「じゃぁ・・・そこに跪いて?今から最初にリリスティアとお姉ちゃんが出会った時に軽く触れた事だけど、一瞬で儀式は終わるから♪あっと言う間だよ?本当に♪・・・これから跪いてくれているお姉ちゃんの顔面にリリスティアが片手でお姉ちゃんの顔面を塞ぐ様に手を当てるよ?それでお姉ちゃんは全てが入れ替わっちゃう♪そう・・・と~っても気持ちが良くて気を失ってしまうんだけど・・・目が覚めると♡じゃぁ始めるよ?覚悟は良い?」


「はい・・・もう抗いません・・・リリスティア様に言われるがまま私はその通りに致します・・・」


「じゃぁ♡」




♪パリィィィィィィィィィィィィィン!!!!!!!!!!!!!!!




「そこ迄だ!!リリスティア!!!!!!」


「くっ・・・もう少しだったのに・・・いい所に邪魔が・・・!!」


「どうやら全く懲りていない様だな・・・我の怒り、今こそ貴様にぶつけて見せるぞっ!!」


「あぁ~ぁぁ・・・ドン引きだなぁ・・・折角彩花お姉ちゃんを私のモノに出来る大チャンスだったのになぁ~・・・鬱陶しいんだよっ!!!!!!!!!!!!!」




♪ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!




「何処を狙っている!?我はこっちだ!!」


「ちょこまか本当に鬱陶しいなぁ・・・だからお前は嫌いなんだ・・・よっ!!!」




♪バッキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン




「うぐっ・・・今度は少しかすったか・・・」


「リリスティアが本気出せばお前なんて1撃で殺せるんだよ?・・・分かってんの?」


「だが我も同じく貴様を1撃で倒せるぞ?」


「やってみる?ニヒヒ♪」


「いや、それは止めておこう・・・ここには彩花がいる・・・彩花を巻き添えにするわけにはいかん・・・」


「・・・・・・・?・・・・何?・・・私!?・・・何を!?・・・あれ?・・・加奈?・・・加奈と・・・リリスティア?・・・どうしてここに!?・・・」


「もう~・・・お姉ちゃんが目を覚ましちゃったじゃない・・・折角進化50%超えていたのにぃ・・・」


「彩花!私の後ろに隠れていろ!」


「えっ!?・・・でも、加奈が・・・」


「大丈夫だ!私はこの様な奴に支配される程落ちぶれてはいない!安心するんだ!」




そう言いながら本当なら真剣な表情をするはずがとても優しい笑顔で私に話掛けてくれた・・・でもその口調は凛々しくまるで剣士かの様に・・・




「もう~・・・茶番なんていらないでしょ?リリスティアが壊してあげようか?」


「ふふっ!貴様に壊される程この我、落ちぶれてはいないと言ったであろうが!!」


「本当そう言うのが好きだね?・・・昔からさ?」


「あぁ!貴様もそれをずっと聴かされて来たから知っているだろ?」


「そうだね・・・それよりそこのお姉ちゃんに用があるんだけど?」


「そうかそうか!貴様、我に用事があるのだな?何用だ?」


「へ?・・・何言ってるの?おばさん?私おばさんの後ろに隠れているお姉ちゃんの事を言てるんだけど?」


「ふんっ!分かっている・・・冗談も通じないのか!全く貴様と言う奴は、本当に堅いな・・・」


「それって自分に言う事じゃないでしょ?元はと言えばあんたがお堅いからそうなったんじゃないの?」




えっ!?・・・今・・・何て?・・・自分に?ってどう言う事なの!?

