第12.5話 影里柊太

僕は夢乃が、好きだ。


好きでたまらない。


あの天使に出会ってから人生が変わったといってもいいだろう。


だからこそ、彼女を離したくなかった。


好きだから。


だが、彼女の望む道を僕が拒む訳にはいかない。


好きだから。彼女が好きだからこそ、彼女の幸せを望む。


そこに、僕の幸せはあるのだろうか。


いや、そんな事言うまでもない。


彼女が幸せなら僕は幸せだ。


幸せな、はずだ……………。


本当に、そうなのか?


僕は自分の心に問いかける。


ダメだ。


彼女の幸せを優先し、それしか頭にない。


自分の望むものなど、どこにいったのかもわからない。


ひょっとしたら、そこら辺に捨ててきたのかもしれない。


だが、これだけは言える。


僕は、夢乃を世界中で一番愛している。


誰よりも、ずっと強く―――――――、


愛している…………………。


なのに―――どうして――――――――――。


本当の答えは、結末は。


なにが正しい選択だったのだろう。


もう、戻ることは出来ない―――――――――。


後ろを振り返ることもしない。


でも――――――――。


ずっと………………、


僕の心の中で、何かが引っかかっている――――。

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