第6話
ダークエルフの話をする時に
避けては通れない話として
王家に伝わる伝承がある
エメラルダスストーリー
通称ダスタード
その一章にはこうある
赤き月の惨劇
ブラッディマンデー
血の月の日と
それによると
この世界は
その日が来るまで
今ほど過酷な環境ではなかったらしい
その空には
赤き月と
緑の恒星があり
まるで昼と夜のように
交互に地上を照らした
緑の恒星は
優しい光りで照らし
それにより長い時間をかけて
遍く浄化していたらしい
森があり
豊かな自然と動植物
まるで楽園のようであったと
そこには記されている
ある時赤い月が
其れまでよりとても大きく見えた
空が落ちた日
そのように言われている
実際とても近くに見えたとか
その日
月がまだ出ているというのに
緑の恒星が空に現れ
一度歪に大きく膨らみ
やがて縮むと
林檎を握り潰した様に
破裂した
一際大きな破片が降り注いだのが
今の王城の場所で
大地母神の寝所の近く
多くのノームが死に
その血溜まりから生まれたのが
今の王家らしい
エルフどこいったと
最初に読んだ時は思ったが
言われてみれば納得で
土と火の属性
あるよねー
話をはしょると
空から緑の星の破片が降りました
大きな穴が開きました
大地母神は寝ていて気がつきません
ノームが盾になって守りました
大地母神は多くの力を失って休眠します
沢山のノームの血溜まりは
穴の中に零れ落ちました
その血溜まりの中から
闇の精霊が生まれました
その眷属的な妖精が
ドゥエルブ
闇のエルフ
ダークエルフと呼ばれました
赤か黒の魔石
力や火や闇の
とりわけ闇は相手の精神に作用するもの
自己の強化魔法や
強奪系
ヴァンプ(吸血)の魔法は
武器に付与するとHPドレインする
ペインは自己の痛みや苦しみを反射する
その他もろもろ
状態阻害系が得意
空が落ちた日
破裂した破片が降り注ぎ
沢山の赤い泉が噴出した
魔女の大釜とも
再生の泉とも呼ばれる其れは
死者を生き返らせるとも
亡者を生み出すとも言われ
事実魔物との戦いで死んだ兵士を
泉に投げ入れると三日以内に生き返る
王城以外の泉での話しだが
王城以外の泉では
ノームの大量死も無いのに
なぜそのような事が起こるのか
破片の衝突の凄まじさから
空間が歪み
大地は裂け
いくつかの境界が吹き飛び
崩れ落ち
嘗ての空は高さを失い
赤い月の影響で動物が魔物化したり
大地は力を失い自浄することもせず
癒しの光りは失われ
闇と瘴気と濃すぎる魔力
生き物が死ぬと魔力に還元される為
行き場の無い魔力が溜まり
一部の対応した固体は
地上で生活をし
力の無いものは
危険な地上から逃げ
洞窟や地下施設を作り
移り住んだ
王城の泉は特別製で
聖別されたハイエルフの埋葬泉や
世界樹の果実
100年に一度の世界樹のシード
そういったものが還元されて
来ている訳だが
大地母神の復活という意味でも
ここの泉が異世界である
エルフの里と繋がっているのは
良いことなのだが
赤茶けた土
とりわけ王城の近くの土地では
スケルトン
骨の魔物が湧き出ると
報告されている
倒しても倒しても
湧き出て
壊してもしばらくすると起き上がり
以前偶然沸いた魔法形が
スケルトンの大群を率いて王城に迫った
多くの犠牲を出しながら勝利するも
余りにも大きな犠牲の為
念の為境界付近の飛び地にある
泉で兵士の復活の際にそれは起こった
数でスケルトンを磨り潰し
最終的には大勢囲んで距離を詰めて
魔法というリーチの差を克服し
フルボッコ
粉微塵にして
ノームにお願いして
石の中に閉じ込めた
兵士達の装備などは
回収燃やすか
溶かすかしたはずだった
最後の戦いは激戦で
少なくない被害だった
囲んだ兵士は復活させない
と通達したはずなのに
どこかのバカがやらかした
どうやら最後の止めを刺した者が
英雄的な活躍だったらしく
相打ち遺体も綺麗なもので
復活させたのだ
至近距離に居た為に
どうやら爪だか骨の破片だかが
体内に残っており
くだんの魔法形が復活してしまったのだ
しかも受肉するというオマケ付きで
部隊は全滅
いや報告に来た斥候が
遠巻きに姿を見たらしいのだが
耳が千切れて丸まってた
顔は粘土を捏ねた様で
メリハリが無かった
等と伝わっている
はや未曾有の大災害かって時に
闇との親和性が高いナイトメアと
夢魔の皆さん
黒豹族の方々と
黒猫妖精(ケットシー)の皆さん
別の用事で訪れていた影狼さんが
たまたま通りかかって
結界を張ってくださいまして
別の世界に転送する施設を作ってくださって
しばらく管理するのに
残っていただいた
そのような事が
つらつらと書かれています
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