私は空かさず訪ねてみた・・・




「あの・・・今、「自分に言う事」って?・・・一体どう言う事?」


「あぁ・・・済まない・・・私の本名を伝えていなかったね・・・私の名はクリスティア、クリスティア=カーマイオーネだ!」


「えっ!?・・・嘘でしょ?・・・だってクリスティアは洗脳されてリリスティアにって言ってたんじゃ?・・・」


「あぁ・・・それは事実の事なんだ・・・だが、何故かあの後精神が分裂してしまったみたいで、我が光の部分を、そして・・・」


「リリスティアが闇の部分を受け継いだって訳♪」


「そ・・・そんな事が実際にあると言うの!?・・・」


「だが事実その様になってしまった訳だ・・・」




そうか・・・これで私が感じていた違和感が解消された・・・

加奈に言われた事とリリスティアに言われた事がダブっていた事があったけど、それって同じ人物だったから・・・なのか・・・




「さぁ、本当の本当に茶番は終わり!本当は最後の最後でクリスティアお姉ちゃんを支配しようと思っていたけど順番がかなり変わっちゃったから仕方無いか・・・そこの2人のおばさんとお姉ちゃんを」




♪ポカッ!!!




「痛っ(>_<)・・・何するんだよぅ~!!痛いじゃないか・・・」


「貴様もおばさんと言う事だが?」


「分かったよ・・・ちょっとした例えでしょ?そんな事くらいで怒らないでよ!!・・・じゃぁ気を取り直して・・・そこにいる2人のお姉ちゃんを先にリリスティアの仲間にしてあ・げ・る♡」


「貴様に洗脳される程我は柔では無い!むしろ我が貴様を洗脳してやっても良いが?」


「随分と言うね?・・・彩花お姉ちゃんがいるから?」


「ふんっ!前々から貴様と我はこの様な言い合いをしながら戦って来たではないか!?」


「そうだね・・・じゃぁ、そろそろリリスティアも疲れちゃったからこの辺で決着付けるのはどうかな?」


「あぁ!我もそろそろ気を張っている時間が長いからな・・・その意見には賛成だ!」


「じゃぁ行くよ!?」


「あぁ!我も行くぞっ!!」




「▼◎×◇■●▽∴・・・・・・・!!!!!!!!!!!!」




♪ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!




「甘いっ!次はこっちから・・・とりゃぁぁぁぁ!!!!!!!!」




♪ガッキーーーーーーーーーーーーン!!




「自分に言うのも嫌なんだけど、おばさ・・・お姉ちゃんって結構弱いよね?」


「あぁ!そうかもしれないな・・・貴様も手加減している様に見えるが?ここは結界内なのに暴れまわるだけ暴れまわれるはずじゃないのか?」


「まぁ最初から本気出すのってリリスティアの意に反しているからね♪じゃぁ行くよ~!!」




♪バッキーーーーンバシュッバシュッ!!!




♪カキンッカキンッ!




「ふんっ!飛び道具染みた攻撃など初めてだな?」


「そうだよ!徐々に上げて行くからね?最後はとんでもないモノお見舞いしてあげるから楽しみにしててね!!」




何なの!?・・・私には見えない・・・ちゃんとどう言う攻撃をしてどう言う防御をしているのか・・・2人共流石同一人物!!




「彩花、危ないっ!!!!!」




ザシュッ!!!!!!!




「うっ・・・うぅ・・・」


「クリスティア?・・・クリスティアァァァァァァァァァ!!!!!」


「あちゃぁ・・・彩花お姉ちゃんをかばう為に喰らっちゃったんだ・・・結構レベル上げてるから気絶しちゃってるね・・・」


「そんな・・・私がボーッとしていたから?・・・そんな、クリスティア、ごめんなさい、私・・・私・・・」


「死んではいないよ!」


「どうして分かるのよ!!」


「だって同一人物だから分かるよそんなの・・・」


「じゃぁ、クリスティアは生きてるのね!・・・信じても良いの?」


「嘘言っても何の意味も無いでしょ?・・・もうお姉ちゃんモロ過ぎるよ・・・」


「許さない・・・クリスティアは私を守ろうとして・・・かばってくれたからこんな目に・・・あんたなんて直ぐに倒せるって信じてる・・・」


「でも実際気絶しているのにどうするの?」


「私がクリスティアに変わってあんたを倒す!!」


「ふ~ん♪でもお姉ちゃんひよっ子だよね?クリスティアがいない様な状態の今、少し本気を出したらお姉ちゃんなんて微塵も無いんだよ?って言ってもこんな大チャンスもう来ないだろうし私がお姉ちゃんを洗脳して仲間にして最後にクリスティアを倒すってのもアリかも♡」


「・・・・・・・・」


「あれ?・・・どうしちゃったの?お姉ちゃんさっきと違って凄いオーラが・・・えっ!?何!?・・・それ!?・・・」




♪ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!!!!!




