ヒロイン?VSワイズスライム2
「喰らえ!上空からの一撃!!時速639㎞(自己申告)半径20mを瓦礫の山に変える、高速回転するトゥキックを!」
スライムの弾幕の隙間を縫うように避けて、体を空中で捩る。
重力に引っ張られながら体が回転を始める。
更に腕を空(天井)へピンと伸ばし、爪先をバレリーナの様に地面に向ける。
手は、親指で人差し指から小指の4つの爪を押さえる様に、空気を掴む様に軽く握っていた。
体が一本の楔の様に真っ直ぐに、高速回転しながら地面に、スライムに向かって行く。
『ブョッ!!』
スライムはこちらの狙いに気付き、展開していた棘みたいな砲を全部コチラに向けてきた。
トプン
幾つも有った砲が1つに合体した。
向こうも決着を付けにいく気だ。
ドボン!!
爆発音が縦穴に響き渡り、私の体より大きなゲルの塊が上空向けて高速で放たれる。
『メガ=スライムキャノン』
避ける場所は無い!元より避ける気は無い!
『
回転を一層強くして正面からゲル塊に爪先を叩き込む!!
ギュグギギギャギャギャギャギャギャギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル 最早ゲルと爪先のぶつかり合いな音では無い。
ジュィゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!
摩擦でゲルが蒸発し始める。
このままぶち抜かせて貰う!!
『ブョッブョョョョョ!!』
ワイズスライムは小さくなった身体を震わせて…………………… ドブン!!
『メガ=スライムキャノン=セカンド!!』
あと少しでぶち抜かす!!次の瞬間、下から凄まじい突き上げを喰らった!
一発目の下から二発目が撃ち上がった!!
「ノアぉぉァァあぁァァあ!!」
一撃目で威力を殺され上に押し上げられる!
『ブョョォォアァァァァァァ!!』
私の足元で余力無く、掌サイズに縮んだスライムが叫んで居るように見える。
「ナァッ!!グォォォァアアアアア!!」 真っ直ぐに伸びた膝が下からの圧で曲がって行く。
向こう
膝をスライム塊に付きそうになる。
「グギギギギギギギギ…………フフフッ。」
食い縛った奥歯が歪んで一回り小さくなる気がする。
足元から来る衝撃、本気の一撃、天井に近付く私。
笑ってしまう。
口角が上がる。
血が沸き上がり、血管が吹き飛んで行くかんかく。
筋肉が膨張し、皮膚を引き裂いて体からとびだしてくるきがする。
あぁ ほんきだ
じしんのぜんりょくでむかってきた
なら わたしも ほんきをださなきゃ
グギギギギギギギギ…
スライムに押し潰されそうな、曲がり掛けていた膝が元に戻っていく。
『もっとちからを』
ギュルルルルルルルル…ギュギャギャギャギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ!!
『もっとまわれ』
ゲル塊の押し上げが止まった。互角のまま蹴りとゲル塊がぶつかり合う。
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『もっともっともっと』
『はやく ちから おもく 』
ゴキュゴキャメキャ!!
指から砕ける様な音が響く。
親指が震え、他4本の指の爪が真っ白になっている。
『もっと つよく』
4本の指が親指の押さえる力を超えた。
ボズン!!
爆発音と共に少女が炸裂し、終に、スライムが…
シュァ!!
消し飛んだ音は次の音で掻き消えた。
ドガラガラガラガガガガゴゴゴゴゴゴォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!
縦穴の底で爆発音が響き渡り、土煙で何も見えなくなった。
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