第2話 誰でも小さなFM局が作ることができるときいて。
お小遣いも限られていて、だからといって親にねだるのは微妙なラジオなんとかという雑誌を本屋さんで立ち読みをしていたある日。
ミニFM局の記事……いや、広告だっけ。
を目にした。
ざっくりいうと、微弱な電波であれば、無線局の申請なく発信する事が可能であり、その仕組みを利用した「ミニ放送局」を作ろうって話。
図面と必要パーツの記載があったので、そのパーツが揃えばと自分で作ろうと思えば作る事ができる。
それに私が知った時には、既にブームが発生してからしばらく経っていたようで、既に完成品も、組み立てキットも何種類か出ていたらしい。
けども、なにぶん地方であり、どこで購入していいのだか判らなかった。
(実際には、当時にも商店街に一店舗あったらしいのだけど、それを知ったのはそれからかなり後になってから)
通販も、支払い方法等が自分には難しいように思って、その時は放り投げていたような感じでした。
それから、少し大きくなって。まだ使えるお金の範囲はそこまで大きくはないものの、一般向けの物でもワイヤレスマイクであったり、スピーカー代わりのラジオまでの伝送経路の為だったりで、FMの電波を使うものが増えてきて。
……その時に絶対に必要な物でもないのに、小遣いの大半を使って買ってきてしまうような感じでした。
事前にカセットテープに録音したものを再生して、音を拾って。それを聴くためにラジオを持って家を少し離れて。それはそれで当時は楽しくやってました。
で、何を放送してたか?
まあ、生きてると話しづらい思い出はいくつもありますよ。
ただ、なんといいますか。その頃には既にミニFM自体は、当時ほどの盛り上がりはないようで、周りの友達からすると「なにやってんだ」って感じだったようです。
使っていたFMトランスミッターが、何かの原因で動かなくなったあたりから、しばらく、その事自体忘れていました。
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