「何?・・・こんな強いオーラ初めて!?・・・クリスティアからですらこんな強いオーラなんて今迄一度も・・・彩花お姉ちゃんは一体何者なの!?・・」


「・・・・・るさない・・・許さない・・・私を守ってくれて来たクリスティアに対してこの様な仕打ち決して・・・決して許さないぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!」




♪ドガッ!!!!!バッキーーーーン!!!




「ひっ!?・・・何!?・・・何をしたの!?・・・今の大きな打撃の様なものって一体!?・・・」


「消えろ・・・リリスティアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」




♪ガッキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




「ちょっ・・・待ってよ・・・これリリスティアの出番じゃないよね!?・・・クリスティア?起きてクリスティア・・・彩花お姉ちゃんが大変なんだよ!!お願いだから起きてよ!!」


「ふっ・・・貴様が支配する相手じゃないのか?」


「起きてたなら何とかしてよ・・・正直予想以上の威力だよ・・・こんな人間がいたら魔界なんてあっと言う間に潰されちゃうよ・・・」


「なら丁度良いな!このまま彩花に倒されてみるか?」


「勘弁してよ・・・私だって魔界で色々と大変だったのにさ・・・大体私が死んだらクリスティア自体も死んじゃうんだよ?」


「ははははは♪まだその様なガセに流されていたのか?」


「えっ!?・・・どう言う事?」


「あれは全部デマだ!」


「そんな・・・じゃぁ、リリスティアが死んでもクリスティアは死なない?逆にクリスティアが死んでもリリスティアは死なない?」


「あぁ!勿論、貴様はここで成敗される訳だ!」


「クリスティア・・・目が覚めたんだ・・・良かった・・・」




ふらぁ・・・ガクンッ!




「今度は彩花お姉ちゃんが倒れちゃったね・・・きっとあの凄い殺気で疲労が溜まってしまったんだろうね・・・」


「あぁ!ようやく覚醒したがまだ自分自身の能力を扱い切れていない・・・と言った所か・・・では、リリスティアよ!そろそろ閉幕の準備に入るとしようか?」


「えっ!?・・・やっぱりここで決着付けちゃうの?・・・リリスティア死ぬとか考えて無かったからあんな事言ったんだけど?・・・」


「そうか!だが我は元より本気だったからな!さっきの攻撃割と痛かったぞ?今度は我から攻撃してやろう?」


「うっ!!嘘だよね?だってリリスティアはクリスティアだよ?可愛い自分に攻撃なんて出来るの?」


「よく言うな・・・貴様こそ我にダメージを与えておいて・・・」


「いっ、嫌だよ!まだ生きたい・・・もっともっと楽しい事いっぱいしたいよ・・・皆と一緒に暮らしたかったよ・・・本当はリリスティア皆と仲良くしたかった・・・でも魔族だからどうしても人間と共存する事が出来なかった・・・だから、だからお願い、殺さないで?」


「そうか・・・貴様も辛い目に遭っていたのだな・・・」


「そうだよ・・・リリスティアこれからは皆と仲良くする!裏切らないから・・・お願い・・・クリスティア?」


「では心を入れ替えるとでも?」


「勿論だよ!!(ニヤリッ♪)」


「では仕方が無い・・・今日は・・・」




「隙あり!い出よ!魔界最強の術よ!デイリンググローシングアローーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




「甘いっ!・・・遥かなるクリスティアの名に置いて命じる今時を越え迫り来る危機に魔族を滅ぼす力を与えよ!喰らえっ!ルーティングロータスボルティーザ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




