スライム対八華 決着!
ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ ヒュッ
毒の体を鞭か触手の様にしならせ振るい、襲い掛かって来る。
ジュッジュッジュッ
地面に鞭が当たる度、草むらが嫌な音を立ててどろどろに溶けていく。明らかに高殺傷力の塊。打撃や筋肉で如何にかなるレベルじゃない。
リエさんのスパルタ授業に全然こんなスライムは出て来なかった。
私が忘れた?そんなヴァカな。あのスパルタを一度受けて一言一句忘れられるわけが無い!具体的には生まれ変わってもアレは憶えていられる確信が私にはある!
じゃぁ、新種?リエさんが教え忘れた?それならいいけど………どちらにしろ、厄介この上ない。倒した後でリエさんに訊きに行かないと。
「で、その為にもここで倒さなくっちゃいけないのッ!」
幾つもの毒の触手が迫り来る。
空爪は相手を斬り刻めるけど、この場合それが不味い。千切れた毒の触手が飛び散って大惨事になる!
なら!
『突風掌』
平手を押し出して触手の山に叩き付ける!
平手は決して相手に触れる事は無い。
「吹き飛びなさい!」
触れられてもいない触手の山が避ける様にまとめて吹き飛ばされた。
『突風掌』
掌を対象に向けて突き出し、その時掌で圧縮された空気を飛ばして攻撃する技。
『空爪』と違って斬り裂けはしないけど、広範囲制圧力と予備動作の小ささと言う意味ではこっちの方が良い。 「ホラホラホラ!!インファイトならコッチが得意なのよ!!」
掌から放たれる空気砲が特大スライムを圧倒していく。
触手の防御が無くなり、胴体に
『突風掌』
体が空気圧で凹んだ。でも、体の中でシミのようになっている核は貫けない。
当然だよね。だって空爪の方が貫通力があるんだし、それで斬り裂けなかったらこんな豆鉄砲じゃあ倒せない。
かと言って、明らかな劇物ボディーに触れるのは…………流石に。
シュッ
そんな事を考えた一瞬の事。
声も挙げられない、自分が何をされたか解らない位の一瞬の事だった。
突風掌がスイッチになったみたいに、スライムが私の体を覆うように体を大きく広げて包み込んできた。
スライムとて侮れない。手数を減らして自分が押されているように見せかけての全方位からの溶解。
そんな高度な戦略を考えていたらしい。
一寸だけ…ほんの一寸だけ………………ドップン!
スライムが八華を呑み込んだ。
『重ね当て 射貫き』
チャポン…………ポッチャン…………
次の瞬間、スライムの核が吐き出されるかの如く体から飛び出し、地面に落ちていった。
シャーッ!!
今まで弾性を帯びていたスライムの体が崩れるように液体になって地面に呑み込まれ、地面を溶かす音を残して消えていった。
「私の…………勝ちだ。」
勝者の少女がそう言った。
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