台風の過ぎた夜

みももも

台風の過ぎた夜

 昼の間、ごうごうひゅうひゅうと外で騒ぎ立てていた台風も過ぎ去って、今ではひゅるひゅる程度の風の音と、チリチリ、リリリという虫の声しか聞こえない。


 ふと夜空を見上げると、月が綺麗だ。

 まるで真っ黒な天幕に一つ穴を開けたみたいに光が差し込んでくる。

 月明かりに照らされた地面を見ると、月の光だけで自分の影ができている。


 月とは反対方向を見上げると……あ、あの形は知っている。

 あれはオリオン座。 そしてオリオン座以外にも色々な星が瞬いている。


 私は星座に詳しくないから、オリオン座以外は知らないけれど。

 だけど以前「星を観察するなら新月の方が良い」と聞いていた。

 月の明るさで、他の星の輝きが隠されてしまうのだとか。

 だけど実際に見てみたら、そうとも言い切れないのではなかろうか。

 確かにこの天気で新月だったら、それはそれで星明かりが際立っていただろう。


 だけどその場合、私が月明かりにつられてつい外に出てしまうこともなかっただろうし、そうなったらこの小説も書かれることは、なかったと思う。


 こうして夜空を見上げてみる。

 雲ひとつない夜空とは、こういう景色のことを、いうんだろう。

 昼の青空はただ真っ青で。その青さもまた綺麗だけれど。

 晴れ渡った黒空は、ただ黒いだけでなくそこに白い星が煌めいている。


 秋も近づき、夜は冷えるようになってきました。

 みなさん、風邪をひかないように、お気をつけください。

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台風の過ぎた夜 みももも @mimomomo

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