♪ゴッカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!バキッビシッ・・・ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




♪パァァァァァァァァァァァァァァァァァァ




「結界が消え去った・・・と言う事は・・・我の勝ちの様だな・・・」


「うっ・・・リリスティアが・・・負けた・・・どうして?・・・」


「貴様がその様な目論見でいた事など千も承知だ!我は貴様のその様な姑息な所を隙として掛かる振りをしたと言う事だ!」


「そ・・・そうか・・・やはり自分には通じなかったのか・・・クリスティア?これからクリスティアは光だけで生きて行くの?・・・」


「あぁ・・・そう言う事になるだろうな・・・」


「光だけじゃ生きて行けないよ?人間なら闇の部分も持っていないと・・・」


「そうだな・・・だが我は生きられるだけ生き続けて行く・・・その先に待つものはどの様な地獄であったとしてもだ・・・」


「そう・・・か・・・頑張って・・・生きてね・・・リリスティアはもう・・・消えちゃうけど・・・クリスティアは・・・これからも生き続けるから・・・皆を・・・皆と仲良くなれる世界に・・・魔族も・・・毛嫌いしないで・・・受け入れてあげて・・・欲しいな・・・」


「あぁ・・・任せろ!我に掛かれば人間と魔族の仲裁くらいお手のモノだ!」


「泣いてるの?・・・声が震えてるよ?・・・」


「嬉し泣きだ!気にするな・・・ようやくこの苦しかった戦いに終止符を打てた喜びだ!」


「そう・・・それなら安心だね・・・じゃぁ・・・元気でね・・・私・・・」


「あぁ・・・又会おう・・・地獄でな!」




その直後リリスティアは消えた・・・

我は思いきり泣いた・・・これは嬉し泣きだと自分に偽り・・・






「ん・・・クリスティア?・・・大丈夫なの?・・・」


「彩花!目を覚ましたのだな・・・良かった・・・」


「リリスティアは?」


「あぁ、君のおかげで浄化したよ!」


「そう・・・か・・・良かったね!」


「あぁ!本当に、本当にありがとう!健やかな表情で消えたよ!」




クリスティアはとてつも無い笑顔を浮かべその様に言うと涙が止まらない状態で流れていた・・・悲しいのかな?・・・リリスティアが消えたから?




「さて、彩花!帰って傷の手当てをしよう!もう私も君を守る必要は無くなったから・・・」


「それって・・・魔族たちは?」


「君はもう私の力は必要では無くなった!君は完全覚醒したんだ!」


「えっ!?・・・どう言う事?・・・私何も!・・・」


「君は先の戦いの途中で完全覚醒したんだ!だが初回だった為に自在に操る事が出来ず自我が保てなかっただろう!・・・だが2度目からは自在に操る事は可能だ!次からは自身の感情を上手くコントロールしながら実力を発揮してくれれば良いよ!」


「そんな・・・クリスティアは?クリスティアはどうなっちゃうの?」


「我は元よりターゲットであったリリスティアを倒したから自国の復興を続けようと思う!10年は掛かるだろうがな・・・はははははっ!」


「そうか・・・これでようやく自分の国に専念出来るんだね!・・・良かった・・・色々とまだまだ大変だと思うけど応援してるから頑張ってね!!」


「あぁ!ありがとう!!魔族たちは根っから悪い奴たちばかりでは実は無いんだよ・・・だから彩花!対魔師として色々と魔族たちの生態や考えを習って来たとは思うが・・・良い魔族も必ず存在する!だから・・・そこだけは見定めて欲しいんだ!」


「・・・・・・うん!何となく分かるよ!リリスティアって本当は優しいんでしょ?」


「えっ!?・・・どうだろうな?・・・奴は・・・」


「だって!クリスティアなんでしょ?リリスティアも?」


「それは言われてしまうと・・・何も答えられないじゃないか・・・」


「ふふふふふっ♪」




私は少しだけ悪戯半分でクリスティアにその様に言った。

でも、リリスティアはそれ程悪い魔族では無いって事は本心だった・・・






5年後・・・




私は大学生になった・・・

そしてある国へ行く事にした!

