鬼と炎

 黒炎が飛び散る。

 周囲の岩が一段と光沢と輝きを増し、洞窟を駆け巡る空気が熱くなっていく。

 「GyA!GYAgyaggyaaaaaaaaaaaaaaぁぁぁぁぁぁぁ!」

 悶絶する黒アモン。

 黒煙の余波がビリビリピリピリと焼く。

 黒炎の脅威は得体が知れないし、警戒に足る。

 でも…………………………………

 「厄介だな……とは思ってたけど、全ッ然!当ったらないんだよね!」

 跳躍し続けているけど、一切当たらない。飛び交う黒炎の熱は私を焼くけど、直接私には当たらない。掠りもしない。

 この前闘った時は炎の扱い方に精密さが在った。

 一種類。気体でも液体でも個体でも無いエネルギー。

 それを使っての面攻撃やら爆発やら毒ガスやら多彩の一言に尽きないレベルで炎(?)を使いこなしていた。

 あれ、超厄介だった!火炎放射器なんて目じゃない。

 でも、今の黒炎は単純。

 自分基点で無数に炎を撒き散らして相手を焼こうとしている。ただそれだけ。

 最初に見た時は厄介だと思ったけど、こんだけ喰らっていれば、慣れるんだよ!

 「よっしゃぁ!反撃開始だ!」

 壁、床、天井を跳ね回っていた兎は……………

 「ジャンプ!」

 天井に張り付いていた私は、黒炎の基点目掛けて飛び降りた!

 黒アモンはこちらの特攻に気付いたと思い、乱射していた炎を私に集結させた。

 空中を一直線。

 黒炎は私へと迫っていく。

 空中で方向転換は出来なくも無いけど、この距離で向きを変えた程度じゃ避けられない。

 「giigigigigihihihihihihIHIHIHIHIHIHIHIHIGYaaaaaaaaaaaa!!!!!!」

 突っ込んで来た私を見て嗤う。

 獣が嗤う。

 下卑た嗤いを見せる。

 勝利を確信した黒いフクロウの顔が歪む。

 「弱くなった!弱くなったよ!なんだそりゃ!」

 こんなモンで勝利を確信して嗤うだぁ⁉

 私の力を見くびり過ぎだっての!いや、弱くなった。

 慢心と油断と手抜きと手抜かりと隙と粗雑さ。

 一級品がガラクタに早変わりってね!

 「『螺旋回天』

 消し飛びな!跡形も無くなぁ!」

 空中で体を捻って空を裂く。

 熱い空気が冷えた気がする。

 違う、空気が冷えた訳じゃ無い。

 私の奥、心の臓が沸き立ち、血沸き、空気沸く。

 生温い空気に包まれていた筈が、永久凍土に埋められた様な気分に変わった。

 凍り付く世界。

 黒炎が迫っていく中、四肢を捩じり、嵐を起こす。

 黒炎を穿たんと、目の前の勝負に水を差した邪魔者を消せと本能が一言だけ囁く。



 『殺せよ』



 「りゃあっあああああああああ!殺すかぁァぁアアアアア!」

 遠心力で危うく頭がスムージーに成る所だった!


 私は誰も殺さない!

 私の前で誰も殺させない!

 皆生きて最後には拳を合わせる!


 「JKの欲を舐めるなぁァぁアアアアアアア˝!」


 嵐が激しさを一層増す。

 黒炎と真っ向からぶつかり合う。

 「gyaaaalaAAAa!?」


否!


 嵐が炎を穿つ!

 螺旋が周囲の空間ごと削り取る様に、ぶつかる寸前、炎が霧散する。

 空気が轟々唸り、炎が穿たれる。

 嵐が炎を裂く。




 黒炎を裂くその嵐はまるで、鬼の角の様に見えた。

 『鬼神の凶角』

 黒炎が霧散し、嵐が黒アモンに襲い掛かった。









後書き>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


 この作品。割と実験的な作品となっているので、多少…割と無茶をする気満々です。


 『こんな相手と闘って欲しい』・『こんなストーリー見たい』・『こんなキャラ出して!』等……リクエスト有れば受付してます。

 それがどんな形で実現するかは保証しかねますが、リクエストで『スライムとの闘いが見たい』が御覧の様な有様に成ったり、『ギルド長推し!』という感想がギルド長を端役から割と活躍するキャラに成ったりと、実績有りますよ。


 何を言いたいかと言えば、『ネタが尽きそうなので頭貸して下さい!』

 次章の『DIEYETHARD 編』と未定章の『魔法科学園の(危険度)レッド生』、『傭兵バトル編』、『銅鑼を鳴らせ狂える者達編』をほぼ名前だけ思いついているだけでストーリーが尽きそうです!

 正直何でも構わないんです。

 ………そう言えば、ネタ下さいはムシが良かったですね。作品を書いている人も居らっしゃるんです。それは不敬でした。

 それなら、単語一つ、思いついたものを放り込んで下さい。

 後はこちらで都合良く解釈してやらかします。

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