第6話 僕と幼馴染と親友(?)君

《親友》


突然だが、勘違いしないで欲しい。

僕にだって男友達はいる。最近何故か減ってきているが…………でも、ちゃんといるからな?!

その1人が僕の親友、水戸瀬 月無(みとせ つきなし)だ。

コイツはマジで良い奴。相談にも乗ってくれるし、優しいし、クラスのリーダー的存在だ。因みに今も同じクラス。学級委員長だって務めている。

正直、完璧過ぎる親友だ…………。

あ、こっち見てる。………なんで、そこで笑うんだよ!しかも、無駄に爽やかだし!!……こっちに来たぞ…………。

「よ、柊太!どう?元気してる?」

「あぁ、絶好調だよ」

「そうか、なら、良かった……」

………?なんで、コイツ笑ったんだよ。………イケメンはとりあえず笑えば済むのか………?


《なんで、オレじゃない………!》


オレは水戸瀬 月無。このクラスのリーダーであり、最っ高の、イケメンだ………!!

そう、最っ高の!!

なのに…………!!

なのに、何故!!

夢乃が、あんな奴にぃっ!!

え?オレ努力したよ?頑張ってクラスのリーダー的存在にもなって、勉強もして、なのにっっ!!

何故!、夢乃はオレじゃなくてあんなモブ級の幼馴染キャラを選んだんだよぉ!!

確かに、柊太はそこそこ顔は良いよ。そこは認めよう。でも、だ!普通はオレに惚れるだろぉ!

…………根拠はないけど、オレだろぅがぁ!!

「ねぇ、何を考えてたの?水戸瀬君」

「ん?あぁ、なんでもないよ」

コイツは確かクラスのモブ女子の緑吉だったか?

本当は喋りたくもないが、ここでイメージを崩す訳にはいかねぇな………チッめんどくせぇ…

「前回のテスト何点だったのー?」

「あぁ、オレは社会と理科以外は満点だよ。たまたまだと思うけどね」

「やっぱ、凄いなぁ!私なんかまだまだだよ……」

知らねーよっ!!どうでもいいんだよお前の事なんて!!誰も聞いてねーのに答えるな!最初から言いたかっただけだろ!でも、オレはイケメンだから………、

「まぁ、努力してればいつか伸びると思うよ。分からない事があれば、いつでも聞くよ」

ふぅ、こんなもんか?さすが、オレ………

すると、緑吉は顔を真っ赤にして走って逃げていってしまった。


《夢乃の家にて~01~》


「そうだ、今日の放課後………暇、かな?」

「暇すぎて死にそう…………うん、暇だけど」

「なら…………私の家に入らない?その、柊太が嫌ならいいけど………」

僕はキッパリ言い放つ。

「ぜひお願いします」

と。


《夢乃の家にて~02~》


「入っていいか?」

「うん、少し緊張するけど、どうぞ」

僕は夢乃の家にはいる。玄関から何か凄くいい匂いが漂ってくる。………夢乃の良い匂いの原因はこれか………。

「すげぇ………綺麗な家だな」

「ありがとう………嬉しい…」

そして、凄く綺麗だな、お前は………!!

「柊太……ここに居るのもなんだし、私の部屋に上がって?」

「………いいのか?夢乃の部屋に僕が入って…」

「いいに決まってるじゃん………私達、恋人……なんだよ?」

僕のライフメーターはもうゼロでございます……!

「そう、だよな………じゃあ、入らせてくれ!」

「うん!どーぞ!!」

僕は夢乃について行き、階段を上る。そして、その先には小さな札の様なものにローマ字で"Yumeno♪”と、書かれていた。初めて見たぜ…

「ここだよ!入って?」

「よし、じゃあ、失礼します…………」

初めて女子の部屋に入るものだからかなり緊張している。でも、僕、覚悟は既に決めているんだ!!

僕は、その扉の先へと足を踏み入れた――――!!





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