留学って感じにはなるかもしれないけど・・・




「えっと・・・確かこの辺りにあるはず・・・あっ!あの大きなお城がある所・・・」




私はある小さな国へ、ある人に会う為に・・・




「ようこそ、カーマイオーネ国へ!待っていたよ、彩花?」


「クリスティア?・・・久しぶりだね!本当当時のままで綺麗だね・・・」


「おい・・・あまり褒めないでくれないか?褒められる事には慣れていないものだから・・・」


「褒めてる訳じゃないよ・・・加奈の姿は日本人に変装していたって知って本当のクリスティアの姿になって驚いたもん!綺麗な金髪で長いしなやかな髪の毛、青色で透き通った綺麗な瞳も・・・抜群に引き締まったプロポーションである体も!」


「うぅ・・・・」


「あっ!!照れてる?・・・クリスティアって照れた顔凄く可愛い♪」


「もう・・・止めよう?私の話は・・・それより今日は疲れただろ?城の方で休んでくれれば良いよ!」


「ううん!元気そうなクリスティアに会えたから私の疲れも吹き飛んじゃったよ!!それにしても本当に崩壊していたの?全くそんな感じには見受けられないけど・・・?」


「あぁ!近くの国の皆さんも手伝ってくれて・・・折角来てくれたのにもう修復自体は終えているんだ!・・・後は細かい所を手直ししたり会議等で色々な話をして行って・・・そんな所かな・・・」


「やっぱりクリスティアの実力って相当凄いって事だよね!!」


「いや・・・周りの国は生前両親が築き上げて来た信頼によるものだから私は何もしていないんだ・・・皆両親やこの国の住民の皆のおかげなんだよ!」


「クリスティア様!今日も我々はクリスティア様のおかげで生きていけております。どうか、これからもクリスティア様の為に生きて行く事をお許し下さいませ・・・」


「いっ・・・いや・・・これはだな・・・私が指示して言わせているのではなくて・・・」


「ふふふふふ♪分かってるよ!クリスティアはそんなゲスな事しないって知ってるから!」


「そうか・・・良かった・・・あの・・・いつも言っているが、そんなに私に感謝しなくても良いから・・・恥ずかしいじゃないか・・・客人の前で・・・」


「そっ!!それは大変失礼致しました。ではお客様のいらっしゃらない時間を見計らって・・・」


「だ~か~ら~!!もうその感謝の儀の様なのは止めてくれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」




楽しそうにやってるな♪良かったよ・・・滅ぼされて復興させる国だと言っていたからてっきり凄く大変そうなんじゃないかと思って私も何年か滞在する覚悟だったんだけど、もう復興も終わり掛けているみたいだし、少し長居をさせてもらって帰ろうかな・・・




「クリスティア様・・・ご報告が御座います。」


「どうした?」


「はい!復興事業が全て本日を持って完了する事となりました。これもクリスティア様のご指示、手配等一連の行動の早さの賜物と存じ上げます。」


「そうか・・・お疲れであったな・・・皆の者も事業を終え次第パーティーを開く事にしようか・・・城へ集める手配も済まないが頼む!」


「ははぁ・・・あり難きお言葉で御座います。その様に皆の者に伝えます。」




やっぱり国王なんだな・・・姫騎士として活躍していたらしいけど凛々しくもあって優しくもあり、まさに理想の長(おさ)なんだな!

こうして、私たちの戦いは幕を閉じたのでした。


魔族とは共存出来る世界をと対魔師の上長とも相談し、クリスティアの強い気持ち、そして・・・リリスティアの想いでもある事、全魔族が悪事を働く訳では無く、人間と同じく良い魔族が存在している事も確認の末、認可をもらった。

何年先になるのか分からないけど良い魔族たちとも仲良く生きて行くイメージが私の中で新たに生まれようとしている・・・























END

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魔族リリスティアの洗脳眷属化計画 小鳥遊凛音 @rion_takanashi9652

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