愛でアレが落ちて来る

 真夜中にグラサンの需要が有るのって地球だと北極と南極位かなって思ってる。

 今、マジでグラサン欲しい。

 何この暑さ?おかしくない?

 肌がジリジリ遠火の強火で焼かれてる感じ。

 で、今よくよく考えて思ったんだけど…………………。

 「アレって何ですか?

 太陽かなって思ったんですけど、違いますよね?だって空真っ暗だし!」

 地球でも真夜中に太陽が出るのは南極とか北極、あとその周囲なら見られる。

 ホッキョクグマに乗りながらその光景見た事有るし……。


 でもね、その時は空が明るかった!

 そりゃそうだよね。時刻的な意味で不思議なだけであってそれ以外は日中と変わらないんだから。

 今、空真っ暗。何なら星とかギリギリ見える。おかしくない?

 あれ、太陽だけど太陽よりもっと近い所にある!

 「目下ギルド長が調査しているそうです。ただ、私達も詳しい事は解っていない状況です………。

 私は冒険者を集めるように言われて、更にギルド長からの指名でお二人を呼びに来ました。」

 指名。

 私達を何故かよく知っているとはいえ、実力を知ってるとはいえ、色々頼まれているとはいえ、こんな超が付く様な緊急事態に新米で得体の知れないのを呼ぶって事は割と、余程、切羽詰まってるって事か………。

 「暑いね。」

 思わずぼやく。

 「そう?私は、大丈夫。でも…………」

 テミスちゃんは不思議と涼しい顔をしてる………あぁ、アレか。

 お気に入りのポンチョに身を包んだテミスちゃんを見て察した。あの装甲なら、この程度の暑さを防ぐのは造作も無いか………。

 「でも…どうしたの?」

 「うん、なんか……起きた時からぞわぞわする…………。

 不安そうな顔をしながらそう言った。

 「体調が悪いなら戻っても……」「違うの!体調が悪い訳じゃ無くて、なんか……変な、変わっちゃった様な………気分。」

 「?

 体が少しでもおかしかったら言ってよ。」

 そんな事を言いながら太陽に照らされている内にギルドに辿り着いた。




 「落ち着いて下さい!未だクエスト受注はしていませーん!勝手に街の外に出ずにー!落ち着いて待っていて下さーい!」  「何だよあの太陽は!」 「目下調査中です。先遣隊を出発させましたので待っててください!」         「何でここまで時間かけんだよ!」「さっさと行かせろよ!」  「あれ落ちてきたりしないよな⁉」「モンスターが活性化したって話きいたが!」「近衛兵とか王国は何してんだ!」  「あれ…太陽じゃねぇな。」「ギルド長さっさと出て如何にかしろよ!」   「説明責任果たせよ!」 「エルファマルダ神様がお怒りになったんじゃ!」「落ち着けよ。こんな直ぐに言われても無理だろ?」「根拠は有るんですか?」「普通のクエも出来ねぇってなんでだよ!」 「このところおかしくない?」     「昼の件と関係は有るんですか!」「俺らがちゃっちゃと調べてやっからさっさと受理しやがれぇ!!」「勘だよ勘。ありゃぁもっと違うもんだ。」「申し訳有りません。こちらから調査要請は指名でお出ししますのでお待ち下さい。」「新手のテロかよ!」「どうなってんだこの街は?」「落ち着いて、お待ちください!」

 ギルドの中、マジで世紀末ってた。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る