第4話

ビーカーの中の世界に変化が起こっていた

1 エンバイロイメントフレンズ

2 ブラック&ホワイトエレメンツ

3 バジリスク=堕ちたドラゴンのサーガ

4 ギガントマキナと結納の話

5 チェンジリングの過程と結果その課題

6 ソーサラーオブOZとスリーピングフォレスト

7 世界樹・・・生命の木・・境界の木・・知恵・・の・


はあ・・何なんですかこれは

調べていたものが分りましたが

これじゃさっぱり判りません

一つずつ見ていくしかないですか

うーんどれから・・

エレメンツ・・4大元素とエーテルでしたか

自分はそう教わりましたが

黒白だと4神トラとカメでしたか

堕ちたドラゴンに繋がるならカメじゃなくトカゲ?

1に介入すると話が変わってきそうですし

2の内容を回収保存してから改めて介入しますか


砂はポーション瓶 

フラスコのような物を取り出して

ビーカーの上澄みからスポイトで吸いだした液を垂らす

それを手早く回すとフラスコの中が黒く染まる

2章タイトルは黒き天使のベーゼ

は?うわぁーあのジジイ頭まで腐ってやがる

嫌だなーなどと思いながら意識を集中する

ダイブ

きゅるきゅるきゅる

目が回る感覚がすると

次第に景色が変わってくる


жжжжжжжж


ウィトンフェイム

王城の謁見の間の玉座の後方2重扉の奥に庭園があった

扉は玉座からの物は双方向の行き来が出来るが

庭園からは一方通行で玉座の間にも迂回路は無し

そこから出て来た者が王であるという

代々受け継がれた仕来りがある


庭園の一角目の様な楕円の生垣の中心に

赤い瞳のような泉がある上から見たらで有るが

無論黒い幹黒い葉赤い薔薇の生垣で外からは見えない

泉の畔ではピンクの髪の黒豹族の娘と

侯爵級魔族のナイトメアのメイドが居た

ダークエルフの王族に比べて

遥かに強いナイトメアであるから

冥土服は趣味であろう

そう思っていると


「新しい女王に仕えるとか萌えるわぁ」


等とのたまう始末なので

素だな と思うことにした


まるで血の様な赤い泉が波打つと

波紋の中心から青白い馬の蹄が見えたかと思うと

「スレイ・・招いていない者が来たようですね」

ビフォーナイトメア

生垣から黒い霧が発生し

辺りは漆黒の闇が支配する

赤き稲妻が蹄を打ちつけ

泉の中にソレは沈んでいった


「黄泉渡りが出来る馬など限られて居るのですよ」

「それの対処法なども」


「メアリー様今回はハズレで?」

「いえもうちょっと待ってみましょう」

「何かが介入しようとしたようですが」


今回は介入してねー

一人憤慨する砂であったが

もとより見ているだけなので

気配はおろか存在も認識できないはず

なのであるが


あれから随分時間がたった

ヒューマン人族の世界では

数日といったところか

こいつら食事も排泄も必要ないのか

意外と便利だと砂は思った


自分が創造するなら

知能の高い魔族一択じゃ


再び泉が波立つ

波紋が広がり

何かが岸近くまで

運ばれてきた


真っ赤な水から伸びる

真っ白な手

高位アンデットのような

青白さではなく純白


ナイトメアは泉に両手を浸し

その相手を抱きかかえ引き上げる

粗粗出掛かった姿を見ては

メアリーと呼ばれたナイトメアの顔が歪んだ


白い髪肌は染み一つ無い純白で

グレーというか紫の瞳

幼い割りに慎ましくもないその胸

ぷにぷにと柔らかそうな手足

一見イカっ腹かと思えば

メリハリの付いたボディ


抱き抱えたメアの両腕は

シュウシュウと音を立てて

煙がでていた

もはや崩れ落ちる寸前というところか



「ノウェムさん守護獣確保」


岸辺には白いライオンの子供がいた

耳の先と尻尾の先が黒く

瞳も黒かった


ブラックアイホワイトファー

希少獣なのは間違いない

猫科なので本来なら合格

欲を言えば黒豹か

黒いライオンが良かった


「守護獣の特性から主人が此方側の王族なのは間違いなし」


だけどこの子はまずいのよ

私でさえもう溶けかかっている

前世の記憶が強いのか

還元・・死ぬ前に溺れたのか

いずれにしても

これじゃあてられた人が皆死ぬ

誰も近寄れないし何も出来ない

国というか世界が滅ぶわ


支えきれずに少女を泉に落とす

ボロボロでされど僅かに残った右手で

少女の頭を抑える


「ごめんなさい」


泣きそうな顔をした少女を

さらに沈める


「赤の女王に願い奉る」


泉の中央が粟立ち

波が少女を

さらに深い底にいざなう


『無礼であろう』


怒気が聞こえた


「チェンジで」


泉の女神が左右に少女を伴って現れた


右手に銀髪褐色のエルフの少女が

左手に金髪肌色のエルフの少女が


『御主が落としたのはどちらの女子じゃ』


あ そういうのいいですから


「銀髪の少女です」


『つまらんのこちらの女子も引き取れ』

『青鹿毛のナイトメアを所望する』

『先代の赤い魔石は無いのか?』

『記憶が継承できんではないか』


「相当無理をしていたみたいで」

「先代中身からっぽだったんですよね」


ナイトメアは自身の左胸の上に

指を這わすと助骨を引き抜いた

そこには銀色のリングが巻きついていて


「ここに歴代の記録が」


記憶が途切れないように

妹のマーヤに毎晩潜らせて

精神同調で定期的にバックアップしてたのよね

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る