第8話

緋眼の目に再び戻ってきた私は

まずは周辺植物の採取

泉に潜っての調査

泉の水をポーション瓶2本に汲み上げた

そこで一旦切り上げて

待機所に戻った


ビーカーは変化無し

いや底に幾つかの破片が落ちていた

泉の水ではナイトの彫像は変化無し

水の成分の分析の間に

破片の調査をしようか


一際大きな破片に

なにやら反応があった

潜行するとしようか


破片の中は白くて何もない空間だった

中心部分に行くと

なにやら不定形の

眩しくて光るものが漂っていた

「はじめまして」

「君はサイダルフォンかな?」


『そういう貴様は何者だ』


「やあやあ僕には名など無いよ」


『何用で来た』


「用は無いかな」

「早速だけど消えてくれない?」


『全知全能の我に不敬であろう』


「いや無様に閉じ込められてるじゃん」

「君が聖職者の少女とかに」

「憑依するのが好きな糞ペド野郎だって」

「聞いているし」

「悪魔付き騒ぎになったり」

「堕天の原因になったり迷惑なんだよ」


『何も知らぬ小童め』

『そもそも天使には女など居ないわ』

『創造主を元に作られている故にな』


「それ誰から聞いたのです?」

「ソフィア様とか知りませんか?」

「まあいいや駆除するだけだし」


不定形だった光りが

存在を誇張するように

輝かんばかりの光を撒き散らした

空間が光りに満ち溢れ

白く染め上げた


散りへ塵へ物資も音も光りも波を断つ

停まれ止まれ静かな何も無い世界へ


砂だった物が霧になり渦を巻き

黒く染まり光りだった物が

光りの粒のような物になり

黒い渦の中に吸い込まれていった


元のような静寂な空間だけが残っていた

吸収してみたけど

憑依以外まともなスキル無いじゃん

待機所に戻り

破片が崩壊してないのを確認すると

ピンセットで取り出し

虚数空間に放り込んだ


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