第16.5話 影里柊太―Ep.02―

天咲夢乃―――――――――。


その名前を聞いた時、胸に棘が刺さる様な感覚がした。


どこの誰かも知らなかった。


でも、何故か抱きしめてやりたかった。


もう、離さないように、強く、長く。


…………なんで、誰かもわからない人をこんなに強く思っているんだろう。


それに、病院で告げられたのは間違っていた。


僕は、工場……廃工場に、入ったんだ。


そこまでは思い出せる。


でも、なんの為に入ったとか入ってからの事は全く覚えていない。


なんで工場なんかに入ったんだ?


それに、なんで僕はあんな嘘をつかれたんだ?


なんか、謎が深まっていっている気がする………。


これも、天咲夢乃……彼女と何か関係があるのか?


今はこれ以上考えても仕方ないな…………。


まぁ、そのうち思い出すだろう。


後頭部の痛みに襲われながら僕はベッドで横になった――――――――。

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