激闘 メガクロヘビ


 「隙を見て、ブチかまさないとね!」



 岩の散弾を喰らわせた後、私は散弾を追いかけるようにして駆け抜ける。

 岩散弾みたいな面攻撃を喰らうなり、避けるなり、防御するなりしたら、相手には隙が出来る。

 その隙に思い切りブチかます!



つもりだったんだ・け・ど…………。



 「ジャァ!」

 シューシュー空気が漏れ出る様な音を唸らせ、とぐろを巻いていた、眼が一杯の黒い蛇が牙を剥き出しにして威嚇する。

 牙からドロドロを滴らせ、こちらを幾つもの眼で睨み付ける。

 そいつが一瞬真っ黒な縦線になったように見えた………と思ったら……………消えた。

 !

 散弾が洞窟の壁に当り、小さなクレーターを創り出す。

 射線に居たアモンは相変わらず糸の切れた人形みたいで避ける気配が無い、でも、その体に風穴は無く、後ろの壁にだけ穴が穿たれていた。


 いきなり消えた……魔法ってヤツ?それとも…………後ろ!


 考える間も無く、後ろから感じた殺意に対して反射的に裏拳を放つ。

 それが正解だった。

 「ジェェ!」

 眼が一杯の黒い蛇………メガクロヘビって呼ぼう!メガクロヘビが丁度私の首に飛び掛かって来るところを丁度裏拳が迎撃した。


 バチィン!


 蛇の弾力とは言い難い感触が拳に響く。

 硬いゴム………大型動物の皮膚……………が一番近い。

 蛇は絡まった紐みたいになって黒い体液をほとばしらせながら吹っ飛んでいったけど、正直反射だったし、浅い。

 「ジェェェェェェェェ!」

 吹き飛んだメガクロヘビは私の裏拳なんて気にも留めないとばかりにとぐろを巻いて真っ黒な牙で威嚇する。

 ボチャリボチャリと黒い涎を滴らせながらこっちを睨みつけている。

 と思ったら一瞬、また消えた。

 「のぉ!」

 反射的に腕を突き上げると、また大型動物を殴った様な感触があった。

 見上げるとやっぱりメガクロヘビ!

 「ジェッ!」

 喰らってるには喰らってるけど、やっぱり効いてない。

 そして、瞬間移動がスッゴクメンドクサイ!

 「ジェェェェェェェエエエエエエエ!」

 吹き飛んだメガクロヘビがとぐろを巻いて、こっちに大きな口を開けて威嚇する。

 口の中、牙から滴る重油みたいな黒いドロドロが飛び散って辺りの地面に黒いシミを付ける……と言っても、正直地面真っ黒だから差が解らないけど。

 「先ず、なんでアイツが消えるか解らないと………」

 ヒュン

 消えた。

 「でぃ!」

 掛け声と一緒に反射で繰り出されたのは肘撃ち。

 何かを捉える感覚を感じるけど、後ろを見るとやっぱり堪えた様子の無いメガクロヘビがとぐろを巻いて威嚇していた。

 「ったく、面倒な相手!」




 こんな厄介な、そして、急がなくちゃならない時だって言うのに、私の頭には一人の男の人の顔が浮かんでいた。

 『筋肉と考えるんだ!そうすれば真実はムキッと見える!』

 肌が筋肉と純粋なハリでパンパン。眩しい笑顔。太陽光を反射する歯。

 小麦色の肌を見せつける為のタンクトップは白くて、とびっきりの笑顔で見せる歯の真っ白さとタンクトップの色が肌の色との凄いコントラストを創り出していた。

 『真千代まちよ写楽しゃらく

 彼の職業は『筋肉探偵』と呼ばれる、世界唯一の職業だった。




後書き:>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

 また正気を疑う新親戚登場フラグが建ちました。

 さぁ、ネタも特に考え付いてませんけど、任せた明日の私!筋肉探偵と言う意味不明ワードを超解釈してくれ!


 という事で続きます。感想、ハート、レビュー、フォロー、宣伝、お待ちしています。

 既にやってくれている方々へ、有り難う御座います。

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