第5話

赤の女王

それは姉妹達とは別の固体

似て異なるもの

独自に進化した個体

機能の一部であるが副産物

本来の役目では

表の湖の女神

世界樹の眷属の

エルフ

上位固体は精霊石

下位固体は妖精体

水の魔石や

風の魔石

育成促進などのスキル

ドライアド等の

マナドレイン

ウッドマン

リヴァーマン

その他の

魔物

それらの

捕食

消化

吸収

分解

魔力と理力に分解

再構成できる状態で排泄

その排出先の一つが

ここ緋眼の泉

ここで女王に相応しい個体に

再編成される

それは泉の特性も変化しており

大地母神の加護から

土と火の加護を

土に返る際の特性から

血と

夜目と

不死属性を

猫科の守護獣を好み

黒が最上の色として好まれ

土属性火属性と

雷系の魔法が発現し易く

状態阻害系も得意

舞踏系

武闘系

死霊術

呪術系

忍術系

力が強く

早さも器用さもあり

物作りが大好き

ちょっと優遇されすぎだろ

この世界のダークエルフ



メ『マーヤお願いがあります一族の者を誰かここに』

メ『頭巾かフード付きローブを二着』

メ『銀髪の子を王家の間にもう一人は待機所に』

メ『今までありがとう沢山の感謝を』


メアリーは助骨からリングを引き抜くと

銀髪少女の人差し指に

助骨は二つに折り左右にに握りこみ

右手に生成された白い指輪を

ノウェムの左手薬指に付けた

それは純白のメタリックカラーで

象嵌彫りのような見事な装飾で

強い祝力を持っていた


キィーーン

金属を打ち合わせたような

甲高い音が響く

ゆらりと黒いなにか

刀のような

爪のような

なにかを持ったなにか


見つけた

陽炎さんそこでしたか


メアリーは右手の親指を

がりっと噛んだ

爪に仕込んである

エリクシルが瞬間皮膚を焼く

皮膚の焼ける臭いと

しゅうしゅう音を立て

体の傷という傷が修復されていく


エリクシルとは

グレープフルーツのような

丸く大きく黄色い果実で

皮が厚く揮発性のある臭いがし

酸っぱさはレモンの10倍


なにか は鼻を押さえて蹲っていた

メアリーはそれに近づき

頭の毛を何本か引き抜くと

より合わせ握りこむと

黒い環になった

それを銀髪の娘の

左薬指に嵌める


その足で白きライオンの下に来ると

聖獣様お手を

自身の左手を差し出して

掌を上に

その上に助骨が

その上に守護獣の右手を乗せて

中指の爪を

掌に突き刺した

爪の先がパリンと欠け

続いて助骨もピキピキと

音を立てる

ライオンは驚きで手を引き抜き

ビクっとする

メアは慈愛の眼差しで

ライオンを見つめながら

左手を握りこむ

そこには金と白と赤の3連リングが

金髪の娘の中指に嵌めると

金と赤の2重巻きの腕輪が


「まぁーーよ?いいところに来ました」

「今から女にしてあげましょう」


頭を抱きかかえキスをした


メ『マヨ今から貴方に継承の儀式をします』

メ『恥ずかしがらずに舌を出す!』

メ『私の魔紋は舌の裏にあるの!』

メ『ほら届かない!早くして!』


舌の上に魔紋を圧し付け

魔力を流す

ついでに多めに魔力を流し込む


「赤の女王様後幾泊かするとゾフィーという青髪の夢魔が生まれますわ」

「その者を対価に差し上げます」

「ノウェム手荒なことしてごめんなさい」

「あと一族の方呼んでちょうだい」

「それとあの子の様子見にいって欲しいのですけど」

「その・・テンダロスの猟犬の姿でよければ教えられる」


ノ「いいわ分かってるロウの姿形は忘れないからいらないわ」


最後の仕事をしましょうか

泉の畔に

どどめ

鬼木天蓼

猿梨

黒酸塊

4種の果樹を用意した

黒酸塊の新芽から

葉になったばかりの物を選び

パンと手に挟んで打ち鳴らす

たちまち猫の尿に似た臭いが立ち込め

銀髪の娘と

金髪の娘が

うっすらと瞼を開ける

猿梨の蔓を手折ったものを

金の娘の口元に

緑の水滴が零れ落ちて

大地の精霊の息吹を感じた

黒酸塊の実を三つ

握って潰した汁で

手首と顔に

3本腺 三の文字を書くと

先ほどの猿梨の蔓が

解けて黒いリボンの様な物になり

両腕と顔に巻きつき

やがて消えた

肩までの腕と胸元から上顔が

黒くなりスク水の日焼け後みたいになった

ライムにするつもりだったけど

「ミカ 輝くものという意味です」


銀「そこの駄犬白い子に憑依して姿形を覚えなさい」


銀の娘の目は赤く血走っており

急激な情報の吸収に苦しんでいるようだった

どどめの実を三粒口に含ませると

喉の渇きが癒されないなら

これか石榴の実を食べてください

この木で弓矢と杖を矢羽は

血の池の蓮華の葉を使ってください

銀の娘の耳元でメアさんがなにやら囁いていた


銀「カゲロウさん影狼かしら?」


あーあ言っちゃった

あえて真名までは教えなかったが

粗粗正解を突いており

これで粗縛れるわね


「結びの儀願いまして血と魂にかけて大地の神々に誓います」

「立会人は『わたくしが』赤の女王様」

「対価は私の命で」


『足らない分は私が出そう』


薔薇の生垣の内側

赤き瞳の周りが白く染まる

ナイトメアは黒き馬の姿で

赤い瞳のナイトメア

黒いクルクル捩れたリボンのように

解けて地へと帰っていった


完全に介入するタイミング逃した

手元には馬の首の形の黒い駒

直感ではもう一度見れる気もするが

変えちゃいけない感がハンパナイ

うーん惜しい気もする

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