何処だ…? 何処だ? 何処だ⁉
全力疾走。城壁に囲まれた夜の街を風になって走り抜ける。
石造りの建物を跨ぎ、巨大な、そして妙な金属の建物をよじ登り、かと思えば人一人がギリギリ通れる裏路地を壁蹴りを駆使して縦横無尽。
でも、反応無し。というか、相変わらず視線を感じ続けている。
………じゃぁ、次!
ドッ!
月は満天の中一際大きく、強く輝き、
ハイ。今の爆音で空飛びました。
上空は静かだし、下と上、両方で星空が見れて割と楽しいんだよ?
おすすめは上空100mくらいかな?
え?飛(跳)んだ理由?普通に俯瞰で見られるように。あと、何かしらの方法で気配を消しつつ付かず離れず尾行している場合はこれで撒けると思ったから。
でも、相変わらず視線は感じる。
どうも気配を消しての尾行では無いらしい。
街のあちこちに紛れてた複数がリレー式で監視?
どうやってリレーするの?私人一人が限界の裏路地迄通ったんだよ?引継ぎは無理。
となると……………普通に隠れて観察するのが巧い相手って事か…………よし!
下から風を受けながら地上の星へとダイブ。
途中空中を殴りつつ落下速度を殺してフワリ…と降りる。
辿り着いたのは都市の繁華街。城を除いて一番高いであろう塔の様な建物のテッペン。
相変わらず視線は感じる。
しかし、その相手は全く見えない。
それでも、相手がこちらを見ている以上、こちらも相手を見られて然るべき!なら…………………
「全方位まとめて観察すれば問題無い!」
塔の上から飛び上がりつつ捻り&回転を加えて飛び降りる。加えて目を閉じ…………………
『
開眼!眼球が灰色に染まる。
前にも言ったけど、これは視界にあるもの全てを『目端に捉える』のではなく、『全てを真っ直ぐ見て捉える』事が出来るモノ。
上空からの俯瞰視点で捻りと回転を加えた状態でコレをやれば死角は存在しない。
しかもいきなりの奇行。一瞬それに対する反応が起こる!
その反応をこの眼で捉えて………………アレ?
15回転&11捻りを加えた辺りで………消えた。
視線がパタッと無くなった。
別に私は何も捉えていない。妙な動きをした輩を一人も見ていない。
でも、無くなった………どういう事?
………
……………
……………………
………………………………………………ま、いっか!
さて、テミスちゃんを迎えに行って夕食を!
テミスちゃんには悪いけど晩御飯とお風呂はしっかりして貰わないと健康に悪いからね!
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