第7話 僕と幼馴染と明日への誓い

《夢乃の家にて~03~》


初めて夢乃の部屋に入った感想………可愛いです。

なんで?!なんで部屋までもが可愛いの?!

自分の視覚が壊れたのか疑うレベルで可愛い。いかにも夢乃の可愛さが全開の女の子らしい部屋。

漫画やアニメでしか聞いた事がなくて、こんな事を自分が言うとは思わなかったが………生きてて良かったぁっ!!

「柊太………あまり、部屋をじろじろ見られると恥ずかしい………」

「ご、ごめんっ!!……うん、すごく綺麗で可愛い部屋だな!」

「も、もう!!ストレートに言い過ぎ!!恥ずかしいって言ってるじゃん!!」

「わ、分かった!ごめん、ごめん!」

無理だろ!!これ見せられて平常でいられるはずがない!

「じゃあ、私、飲み物持ってくるね?何がいい?」

「夢乃が注いでくれたのなら、なんでもいいぞ」

「なんで、そんなに恥ずかしいセリフ言えるのぉ!」(……でも、嬉しいっ!!私も、そんなこと言いたいなぁ、…………でも、やっぱ恥ずかしい!!)

「じゃあ、持ってくるから少し待っててね!」

「分かった、気をつけろよ?」

「こ、子供扱いしないでよぉ!私だって、もう16歳なんだよっ!!」

そう言い残して、夢乃は部屋を出ていってしまった。

…………可愛いかったぜ……。


《夢乃の家にて~04~》


僕は紅茶を飲み終えるとさっきから一言も喋っていない夢乃の方を見る。うつむいているので、しっかりと表情が見えない…………。

「………どうしたんだ、夢乃」

「………恥ずかしいの……」

恥ずかしいって何が?!ま、まさか、僕と付き合った事とかじゃないよな?!…………泣いちゃうよ?

「何が、恥ずかしいんだ?」

僕はおそるおそる、その訳を尋ねた。

「柊太に、こんな格好をみせることになるなんて………」

「あぁ………やっぱ、気にしてるんだな。別に、もう脱いだっていいんだぞ?無理して着てる必要はないし…………」

「で、でも!!…………柊太がドキドキしたりするなら、私、なんでもするから………!!」

もう、ドキドキしっぱなしだよっ!!可愛すぎて、そろそろ僕、死ぬぞ?!

そう、今の夢乃の格好は露出度がやや高めのメイド服。…………なんで、夢乃の家にメイド服があるのかは聞いちゃいけない気がしたのでスルーしている。

「………ドキドキ、してる、かな?」

「…………可愛いすぎて死にそうなぐらいドキドキしてる」

「ほ、ほんとにっ?!」

「………うん」

「…………なら、もっと、近くで見てもいいんだよ?」

……さっきの恥ずかしさはどこにいったんだよっ!

夢乃が立ち上がって僕の方に近づいてくる。高校生男子としては、この状況で理性を失わないだけ頑張ってると思う。

「ゆ、夢乃、さん?」

「もっと、近くで…………みて?」

「……………夢乃」

そこで、僕の中の何かがブレーキをかけた。

これ以上はダメだと。

「夢乃、まだダメだよ。まずはもっともっとお互いの事を知った上で、さ」

「…………うん、柊太がそう言うなら……」

ふぅ…………本当に危なかったぜ。

もし、あのままブレーキがかからなかったらどうなっていたんだろうか………だ、ダメだ!!想像するな、影里柊太っ!!


《夢乃の家にて~05~》


「柊太ってさ、私の事好き、なんだよね?」

「当たり前なこというなよ、好きに決まってるだろ」

「………ならさ、私がなんかあった時も守ってくれる?私のそばにずっと居てくれる?」

「あぁ、ずっと一緒にいるよ。当たり前だろ?僕は夢乃の彼氏なんだからさ」

「………ありがとうっ!!私も………柊太の事

、好きだよ。大好き………」

…………っ!!……ストレートに来て、少し驚いたな……。でも、ここで動揺しちゃダメだっ!

「ありがとうな……。………夢乃、また、ハグしてもいいか?」

「………うん、いいよ」

僕は身を乗り出して夢乃の背に腕をまわす。小さな体だけど、とても温かい。

僕達はしばらくの間、こうしていた。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る