第23話
幸い落ちた衝撃は
泉に吸収され無事だった
木の葉は舞い落ちる葉のように
軽やかに地に立った
腰を落とし
左手脇の下
腰の辺りに
黒い槍が現れ
ぎゅっと握り締め
前に出ながら投げられた
投げたフォームは
ボウリングの投擲のような
低空を真っ直ぐに飛んだ
その短槍は捻りが加えられ
弾丸のように白い竜の
角に当たり
斜め上に弾かれ
白い触手に
絡めとられる
投擲後も体勢は崩れず
駆けながら黒い刀を引き抜いた
樹哭裏紅葉
黒い刀身に赤い星模様
瞳狸
汁蛇貫
大量の樹液を前方に飛ばし
固めて穿つ
一転突破系
爬虫類特攻系奥義
さらに
四哭田貫
鎖に分胴の変わりに
鏃を付けて
正面右上右下
左上左下
正中腺を避けて
鎖を投げる
ベヒーモスは
その巨体を
感じさせない
俊敏さで
突進してきた
最初の刺突系の攻撃が
僅かに鱗を削り
触手の何本かを斬り飛ばし
鎖は僅かな傷もつけず
弾かれて四散する
正面から受けずに
鎖に全力の樹液をかけて
秘奥義四哭楓の赤い壁
本来は断斬系の技で
防壁を作った
ガラスの割れるような音と
全身が引き千切れるような衝撃
接触した鎖を手繰り寄せ
頭に向かって斬撃を叩き込む
振り落とされ刀を地面に突き刺し
尚も引き止めようとする
止まったと誰もが思った
視界ら一瞬頭が消えた
丸い銀の玉のような
樹木群が視界に移った
そのまま叩きつけられると
思って身構えるも
ピタリと目の前で止まった
ドッドッドッドッドッ
何だろうか
頭ほどもある
銀の殻の
銀杏のような
物体が
高速で
飛来した
避けると
後ろに居る
姫達に当たる
覚悟を決めて
刀で応戦する
正面の物を弾くので精一杯
身は削れ武器を手放し
死は目前だった
「あぶなーい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます