第30話
黒い森
皇樹ロードメイプルは
メイプルシロップとのリンクが
完全に途絶した事を確認
水樹シシリーに
部隊の全滅を聞き
怒り狂っていた
楓一家殴りこみ未遂事件
以後語られる壮絶な話の一幕である
シシリーは呑気に歌っていた
「4は幸せのシー」
ハートを四枚合わせた紋章を
自身の眷族に刻んでいた
ラミアには円形の盾に二股剣
やや細身のブロードソードの刀身を
柄の地金を長く伸ばしよりをかけて
槍のようにしたもの
材料は自身の寄り代となる
豆科の植物の葉と蔓で
剣の先は丸く加工されており
水平に2本並んでいる
刀身に刻まれた四葉の紋章は
痛覚遮断
切れ味上昇
抵抗軽減
自動修復
剣と言うよりは刺突武器で
振り下ろし振り上げ
刺してよし撫でてよしの
良い武器なのだが
痛覚遮断相手に対しての
というよく分からない効果が
付与されていた
金蛇(かなへび)
エリスに貰った眷族で
頭が金剛石由来の鱗で出来ており
牙も同様で全体的に迷彩というか
透けており視認が難しい
腹の部分に透明な紋章が刻んであり
消音
気配極小
筋力UP
超再生
大きさに由来したか
効果は控えめだ
ケルピー
水源探知
熱量操作
物質操作
(クリエイトウヲーター)
水質浄化
ヴィーブル
上半身は女性
下半身は蛇の姿で
蝙蝠のような
ドラゴンの翼を持ち
額にガーネットを嵌め込んだ
幻獣種のドラゴンで
ジュエルファントム
等と呼ばれ魔力や鉱物を貯め
魔石はおろか骨格や鱗など
全てが宝石になる
宝石生成
硬化
自動再生
絶対防御
「4はおいしいのしー♪」
「4は嬉しいのしー」
相変わらず平和に歌っていた
一匹のユニコーンが
傷だらけで訪れた
今にも死にそうで
本来あるはずの
血の治癒能力も
機能してるか怪しかった
眷族化させて紋章を刻み
ケルピーに案内を頼んで
向こうの泉に逃がした
泉の周りにレッドキャップが8名
其々20名のスペクターを連れていた
纏う衣装は黒ずくめ
「どのようなご用件でしょうか」
当然返答が無い
囲まれた瞬時に判断して
亀甲紋防御の護符を使用
亀の甲羅を模した透明なドームが
泉とシシリーの水樹を覆う
警告も無く攻撃されるものの
爪でガラスを引っ掻いたような
音がするだけで
一向に壊れる気配が無い
あくびでもしようと思ったところに
黒い影が真後ろに伸びた
「まあ怖い」
一度水樹に戻り
地中から大量の蔓を伸ばし応戦
敵の姿は木の葉だった
何代目かはしらないが
得物も以前のものと違うし
会ったことのあるソレではないと思う
蛇比礼の影響か
蔦は大量の蛇となって襲い掛かり
並みの武器なら弾き
斬られても即座に再生し
斬り飛ばされたそれは
毒の霧になって霧散する
麻痺毒かどうか迄は判らぬが
あきらかに動きが鈍っている
神結晶遠話の護符を使用し
攻撃を受けている旨を報告
ラミアが前に出て戦端を開き
槍は丸盾で弾き
刀は2本の刀身の間に挟み動きを止め
その隙に金蛇が利き手に噛み付き
刀を振り落とす
空いている盾で殴り飛ばし
尻尾を打ちつけ
精鋭のレッドスペクターを打ち負かす
ヴィーブルは物理無効と
機動力を生かして敵を翻弄し
勝利は目前と思われた
+++++++++++++++
シシリーから緊急連絡があり
水河さんの所に移動
スナ様と姫様への伝言をお願いして
泉に戻り水鏡を使って境界渡りをした
私が現れるのと同時に
鏡が割れるような音と共に
結界が崩壊するのが分かりました
咄嗟に張った金剛石の盾の間に
誰かが割り込んできました
凄まじい破壊音と
バカみたいに長い槍
***************
咄嗟に割り込み
全力で多頭蛇と蔦を絡ませ止めたけど
紋章の一枚を削られた
脱皮で致命傷は避けたけど
ライフ再生を削られたので
流石に2回目は身代わりになれない
紋章が削られたことにより
ラミアの自動修復
金蛇の超再生
ヴィーブルの絶対防除
等が機能しなくなり
敗戦やむなくの状態だった
「この森を呪ってやる!!」
シシリーの白き紋章が黒く染まり
泉の周辺に黒い大蛇が湧き出し
駆け巡りその後に大量の毒草
黒い瘴気と毒気が湧き起こり
泉は一瞬で毒の沼になった
異変を察知したメリジェーヌが訪れると
まさに皇樹にシシリーが貫かれている時で
止める間も無く
只変容する泉を眺めている事しか出来なかった
突如泉の上に黒竜が現れると
黒炎のブレスを一閃
泉の周りの草木を燃やし尽くした
消えない炎を浴びせられ
皇樹は本体に退避
敵は全滅
味方は大蛇が出る前に
送還していた為損害は無いが
そして残ったのは水樹2人と
メリジェーヌ
黒竜は一度黒騎士の姿になり
水樹を静止
メリジェーヌに泉の女神として
赤の女王に事情を話したいので
取次ぎをお願いしたいと告げ
アバターを送還
神霊体になって極光を泉に当て
完全に浄化
警告に北の上空に向けて放射
内側の何本かの木が蒸発し
掠めもしないのに皇樹の幹が軋み
表皮がいくらか剥がれ落ち
無事だったのは
外周部の樹木達だけ
限定的な一本分の隙間を
穿った結果ですらこの有様
慌てて世界樹の巫女が転移して来たが
くれぐれもシシリーに危害を加えないこと
お互いに世界に干渉しない事
一方的な侵略者を保護したのに
戦争を仕掛けるとか
総意なら受けて立つ
そのような話し合いをしました
皇樹はメリジェーヌさんが説得する
伝言も承ったとの事なので
水鏡で泉の水面を被い
反転と拒絶設定にして
シシリーとエリスを
裂け目の泉に連れ帰った
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