ノートブック

@nao1129

第1話

僕の記憶はもう無い。よくある記憶喪失だと、一定の期間の思い出だとか、誰かの名前だとかだけど、僕の場合は全く違う。

名前、年齢、職業、家族など、自分がどこの誰かもわからない。


別に困ってはいない。強がっているわけでも、虚勢を張っているわけでも無い。

その理由は単純だ

記憶が無くなる前の僕は、ノートに日記を書いていたらしい。それにはもう色々と書いてあった。それに助けられたのだ。


僕の名前はレイ

大学生らしい。1人暮らしで彼女もいるらしい。

友梨という女の子だ。その頃の僕は、ご丁寧にその子の写真まで大切にノートに貼っていた。

まぁそんなことはどうでもいい。

大事なのはこのノートに書かれていた最後の一行だ。

どうやら僕は人を殺したらしい。

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